すれ違い

・💎×🐰 💎×🍻 ・切なめstory(?) ・464tap ・ｼﾈﾀ ・ご本人様には関係ありません ・駄作

あぁ…知らんかったんや

知っとったらあんな事…ｯ

ごめんｯごめんな

いむ君…

チッチッチッ

鬼の様に気まずい空間

誰も口を開かない中、時計の音だけが煩く鳴り響いてる

そんな空気を破ったのは水色頭の彼

明るい性格に可愛いアホ毛…僕が大好きな人

…のはずだった

数分前までは

数分前

ガンッガンッ

必要以上に音をたてながら階段を登る

長々と連なる階段

僕と君の関係もこの階段の様に永遠に続くと思っていたのに

一段一段、段数を重ねる内に一つ一つ思い出が蘇る

初めて外食しに行った時の事

初めてあった日の事

活動について本気で話し合ったこと

喧嘩したこと

笑いあったこと

そして君に惚れたこと

君も同じ気持ちと分かったこと

沢山の思い出

全てを壊すかの様に

僕は階段を踏み歩き続けた

ベットにin

疲れか気だるさか一気に出る

泣きたくない泣いてはいけない

好きなんだから

好きな人の幸せを願わなければいけない

分かってるそんな事

だけど…

僕はそんな事出来るほど器用でも優しくもないんや

開くと直ぐに出てくる彼の顔

そうか…ロック画面にしてたんや

写真フォルダーもカレンダーも

全て君

どれだけ僕が君に依存していたかがよく分かる

今まで人を好きになった事が無かったから

愛情表現の仕方を間違えたのか

君は優しいから…ずっと…我慢

ｺﾝｺﾝ

扉を叩く音

分かる…声を聞く前から…君だ

声が若干震えてる

普段の君の声じゃない

…こんな風にさせたんも僕なんよな

真っ赤な目

流血している

優しく…君の幸せを願うために

指先には水色と紫のグラレーションをした指輪

付き合った当初、君の誕生日に初めてあげたプレゼント

指輪を見てハッとするまろちゃん

これを選ぶ時手伝ってくれたな

ライバルの手伝い。それも好きな人の事で

辛かったやろうに協力してくれた

…そんな優しいまろちゃんならきっと

僕よりいむ君を…ｯ

‪”‬ありがとう‪”‬

いきなり受けた余命宣告

数日前のダンス連から胸に違和感を覚えた僕は病院へ行った

家族やメンバー、リスナーさん

そして愛しの彼氏、初兎ちゃん

そんな人達にもう会えなくなってしまう

少しでも大切な人達と一緒にいたい

僕は迷わず自宅を選択した

病院からの帰り道

僕の気持ちを現すような土砂降りの雨

髪も体も心の中身も水で涙でビショビショだった

不の感情のみがぐるぐる回る

辛い、苦しい、不安

こんな気持ちになった事これまで会っただろうか

気楽な人生だったなと改めて感じる

＿＿＿け

ーとけ

ほとけ！

聞きなれた声、青髪の彼だ

…挨拶前に暴言って

本当にエリート社会人か疑う

あ…

珍しく優しい…いや、当たり前か

何でこんな時に限って感がいいの!?

初めて気づいた

僕、If君の家の目の前にいたんだ

数分後

🎼.•*¨*•.¸¸♬🎶•*¨*•.¸¸♬•*¨*•.¸¸♪

これからどうしよう

この事メンバーに言うか

内緒にしておくか

何より初兎ちゃんになんて伝えるか

僕は人を傷つけずに生きて行く事が出来ないの??

出来損ない…苦しい…悔しい…申し訳ない

ごめんなさい…ごめんなさい

正直食べたくない

喉が食べるのを拒否してる

少し悲しそうな彼

確か料理苦手だったよね

それなのに…ｯ

素っ気ない態度

それでも少し喜んでるのが伝わる

小さく切り分けられた具沢山なお粥

差し出された時にチラッと見えた彼の指の傷は見なかったことにしておこう

少し塩辛めのお粥

分量間違えたなw

だけど…

その塩辛ささえも美味しく感じたんだ

目の前で泣いとるのはほとけ

俺の…まぁ…好きな奴だ

そんな奴が…余命宣告された

残り2ヶ月

体調は今は大丈夫そうやけど…

余命宣告されるって事は相当ヤバい状況なんやろう

俺が作った粥を食べた後急に大事な話があると言われ聞いたらこうだ

流石の俺でも頭が回らん

メンバー、リスナー

色々居るけど此奴の頭に浮かんでるのはあの兎だろう

ほとけの彼氏で…俺のライバル

ほとけの気持ちが向こうに傾いてるため勝ち目は無いんだが…

…やっぱりか

俺の前でも想うのは初兎

仕方ないが…苦しいもんだ

初兎は少しメンヘラ気質な所がある

そのまま言ったら初兎まで可笑しくなるかもしれん

それが心配なんやろ

‪”‬僕と浮気した事にしてくれない？‪”‬

鈍感でアホなお前の事だ

悪気なんて無いだろう

だけど…だからこそ好きな人から言われるその言葉は

俺にとっては言葉の凶器だった

アホな此奴なりに考えた答えなんだろう

酷く斬新な計画

此奴が相談してくるのはいつもほとけの事

俺の気持ちに気づいてるか気づいてるかは知らんが

こちらとしては気持ちよくないのは事実だ

「指輪」

直ぐに「結婚」というワードが出てきてしまうのは俺だけやろうか

例で出すもんちゃうやろ

紫と水色のグラレーションの指輪

まさにアイツら

あれから5日後

ほとけは天国に旅立った

予定よりも早い「死」

そしてそこに初兎の姿は…

驚いた…てっきり来ないと思っていたから

その後は一言も話さずお坊様の念仏を聞いているうちに葬式は終わった

居たくない…メンバーの前に

こんな気持ちになったのは初めてやけど…辛い

ないこに軽く会釈してこの場を去ろう。そう思い椅子を轢いた時

予想外の人物から声がかかった

真剣な表情

𖤐´-＿＿＿✨ｷﾗﾝ

愛しの人