カタン…
広い病室の大きな窓辺に ここに来るまでに買ってきた 鮮やかに咲き誇る綺麗な花束を 花瓶にいけて飾る
LAN
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毎日毎日途絶える事なく時間があれば この病室に来ている俺。
理由はたったひとつ。
俺の恋人である いるま が 事故に遇って目を覚ましていないから。
車と接触し跳ね飛ばされ 打ち所が悪く 頭を強打したからか もう一週間は目を覚ましていない。
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普段は前向き思考で 我ながらポジティブだと思う俺でも さすがにやばいなと思う時は ネガティブになってしまう。 このまま いるま が目を覚まさなかったら、だとか このまま一生を終えてしまったら、 だとか。 頭を過ぎるのはあまりにも残酷でしんどい内容ばかりだが、 ほんの僅かな確率によっては 有り得てしまう内容なのだ。
仮にいるまがこの先 目を覚まさなかったとして… そしたら俺は、 どうなるんだ……? もう最愛のいるまと話せない…、 もう、 あの笑顔が、見られない…?
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そう思いいるまが横になっている ベッドの脇にある椅子に座って いるまの白く、男性らしい 骨ばった手を ぎゅっ、と握ってお祈りをする。
LAN
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そう、願ったのが いけなかったのだろうか。
いるま
紛れもない 最愛の人の声が久々に聞けて、 きゅっと手を握り返してくれて。 俺はやっと、 心に光が灯ったと思ったのに。
いるま
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いるま
神様は、 とても不平等でした。
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たそまる
たそまる
たそまる
たそまる
たそまる
たそまる
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