決して、俺らは恋仲なんかではない。 互いにいい相手がいて、その人と幸せになるべきだ。
わかっているはずなのに。
弐十
キルシュトルテ
運動不足なのか、少し走っただけで苦しそうに息を切らす彼。 そんな様子に少しドキッとしてしまう自分がいた。
弐十
キルシュトルテ
弐十
自分との約束に遅れてきた彼に頬を膨らませていると、 だらんと下げていた俺の手を取り、硬く握られた。
キルシュトルテ
俺を見上げて、しっかりと目を合わせる。 自分の体温が高くなっていくのが何故かわかってしまう。
そんな彼を置き去りにし、後ろに振り向く。 本当は赤くなって涙が溢れそうな顔を見せたくなかった。
キルシュトルテ
弐十
弐十
キルシュトルテ
弐十
個室ということもあり、二人の声が壁から跳ね返ってくる。 彼が俺のすぐ近くにいるようで…
弐十
弐十
キルシュトルテ
キルシュトルテ
彼の下を向く目が、なぜかとても切なく感じた。 彼のことを綺麗に忘れたくなってしまった。
このままでは、キルくんに苦しい思いをさせてしまいそうで。
弐十
嘘をつくのが本当に下手だ。
店員
弐十
キルシュトルテ
弐十
キルシュトルテ
弐十
キルシュトルテ
弐十
確かに、登録者はキルくんのほうが勝っている。 でも、キルくんを好きな気持ちは俺のほうが上だろう。
弐十
一人で考えたくないや。
弐十
キルシュトルテ
弐十
弐十
部屋に響くのは俺のいつもみたいなでかい声だけ。 なんだか、さっきまで二人でいたはずの部屋に一人みたい。
キルシュトルテ
弐十
予想外の返事に思わず目を見開いてしまう。 なんだか、苦しくて眉間に皺を寄せる。
キルシュトルテ
弐十
キルシュトルテ
弐十
お酒に身を任せ、次々に思ったことを口から発する。
そんな質問に答えるはずもなく、細く長い腕が俺の 首に回ってくる。
ぐっと、まつ毛が触れてしまいそうなくらい顔が近づく。
弐十
キルシュトルテ
弐十
舌を交えている幸せで辛い時間は、刹那であった。
キルシュトルテ
弐十
離したばかりの二人の口が糸を引く。
俺は壁に手をつき、キルくんは俺の首の後ろに手を回す。
弐十
「帰る」、そんな言葉が返ってくるに決まっているのに。 何故か期待を込めて、彼にそんな質問をした。
キルシュトルテ
キルシュトルテ
好きだなんて言葉軽い思いで口にしないでほしい。 期待をさせないでほしい。
君の左の薬指にくっついて離れない邪魔な指輪。 俺がプレゼントしたものであった。
いつも、ずっと…つけている。
内側に俺のイニシャルが刻まれているなんて、 バレてはいけないな。
弐十
キルシュトルテ
これも、このぐちゃぐちゃした汚い感情も すべて、酒のせいだろう。
酔っ払って危ない二人が東京の街を歩き続ける。 人にぶつかることももちろんあるけれど、キルくんの肩に 手を回してこちらに寄せる。
キルシュトルテ
キルシュトルテ
ふにゃ、と固い表情が柔らかくなる。 二人が密着し、鼓動を分け合う。
触れ合った瞬間に、何を考えたらいい?
弐十
隣にいれたら、それでいいんだ。
なんて、考えてもいいかな。
夜の街の光に、思わず呑まれそうで。 きらきらと輝くライトは、俺の涙で滲んだ。
キルシュトルテ
弐十
目を細め、彼に笑顔を見せる。 その瞬間に、純粋な涙が一滴、俺の目から滴り落ちる。
キルシュトルテ
「どうしたの?」 そう言いかけた彼の口を塞いだ。
キルシュトルテ
弐十
そんな意味を込めて。
弐十
キルシュトルテ
弐十
キルシュトルテ
弐十
まるで、二人で住んでいるような会話で。 夢を見ているようだった。
弐十
弐十
キルシュトルテ
キルシュトルテ
何時間か前の、俺の返事を真似するかのように返事をする彼。 その時の目は、何故か卑猥で苦しそうであった。
弐十
キルシュトルテ
弐十
本当は、そんなものはいらない。 ただ、彼がそばにいてくれることが何よりも嬉しかった。
弐十
キルシュトルテ
いつもの少し態度が悪いトルテさんに戻る。 でも、俺はそんな彼が好きだ。大好きなんだ。
キルシュトルテ
弐十
キルシュトルテ
途切れ途切れだが、言葉を紡ぐ。 俺の服の裾を引っ張り頬を赤らめる彼。
弐十
キルシュトルテ
普段の彼からは考えられない言葉を発する。 その言葉が耳に入ってきた瞬間、俺の体は熱を持った。
弐十
キルシュトルテ
合わせていた目を逸らし、もう一度俺を見つめる。 そんな彼を見ていると抑えられない何かがあった。
弐十
弐十
彼にいつもいじられる代わりに、今は俺がいじってやろう。
キルシュトルテ
自分の言ったことに恥ずかしくなったのか、 彼は俺を誘った時より顔が随分と赤くなっている。
弐十
弐十
キルシュトルテ
彼を煽ってることに集中して気づかなかったが、 随分と顔が近くなっていた。
キルシュトルテ
顔を引き離してしまおうと思ったがいいものの、 体は思ったように動かない。
斜め下を向き、どうにかして俺と目線を合わせないようとする彼の 唇にそっと口づけをした。
キルシュトルテ
最初は少し嫌がっていた様子だったが、 触れる時間が長くなるほど、彼は俺を受け入れていった。
キルシュトルテ
トルテさん苦しいのか、涙を浮かべる。 その涙を拭い、彼の前髪をそっとあげ額にキスをした。
キルシュトルテ
弐十
キルシュトルテ
へにゃ、と顔を歪ませる。 そんな彼が、世界で一番大好きだ。
弐十
そんな冗談を口から発するだけで、彼はびくんと跳ね上がる。
キルシュトルテ
弐十
そう言って、トルテさんの腕を引っ張り寝室へと向かった。
弐十
キルシュトルテ
キルシュトルテ
弐十
普段の俺らと何も変わらない、何気ない会話。
ふと思うと、出会ったきっかけは彼が連絡を くれたからだったのか。
いつも、冷たく人にあたる、面倒くさがり屋の彼が 俺に連絡をくれたことが何よりも嬉しかった。
キルシュトルテ
弐十
俺の頬に手を添え、目を瞑りそっと何かを待つ。
その顔が愛おしく、ひどく卑猥に見えてしまった。
弐十
少し意地悪な質問をしたため、いつものように怒られるかなと 思ったが彼はすぐに返事をした。
キルシュトルテ
まるで恋人のような会話をする二人。
弐十
もちろん、そんなの俺が耐えられるわけなく 返事を待たずに始めてしまった___
キルシュトルテ
弐十
初めてとは思えないほど彼は感じていて、 思ったより締め付けてきた。
弐十
なんだか俺には関係ないはずのことなのに、すごく嫌だと感じてしまって すぐに質問をした。
キルシュトルテ
キルシュトルテ
弐十
キルシュトルテ
もっと、もっと。 彼の奥深くまで知りたい、入って行きたい。
キルシュトルテ
弐十
謝ったって、もう遅いな。
キルシュトルテ
弐十
弐十
キルシュトルテ
弐十
トルテさんはそっと、顔に添えた手を握り返し、 涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら俺の体に もたれかかった。
そんなものを見せられてしまっては、こちらも 歯止めが効かなくなってしまう。
キルシュトルテ
キルシュトルテ
弐十
キルシュトルテ
キルシュトルテ
キルシュトルテ
弐十
キルシュトルテ
弐十
彼の様子にも、中の締め付けにも耐えられず 俺はキルくんの中に白濁を吐き出した___
キルシュトルテ
初めてにしてはやり過ぎてしまった、彼は 呼吸をすら、もちろん動くことさえもできなくなってしまった。
どうにかして介護…、いや、世話をしたいと思い 彼の背中をとんとん叩くが、その度に彼は途切れ途切れに 卑猥な声を発し、体をびくんと跳ねさせる。
キルシュトルテ
動くのもやっとなのに、話す時は絶対に 目を合わせてくる。
弐十
キルシュトルテ
トルテさんの手をぎゅっと握り、握り返されるのを待っている。 もちろん彼は俺の期待を超えてくる。
握り返した手を自分の頭に持っていき、 「撫でてくれ」、そうねだる。
弐十
キルシュトルテ
弐十
いつも俺を笑わせてくれて、そばにいてくれて 応援してくれて…
生かしてくれる。
弐十
キルシュトルテ
ゆっくりと瞼を下ろす。
もうそろそろ夜が明けるというのに…全く。
弐十
どうか、続きますように。
弐十
むっとした表情で俺を見つめる。 まぁ、睨まれても無理はないだろう…
キルシュトルテ
弐十
弐十
涙目になりながらも、俺に飛びついてくる。 ぎゅうっと苦しいほど抱きしめてくれるキルくん。
弐十
キルシュトルテ
さっきから暴言しか吐いていないが、 自分が俺より優位にいると思っているのだろうか?笑
弐十
キルシュトルテ
キルシュトルテ
弐十
キルシュトルテ
弐十
キルシュトルテ
弐十
“ロングピース”
その煙草を見る度、きっと彼を思い出すのだろう。
コメント
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何これエグ過ぎ めっちゃいいよぉ〜☺️ 弍十キル久々に見た…… 最高過ぎた にやけ止まんない💦
やばいえぐいすき!!!!!! キルシュトルテかわいいよー!!!🥹🥹弍十さんの優しさが…もう…🥲🥲🥲キルシュトルテがくっそ甘えてるの大好き人間なので刺さりすぎましたありがとうございます‼️😭 ぴこちゃん安定で天才すぎる…🥹
めっちゃくちゃ良かったよ〜!最高すぎたよ!もうほんとにストーリー天才的すぎる!!!