1本目
晩御飯
息子が死んだ
原因は病気のせい
持っても、あと半年と言われていたほど 重いものだった
母親
…………
母親
(ユウヤが居なくなって…
どれくらいかしら)
どれくらいかしら)
母親
……あ、そういえば
母親
明日…ユウヤの誕生日……
母親
(…もう1年経つのね…)
重い腰を上げ、椅子から立ち上がる
母親
(…あの子の好きな食べ物…は)
母親
確か…
ユウヤ
僕、ママが作る
オムライスだーい好き!!!
オムライスだーい好き!!!
母親
…オムラ…イス
母親
……………………
母親
あ
ガチャ…パッたん…
父親
ただいまぁ゛〜…ッ
母親
おかえりなさい、貴方
父親
いや〜、今日も疲れたよ…って
父親
何か今日、凄い豪華じゃないか?
母親
ふふ、だって今日は
あの子の誕生日ですもの
あの子の誕生日ですもの
母親
…亡くなってても、
祝ってあげたいと思って…ね
祝ってあげたいと思って…ね
父親
…そうか
父親
なら、早速食べようじゃないか
母親
ふふ、そうね
母親
じゃあ、座って
椅子に腰をかける
父親
んじゃ…
父親
「いただきます」
母親
「いただきます」
父親
(何から食べようか…)
父親
(おっ、オムライスあるな)
父親
(…懐かしい、
ユウヤ、大好きだったもんな)
ユウヤ、大好きだったもんな)
父親
(よし、これにしよう)
スプーンを手に取り、1口大になった オムライスを口に運ぶ
父親
あーーー…ッ
父親
む
父親
!?
父親
ごホッ、ぉ゛え……ッ!!
母親
貴方どうしたの?
父親
いや、その、オムライスが…
母親
…オムライスが、どうしたの?
父親
あの…何か、変な味が…
母親
変?味が?
父親
た、食べて見ればわかる!!
父親
ほら、お前も食べて…
母親
パクッ
母親
……モグモグ、ゴクンッ
母親
もう、貴方ったら…
母親
全然、変な味じゃないわよ?