俺は気づけば開放されたリビングに行かなくなっていた。
どんな顔をして兄弟に会えばいいか分からない。
勉強することで安心を得ていた。
起きたら勉強。
学校から帰ってきたら勉強。
寝るまで勉強。
そんな生活 俺の中では当たり前だった。
話しても話を聞いてくれても何も変わらない。
ただただ俺は勉強するしかない。
勉強以外の行動は無駄。
心做しかそう思い込むようになっていた。
次第に食事も取らなくなったしスマホを手に取ることも少なくなった。
今日も俺は勉強する。
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🩵
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🩵
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あの出来事からみことはリビングに来なくなった。
母さんがみことに何を言ったかは知らない。
けれど明らかにおかしい。
家の雰囲気がおかしい。
みことは既に異常だったけど悪化しているような気がする。
母さんが階段から降りてきたら晩飯が入ったおぼんを持っておりてくる。
でも皿の中には沢山残した白米。
味噌汁。
おかず。
きっと晩飯もまともに食ってねぇ。
この感じだと朝と昼も。
いつかぶっ倒れるんじゃねーかと俺は考える。
今日もみことを救えなかった。
💛
このワーク もう何周しただろうか。
このペン もう何回インクを補充しただろうか。
このノート もう何度文字を消したことか。
毎日同じ光景。
苦ではもうなくなっていた。
俺はふと1枚の写真に目をやった。
💛
そこには笑顔でドラムを叩いてる俺がいた。
そんな時期もあったなと口角を緩める。
俺は学校の発表会的なやつで少しドラムに触れたことがある。
初めてのはずなのに上出来だったそうで先生や友達に褒められた。
俺は勉強する前々からドラムには興味があった。
存在感があってかっこいい。
けれど勉強をするようになってからドラムになんて構えなくなった。
でもドラムなら俺でも輝けるかもしれない。
そんなことを思う自分がいた。
💛
💛
💛
俺たちのクラスの出し物は音楽的なやつ。
明日はその楽器担当を決める日。
💛
💛
俺はまた ドラムを始めてみようと決心した。
俺の夢は今決まった。
勉強だらけの日常は今日で終わりだ。
今の生活から抜け出すには自分から1歩に出ないといけない。
必ず
必ず
ドラマーになってやる。
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