/s/[storyId]/_components/heading/assets/back_arrow_icon.4081080bcaba67b8.svg){kind=icon}
/s/[storyId]/_containers/report-container/assets/more-icon.20cfac1b79e24f56.svg){kind=icon}
その時、階段の上からカインさんが駆け寄ってきた。
カイン
シャイロック
カイン
助かった！
シャイロック
貸しにしときますよ
シャイロック
今度一杯ご馳走してくださいね
カイン
一杯と言わず一晩付き合うさ
カイン
月涙様、空月様
行きましょう
行きましょう
カインさんに手を伸ばされる。
だが、ボクがその手を取ることは 無い。
月涙 “ ﾙｳﾅ ”
……
空月 “ ｱﾂｷ ”
ルナ
カインさんは優しく真摯に頷く。
カイン
ああ
カイン
悪かった
月涙 “ ﾙｳﾅ ”
？
空月 “ ｱﾂｷ ”
は？
カイン
賢者様は異界からやって来るんだよな
カイン
じゃあ
カイン
あんたたちは何も知らないわけだ
カイン
何も知らないのに
カイン
ついてこいと言われても怖いよな
カイン
……ええと…
月涙 “ ﾙｳﾅ ”
……
シャイロック
カイン
シャイロック
この世界や賢者の役目について
シャイロック
全部説明している暇はありませんよ
カイン
わかっている
カイン
だが
カイン
何も知らない相手を
カイン
連れ去るのは騎士の
仕事じゃない
仕事じゃない
月涙 “ ﾙｳﾅ ”
(あぁ、この人は信用出来る人だ。)
カインさんは少し考え込む。
そして、真っ直ぐにボクの顔を 覗き込む。
カイン
月涙様、空月様
カイン
簡単な説明をしよう
カイン
俺はあんたたちの力が必要だ
カイン
あんたたちの力を貸して欲しい
カイン
なんでかって言うと
カイン
俺達がボロ負けしたからだ
カイン
毎年簡単に勝っていた勝負に大負けした
カイン
油断したつもりも
カイン
手を抜いたつもりもない
カイン
ひげのじいさんたちは
カイン
俺達がいい加減に仕事をしたと思って
カイン
怒っている
カイン
だが、そうじゃない
カイン
なんだかわからないまま
カイン
俺達は負けて
カイン
仲間を半分失った
月涙 “ ﾙｳﾅ ”
仲間…
カイン
もう
カイン
何も失いたくない
カイン
だから
カイン
あんたたちの力を貸して欲しい
カイン
もちろん
カイン
それは俺達のわがままだ
カイン
この世界はあんたたちの世界じゃないし
カイン
あんたたちだってしたいことがあるだろう
月涙 “ ﾙｳﾅ ”
(師匠様……。)
空月 “ ｱﾂｷ ”
(師匠…。)
カイン
あんたたちには断る権利があるし
カイン
それは誰かに責められることじゃない
カイン
だけど俺達は……
カイン
どうしてもあんたたちが必要だ
カイン
あんたたちが一緒に来てくれて
カイン
力を貸してくれるなら
カイン
何だってしよう
カイン
俺が示せるだけの勇気と誠意を見せよう
カイン
この身で返せるだけの
カイン
感謝と礼を示そう
カイン
この誓いに形はないが
カイン
どうか、頼む
カイン
俺たちを信じて
カイン
俺たちに力を貸してくれないか
月涙 “ ﾙｳﾅ ”
力を貸すって…
空月 “ ｱﾂｷ ”
何をすれば？
ヒースクリフ
先生を……
ヒースクリフ
ファウスト先生を
ヒースクリフ
助けて欲しいんです
月涙 “ ﾙｳﾅ ”
ファウスト先生…
空月 “ ｱﾂｷ ”
そう言えばずっと
言っていたな
言っていたな
カイン
俺たちの仲間だ
カイン
死にかけている
月涙 “ ﾙｳﾅ ”
(死…っ。)
カイン
あんたたちがいれば助かるかもしれない
空月 “ ｱﾂｷ ”
何故そんな事に？
シャイロック
仲間を庇って深手を負ったんです
ヒースクリフ
……ファウスト先生は
ヒースクリフ
俺がお世話になった
先生なんです……
先生なんです……
月涙 “ ﾙｳﾅ ”
(ボクたちと師匠様みたいな関係なのかな？)
ヒースクリフ
先生がいなかったら
ヒースクリフ
俺だって死んでた……
ヒースクリフ
……っ
ヒースクリフ
お願いです……
ヒースクリフ
どうか
ヒースクリフ
先生を助けてください……
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。
