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マフィア物語Ⅲ －白魔の哮り、黎明の泪－

第22話 - 序

139

2025年04月14日

#創作

#マフィア物語

#連載

#オリジナルストーリー

華

━━━━━━━━━━━━━━━━

『───総督だ。』

『地上部隊は行動を開始せよ。』

『航空部隊及び、特別部隊は指示を待て。』

国防局軍が全兵力を投入した、歴史上初の治安維持作戦。

1997年 6月1日

国防局が信念を歪めた日。

━━━━━━━━━━━━━━━━

アンダーソン

──危険因子の掃討が目的だ。

アンダーソン

非抵抗の民間人への攻撃は原則禁じられていること心得よ。

ベンジャミン

イエッサー~~~。

アルブレヒト

……アンダーソン大尉！

アンダーソン

！見つけ出したか。

アルブレヒト

はっ。

アルブレヒト

協会に指定されていた女性かと。

アンダーソン

よくやったな一等兵。
お手柄だ

アンダーソン

“あの女”は司令部に連行するぞ。

アルブレヒト

引き継ぎはどちらに？

アンダーソン

時期に士官が回収に来る。

アンダーソン

見張りを二名つけ、我々は都市中央部を目指す。

アルブレヒト

承知いたしました。

アンダーソン

ベンジャミン伍長！

ベンジャミン

ここに。

アンダーソン

お前と親衛隊員で“あの女”を拘束しろ。

ベンジャミン

は？俺をおいてくんすか？

アンダーソン

…。あぁ

アンダーソン

士官への引き継ぎ後、合流地点を指定する。

アンダーソン

いいな？

ベンジャミン

わーりましたよーっ…

アンダーソン

……態度には気をつけることだな。さっさと行け。

アルブレヒト

…すみませんが、
今後の動きは？

アンダーソン

ふん…宮殿周辺に国防局軍が集結しているだろう。

アルブレヒト

彼らと合流すると。

アンダーソン

そうだ。

アルブレヒト

宮殿内の状況は？

アンダーソン

現在親衛隊の一部がココの皇帝の身柄確保に向けて動いている。

アルブレヒト

...身柄確保ですか？

アンダーソン

今の国内は危険だ。

アンダーソン

“治安維持”がなされるまで、退̀避̀し̀て̀頂̀か̀ね̀ば̀ならないだろ？

アルブレヒト

………仰る通りです。

アンダーソン

2時間後には宮殿でエルネスタ長官と合流だ。

アルブレヒト

はい。

アンダーソン

総員！移動するぞ。

「「「イエッサー！」」」

『───局司─部より、航空部隊。 …始めろ｡』

『また、地上展開中のフロストバイト兵に告げる。』

『潜伏する反抗者により、複数の部隊が被害を受けた。』

『よって計画を早め、 ……周囲の家屋の焼却を許可する。』

━━━━━━━━━━━━━━━━

アルブレヒト

…………だいぶ人を見なくなりましたかね。

アンダーソン

この区域は他の隊も展開されていた。

アンダーソン

民間人の避難も完了まで僅かといったところなら、こんな様子で相違は無い。

アルブレヒト

それにしても、相当計画的に避難が進んだようで何よりです。

アンダーソン

…そうだな。

アンダーソン

民間人を巻き込むことだけはあってはならない。

アンダーソン

迅速な退避のために動いてくれた士官には感謝するよ。

『───アンダーソン大尉？』

アンダーソン

聞こえてる。進捗は？

『宮殿周辺に包囲網を展開し、部隊が突入しました。』

『特殊作戦部隊の指揮官が、親衛隊と共に対象を捜索しております。』

アンダーソン

承知した。
足元には十分気をつけろよ

アンダーソン

我々の部隊も間も無くそちらに合流する。

アンダーソン

……以後の進捗は司令部にのみ報告しろ。

『イエッサー。』

『では。国防局のために！』

アンダーソン

国防局のために。

アルブレヒト

…国防局のために。

アンダーソン

時間がない。先を急ぐぞ

国防局親衛隊兵士C

アブジェーエンコ大佐！制圧が完了いたしました。

マカロフ

ふむご苦労だ。

マカロフ

この様とは…
不安定な体制だな。

国防局親衛隊兵士C

何を言います。それも今日で終わりますよ。

マカロフ

───嘗ては敵で、
大佐階級の私にわざわざ特別親衛隊をあてがってくれるとはな、

マカロフ

………は、流石国防局だ。

国防局親衛隊兵士C

大佐がこの任務の達成に必要不可欠であった故です。

国防局親衛隊兵士C

作戦の立案は、貴官によるものとお伺いしました。

国防局親衛隊兵士C

その昔、──冷戦時代にはアドラー大将とリヒター大佐の部隊と交戦し、終戦後は特殊作戦部隊に所属なさったと。

マカロフ

…誰から聞いた？

国防局親衛隊兵士C

エバンズ副司令からです。

マカロフ

ほう、エバンズ君か。
…彼は若いのによくやってる

マカロフ

いい上司に恵まれたものだな？

国防局親衛隊兵士C

……勿論感謝しております。

マカロフ

………それはそうとして、
──“姫”は？

国防局親衛隊兵士C

カワゴエ准尉が捕獲し、既に拘束致しました。いかがなさるのですか？

マカロフ

……地下牢は？

国防局親衛隊兵士C

あるみたいです。
放り込みますか？

マカロフ

…頼んだ。後ほど私達で尋問をしよう。その後は、協会サマが宜しくやってくれるさ

国防局親衛隊兵士C

承知いたしました。

マカロフ

ああそうだ、司令部への報告も上げておいてくれ。

国防局親衛隊兵士C

はい。

国防局親衛隊兵士C

───エバンズ副司令。宮殿の制圧完了いたしました。

『！…イワモト中尉か。』

『了解した。それより至急親衛隊を招集し宮殿前の聖堂に来い。』

『──“生存者”を確認した。複数人いる。エルネスタ長官も、こちらに向かっているそうだ。』

イワモト

！承知しました。…部隊員に通達したのち直ちに向かいます。

マカロフ

忙しくなってきたな。
なら後は私とチームが引き受ける。

マカロフ

君たち親衛隊はすぐにでも聖堂に向かえ。

マカロフ

下で会おう。

イワモト

イエッサー。

━━━━━━━━━━━━━━━━

イワモト

親衛隊第三班、ただいま出頭しました。

エバンズ

着いたか。中尉。

エバンズ

エルネスタ長官も間も無く到着なさるとのことだ。

エバンズ

…………彼の到着前に、聖堂内を制圧する。

アンダーソン

なっ、…内部にいる民間人は如何なさるのですか？

エバンズ

……その時は命令に従うまで。

エバンズ

配置につけ。
───突入まで60秒。

─────

エバンズ

…全チーム突入せよ！

ｶﾞｺﾞﾝｯｯｯｯ！！！！

アルブレヒト

………生存者というのは、

アンダーソン

…ただの子供か。

「　　　　　　　　」

「　　　　　　」

エバンズ

……親衛隊へ告ぐ。

エバンズ

指令を遂…──────！

ｽｯ

待て。

民間人への攻撃は原則禁止だったろう。

部下に武装解除を命じろ。

エバンズ

.....…………イエッサー。

アブジェーエンコ大佐。

本部へ迎えを寄越すよう伝えてくれ。

マカロフ

…承知いたしました。

────…君たちに無礼を働いたことを謝罪する。

私は国家防衛国際保安軍事司令局長官のエルネスタだ。

この辺りは現在、とても安全とは言えない状況だ。

───であるから我々と共に、来てはくれないか？

「 …───────。」

手を取ってくれ。

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