音 が 途切れる 。
と 、素っ頓狂 な 声 を 上げて 顔 を 上げる 。
其の瞬間 顔 に 容赦無く ぶち当たる 光 から 、 俺 は ギタ − を 手にしてから 彼此 6時間以上 経っている事 に 気付いた 。
戸 の 隙間から 差し込む 光 は 朝 とは 違い 、 明らか 強く 濃い 暖色 に 変化している 。
弦 を 触っている 感覚 も 、 すっかり 失せていた 。
暫くして じんじん と 痺れ 始める 指先 。
麻痺ってるんやろうな 、と 笑って そっと 呟く 。
無論 、其の言葉 に 返事 は 無い 。
ただ 、其処 に「 そりゃそうだろ 」と 俺 を 揶揄う様に 笑う 彼 の 幻影 を 見る 俺 は 相当 重症なんだろうな と 情けなくなる 。
無口 な 空 に 孤独 を 吐き出しては 、 虚しくなる事 の 繰り返し 。
そして 孤独 と云う 名 の 雲 は 音 に なり 、 五線譜 に 架かる 虹 と なって曲 を 色付ける 。
偶に 現実 が 全部 嫌になると 、 そんな 痛々しい 妄想 に 耽る事 も あった 。
彼 への 言葉 を 探しながら 、
未送信 の メッセ − ジ を 見ながら 、
夢 を 見る 。
結局 其処 に 彼 の 声 が 無ければ 、 俺 の ギタ − も ただ の 音でしかないのに 。
あの後 、俺 は ギタ − 専用 の ワックス を 忘れた事 に 気付き 、 慌てて 家から 車 で 10分 の スタジオ に 来た 。
因みに スタジオ には 、 “ ニキ 様 ・ しろせんせ − 様 ” と 云う 名簿 が 付いている 。
俺達 は お世辞にも 知名度 が 高い とは 言えない為 、2人 合わせないと どうしても 此処 を 借りられないので 、 スタジオ は ずっと 前から 変わっていない 。
其の事 に 何とも 言えない 複雑な 感情 が 込み上げてきて 、 思わず 入るのを 躊躇った 其の時 だった 。
「 いち に − さん し 」と云う のは 、 共 に 演奏する時 に 決まって 彼 が していた 合図 。
其の後 に 聞こえてきた のは 、 嫌になる程 、飽きる程 触れた 男 の 声 。
そして 其の声 が 紡いでいる のは 、 聞き覚えのある 旋律 と 歌詞 だった 。
あの日から ずっと 、 未完成 だった 歌 だった 。
“ 掴めないのに ”
初めて の キス を
今更 。
そう 乱雑 に 吐き捨てて 、
彼 を 見捨てて 、
其の儘 別れた あの日 。
其の日 から ずっと 、わかってた 。
ずっと 、知っていた 。
悪い のは 全部 俺 で 、
彼 を 傷付けた のも 俺 で 、
其れで 、
彼 の 声 が 、俺 に とって の 正解 だった 。
お前 の 其の 、
無茶 で ぶっきらぼう で 真っ直ぐ な 声 に 、
俺 は 今でも 焦がれている 。
『 さっすが 僕 の 相棒 、笑 』
あの日 の キス と スキ が 、
愛 が 、
俺 に 噛みついて 離さない と言う くせに さみしさ の カタチ は 変わらない 。
“ 2年前 ”
2年前 の あの日 から ずっと 、 彼 の 声 は 変わっていない 。
戻りたい 、
そう 思っている 自分 が 居る事 が 情けなくて 涙 が 溢れる 。
彼 を 縛って 、
彼 を 捨てた 。
そんな 俺 が 、彼 の 傍 に 居て 良い筈 が ない 。
………… ただ 、俺 に できるのは 、
彼 の 見えない 場所 で 、
其れでも 彼 の 声 が 届く 遠い所 から 、
ただ ずっと 、
思い を 押し殺して 、
彼 が 羽ばたく のを 手 の 届かない 最前列 で 見るだけ だから 。
だから 、
“ 舞い上がれ ”
そう 、強く 思う 。
願う 。
祈る 。
いつか 夜 の 向こう側 で 、
うんざりする ほど 光れ 。
光れ 。
光れ 。
光れ 。
そして どうか 、俺 に 諦めさせて 欲しい 。
お前 を
お前 と云う 光 を
手放す 勇気 を 、
どうか 、お前 の 歌声 で 。
コメント
1件
此の 曲パロ を 誰も 書いていないのが 謎すぎて 自給自足 です ……