心は空白です。

震えた手で渡す。緊張して 息が止まるかと思った。

ため息が怖くて体がビクついた。

お母さんは呪文を唱えるようにスラスラと 言葉が出る。

俺も慣れてスラっと「ごめんなさい。」が出る。

ガチャ

母が顔を真っ赤にして誘う。

父は母さんを睨んでネクタイを解く。

ボフッとベッドに飛び付いて布団を抱き締める。

ごめんなさい

私が悪かった

今すぐ出てくから！

ごめんなさい

母さんの悲鳴がリビングから聞こえる。

夜のお誘い断られたのか、

あーぁ寝そうだったのに。

爽やかに「おはよう」と言う。

他愛のない話をして盛り上がる。

癖のある声の上がり方が少し面白くて好きだ。

お猿のジョージのような笑い方も、勿論大好きだ

これが日常。とっても楽しくて仕方ない。