本音

どうして人付き合いとはこうも面倒くさいんだろう

人間関係。距離を縮めたい人、距離を置きたい人 会いたい人、喋ったことすらない人

ガラガラ

休み時間に空き教室に来る奴、俺以外にも居たんだ

とぼとぼと窓際に向かって壁に凭れた

反対側の壁に寄りかかっていた俺に気づいたら 吃驚するように見てきた

俺の方を向いているその目は、焦げ茶色で光を写している

綺麗な髪の毛……前髪が長くて、校則に引っかかってる けど、切らないのかな……

気づいたらそのひとのこと許り考えていて 初めての感覚を不意に感じた

" 一目惚れ "

あんなにも人と関わるのが面倒だったのに この人と話したいという気持ちが昂った

ボーッとしていた俺にいつの間にか近づいていて 声をかけてくれた

思わず、間抜けな声が出たけど笑ってくれた

今にも消えそうな、儚い笑顔だった

絶対に人には言わないと思っていた

自分の気持ち。

でも、この人になら言っていいと心が囁いた

待って、今俺。なんて……？

理由は聞いたらダメだよね、俺だったら聞かれたくない

君に嘘をつくのはまず無理かな

名前……いや、苗字だけでも彼の口から出てきたこと

いや、会えたこと……話せたことが嬉しいな

こんな感覚久しぶりだ