s m受け集

ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗ…

静かに音を立て

保険室をのぞき込む

人付き合いが極端に苦手な俺は

クラスで孤立し

学校に居場所が無くなっていた

保健室にいてもぬいぐるみは手放せなかった

クッションを手渡されそれを抱く

思ったより固くなくて

雲のように軽かった

しばらく時間が経つと

ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗ

と、扉が開く音がした

バチッと目が合った

慌てて目を逸らすと

背の高い男はおれにちかづいてくる

そう言いながら彼は俺の頭を撫でてきた

その手はとても暖かくて

ついつい力が抜けてしまいそうだった

撫でていた手を下ろし

そのままベットまで移動する

と一言だけ呟き

ベッドに埋まっていった

そんなことを思いながら窓を眺める

背の高い男の人以外この場にいなくて

しかもその人は眠っている

ただただつまらない

ドア越しにまで響くような大きな声が近づいてくる

少しだけ身構えると

ノックもなしにドアが開き

その煩い張本人と目が合った

初対面で随分と積極的だ

しかも少し高圧的で恐怖が募る

少しずつ手が震えてくる

怖い

何されるの

分からないし痛い

気持ち悪い

怖い

色々な感情が押し寄せてきて

ただただ黙って引っ張られるだけになる

ドンッと押されて床に倒れ込む

背の高い人の顔は上手く見えないが

とんでもなく怒っていることだけはわかった

顔を上げニコッと笑う

女子は彼の頬に向かって手を構える

ｶﾞｼｯ！

今まで彼に対して構えていた手が俺へ向く

ﾊﾟｼｯ

ﾀｯﾀｯﾀｯ…

今まで力んでいた力が一気に抜け

その場に座り込む

初めて人に対してこんなに感情的になった

それがすごく嬉しくて思わず笑いがこぼれる

突然の告白に混乱する

その混乱した頭を壊すように

そのまま頬にキスを落とした

顔が赤いのを悟られないよう顔を背ける

そんなことをしても意味はなく

彼はにこにことしながら俺に話しかけてきた

むうっと頬を膨らませ拗ねている彼は何となく可愛くて

少しだけふにゃっと表情が緩む

この暑苦しいような空間も

少しだけ…少しだけだけど

幸せに思えた