な、何でこんな所に半間君が!?!?
半間君ここの学校の人じゃないよね!?
鯨|...な、な.....
焦りと緊張と恐怖が混ざりに混ざって、言葉が喉を通らない。
ハンマ|忘れてねぇよなぁ、俺の事
鯨|だ、誰だったかなぁ~~...
ここは知らないフリしとけ自分!!!
ここで知らないフリしないと未来で半間君と付き合う事にぃ.....!!!
ハンマ|あは♡ 嘘付くんじゃねーよ♡
鯨|ご、ごめんなさぃ.....
ポケットに手を突っ込みながら言う彼は、とてつもなく恐ろしい。
無理だ。何で私こんな人と...
鯨|何でここに...??
鯨|しかも私達コンビニでちらっと会っただけですよね...!?
ハンマ|何か知らねーけど気に入った
鯨|気ッッ.......
気に入られた!?!? 嘘でしょ!?!?
ど、どうすれば...!!! このままだと未来全然変わんないじゃん!!
鯨|あ、あは...ありがとうございます...
鯨|じゃあ私はこれで.........
よし。そのままスラッと帰るんだ私。
ズレた鞄を持ち直し、靴を履こうとするも
ハンマ|なに、そんなに俺の事イヤなの?
鯨|いッ、いえ!!!!そんなつもりは...
圧倒的体格差。
何なんだよぉ...何でこんなデカいの...
ハンマ|お前名前は? 俺半間修二
鯨|...な、名前!?
どうしようどうしよう!?!?
名前なんて知られたらもう未来なんて変えられるわけない!!!
何でコンビニで3秒ぐらいしか面識の無い私の事を覚えてるんだよ!!!!
鯨|くッ、、、、鯨...です、
ハンマ|鯨ちゃんか♡
終わった...
私のタイムリープは意味が無い物になってしまった。
名前知られて顔がっつり見られて
おまけには学校も知られた。
これもう回避出来ないルートに入ってしまったのでは...??
鯨|えぇ~っと.....は、半間君は何で私の学校を知ってるんですか?
あぁぁあ何やってんだ私、、!!!
そのまま帰れよ!!!! そのまま!!!
ハンマ|制服で1発
鯨|ぐッ...
そうだ。コンビニで会った時、私制服着てた。やってしまった。
ハンマ|てか何で敬語? タメでいーだろ
鯨|い、いや...何か申し訳無いというか...
タメ口で喋れる程の関係に持ち込んではダメだ。
と、とにかく...半間君から逃げる方法を考えなければ...!!!!
ハンマ|これからタメな。絶対
鯨|絶対、、、、
結局タメになってしまい、私は今にも倒れそうだった。
本当にどうすれば未来を変えられる?
私は焦りながらも考え続けた。
考えに考え抜いた結果、まず学校の外に出るべきだと判断した。
靴箱まで来られたら先生に怒られてしまう。
半間君不良だし。絶対。
見つかる前に半間君をどうにかしなければ...!!
鯨|は、半間...さん、早く外出ないと先生に見つかっちゃうよ...
ハンマ|修二君でいーのに
鯨|いッ、いやぁ...それはちょっと馴れ馴れしいというか...
ハンマ|は? 別にいーじゃん。俺その為にここ来てんだけど
鯨|つ、付き合ってるみたいでなんかなぁ、、っていうか...
彼氏でもない(未来では彼氏だけど)半間君を下の名前で呼びたくないという欲があった。
せめて半間君でお願いしたい、、。
ハンマ|んじゃ付き合う?
鯨|...へ?
いいいいい今なんて言った!?!?
付き合う...? ツキアウ.....ツキ........
鯨|...ま、まじすか...?
心臓がバクバクして上手く舌が回らない。
ハンマ|マジ♡
この流れは絶ッッッ対付き合うルートだ!!!!
ダメダメダメ!!!絶対回避しなきゃ、!!
鯨|き、気持ちだだだけ、受けとととと取っておおおきますッッッ!!!!
鯨|で、では私はこれでッッッ!!!!
もう焦りすぎて自分でも何言ってるか分からない。
そして急いで靴を履き、半間君から逃げるようにして靴箱を出た。
案の定、後ろから半間君が追ってくる気配は無い。
良かった.....とりあえず付き合うルート回避...!!
私は門を出て、安堵の溜息を付いた。
学校から飛び出すように走って約5分程。
後ろを何度も確認しながら走ったから、半間君は来ないはず。
これでまた会ったらもう諦めるしかない。
あんなに直ぐ『付き合う』って単語が出てくるとは驚きだ。
次会った時はもう付き合ってる前提にされてそうで怖い。
一旦荒れた呼吸を落ち着かせて、携帯電話を開いた。
鯨|...時間ビミョー、、
そう1人で、携帯電話を握り締めたまま呟いた。
帰るにしては微妙な時間。
もう半間君も居ないし、コンビニでアイス買って食べようかな。
前コンビニ行った時は半間君に邪魔されたから、そのリベンジだ。
そう思い、私はコンビニへ足を運ばせた。
少し歩いて、あのコンビニに着いた。
自動ドアが開くと、あのコンビニ特有の音楽が流れる。
この音楽作った人普通にセンスあると思ってしまう。
まぁそんな事は置いといて、今はアイスだ。
前食べたかったのに食べれなかったアイス。
今度こそ絶対買ってやる、、
謎の使命感に染まりながらも、私はそのままアイスコーナーの場所へ向かった。
鯨|う~~ん、どれにしようかな...
アイスコーナーは近くに立っているだけで涼しくなる。
さっき全速力で走って出てきた汗も消え去った。
暫く財布を握りながら選ぶ。
結局選んだのはガリガリ君のソーダ味。
何故か初心に戻りたくなった。
幼い頃よく食べてたけど、年を重ねる内に食べなくなったこのアイス。
せっかく夢の中学生に戻れたんだし、アイス食べて夏を感じたい。
そうルンルン気分で、レジに向かおうとした。
ハンマ|鯨ちゃんこのアイス好きなんだ♡
鯨|....................へ、
後ろを振り返ると、半間君が居た。
嘘、でしょ.....
ガバッと手に取ったアイスを売り場に戻し、財布も鞄にしまう。
何で、、さっき半間君から逃げたばっかなのに!!!
鯨|はッ、ははは半間君何でここに、、!?
ハンマ|何でって、鯨ちゃんが先に帰っちゃったんだろぉ
鯨|え、い...一緒に帰る約束してましたっけ、、
ハンマ|しただろ
鯨|...........
いや、してないですけど...
ダメだ...半間君なんて人だ...
会ったばっかの私に何でこんな執着するの、、
ハンマ|てかそのアイス買わねーの?
鯨|え、?
すると、半間君はさっき私が戻したガリガリ君に視線を向けた。
ハンマ|俺が奢ってやるよ
え、本当に?
鯨|...
どうしよう。奢って欲しい...な。
.......いやでも、これで奢って貰ってその後だ。
何か後から大金請求して来そう...
いやでもでも、、ガリガリ君安いしこれぐらいは.....
ハンマ|ん、何。食わねーの?
鯨|食べ...ます
ハンマ|...俺に奢って欲しい?
鯨|おッ...奢って、欲しい...です
ハンマ|いーよ♡ その代わりちょっと付き合えよぉ~
鯨|えッ、つ、付き合っ...
ハッとすると、半間君はもうレジで会計中、、
うわー...完全に選択肢をミスってしまった。
何で...何でだよ私...ガリガリ君1個に飢えてどうすんだ...
しかも本当に奢ってもらっちゃったし、、
ハンマ|はい、どーぞ
鯨|あ、ありがとうございます...
ちゃっかり奢って貰ったガリガリ君を受け取った。
鯨|つ、付き合うって...どこにですかね...?
恐る恐る、声を震わせて聞いてみた。
何かどっか変な所連れてかれないと良いんだけど、、
ハンマ|公園行こーぜ、どっか近くの
鯨|へ? 公園?
何か凄い普通の場所を選ぶもんだから、一瞬驚きが隠せなかったが
半間君の手元を見ると、半間君もガリガリ君を買っていた。
こ、これってもしかして...
ハンマ|一緒に食お♡
鯨|.....ハイ
半間君の言う事に否定も出来ず
私は自分の選んだ選択肢を後悔した。
少し辺りが暗くなって、夕が落ちる頃。
私はガリガリ君をちまちま食べながら、半間君の隣を歩く。
″食べながら″ 公園に行くという意味だった。
いや、公園に行った後は何するつもりなんですかね!?
鯨|.............
少し焦りを感じながらも、私はガリガリ君を1口齧った。
久しぶりに食べたソーダ味は、とても美味しかった。
しゅわしゅわした炭酸要素は無いけど、美味し過ぎてそれも感じられる程。
これは奢って貰った価値はあるかも、、なんて。
まぁ言ってガリガリ君安いんだけど...
ハンマ|そんな美味い?
鯨|...もしかして半間君このアイス嫌いなんですか、!?
半間君も私と同じガリガリ君のソーダ味。
隣に梨味とか色々あったのに。
ハンマ|別に嫌いじゃねぇけどさ
ハンマ|鯨ちゃんすっげぇ美味そうに食べるから
鯨|う、嘘ッ...
見た目は中学生でも、中身は26歳の中々良い大人だ。
ずっとタイムリープを繰り返していると、精神年齢がごちゃまぜになる。
本当に中学生の半間君に振り回されてる26歳...........
そう考えると、少し恥ずかしくなった。
ハンマ|てか敬語辞めろっつったよなぁ
鯨|あ、ごめん...
そうだった。
半間君がどうしても中学生に見えないから、つい敬語で喋ってしまう。
怖いって理由も少しあるけど、、
暫く緊張が止まらぬまま、私達は公園に向かった。
アイスを丁度食べ終わった頃、私と半間君は公園に着いた。
近くのって言ってたけど、そんな近くでは無かったな。
結構歩いたし、足も少し痛くなってきた。
着いた公園は、少し古めの自然あふれる外見が目立つ所。
砂場の奥にある、屋根のついた休憩所の柱にはびっしりとツタが張っていた。
カラフルなジャングルジムも
小さな滑り台も
砂場に刺さる、忘れ物だと思うスコップも
凄く懐かしく感じる。
その公園を眺めていると、突然半間君が言った。
ハンマ|傘持ってる?
鯨|...?
え、傘? 何で今傘の話??
ますます半間君の意図が読めなくなった。
ハンマ|その様子じゃ持ってねーな
鯨|う、うん...持ってないけど...
グイッ
鯨|おわッ
すると急に腕を引っ張られ、屋根のついた休憩所に入った。
鯨|えっ...と、半間君...何でここに、、
屋根のせいでもっと暗くなった周辺に緊張しながらも
半間君にそう聞き出そうとした。
するとその瞬間、ポツっと何かが垂れる音がした。
鯨|、??
その雫と共に、大粒の雨が降り出す。
...........大雨。
ハンマ|予報通りだったなぁ
鯨|................
半間君、わざと帰れない状況作りました...??
私は降り続ける大雨に、絶望を覚えた。
お話の終わりに失礼します
このシリーズ好評で嬉しいです!!
ですが無言ブクマはお辞め下さい...
せめて何かしらの報告は欲しいです
モチベがめちゃめちゃ下がるので...
報告はそれだけです
引き続き、このシリーズを宜しくお願い致します、!
コメント
36件
半間優しぃε٩(๑>ω<)۶з 鯨ちゃん、場所変わっt(((((
ブクマします!報告遅れてしまってごめんなさい!! 続き楽しみ!頑張ってください!!!
一虎も一虎で監禁しそう