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\ピンポーン/
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~数分後~
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今の季節は夏。 最近はすごい暑い。熱中症の子も出てるくらい今夏真っ最中。
私の通っている高校はいつも体育祭が9月の中旬位にあるんだ。 今は8月の下旬。
夏休みもついこの間終わったところ。
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水色の髪色でポニーテールをしている陽気な笑顔が似合う彼女は私の親友。 翠翔るな(すいしょうるな)
私とるなは、小学校低学年の時から友達で高校生の今も何と同じ高校に進級することが出来た。
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でも私には最近大きな悩みがある。
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”黒王子と青王子”とは。 この学校。カラフル学園の全校生徒が知ってると言っても過言では無いくらい人気者。
中にはファンクラブもあったり、推してる人も沢山いるみたい。 私はあんまり興味無いから、よく分からないけど毎朝るなと登校してるといるんだよね~…
<きゃー!!うり様~!クールでかっこいい~~~!!!
<なおきり様の王子様スマイル朝から見られて最高~!!!!!
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”黒王子”とは。 名前は黒田うり(くろだうり) 性格はクールで、無口で女嫌いみたい。 なので女子から告白されても全て断る。 誰に対しても冷たい。
私達も苦笑いを浮かべる。
”青王子”とは。 名前は青山なおきり(あおやまなおきり) 性格は黒王子と真反対で、明るく、リーダーシップがあり、fanの子に対しても、神対応らしい。 告白は全て断るけど断り方が優しいから中には諦められないっていう女子も沢山いるみたい。
2人とも顔が良くて苦手なことは無いんじゃないかってくらいな完璧男子だから人気があるみたい。
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私達はその場を颯爽と駆け抜け教室の目の前まで来た。 私とるなはクラスが別々だからここで1回別れる。
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そして私達は手を振って別れた。
1人になった私は教室の扉を開けた。
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私は思わずため息を零す。
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ぎくっ、 ゆあんは勘が鋭いなぁ、、 私そんなわかりやすかったかな?
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そうか私とゆあんの付き合いも結構長いんだな…。
赤髪メッシュで優しい彼は赤井ゆあん。高校1年生で私と同い歳。 ゆあんとは小学校低学年の時から幼馴染なんだ。 小学生の頃はよくゆあんとるなと私で遊びに行ってたな~…何て
ゆあんも顔は整っているからモテるんだよ!!!!! 黒王子と青王子程では無いけどモテるって言うことは聞いたことがある。
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話題を変えようとしてたのにまた最初の話題に戻された。
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ここで何にも言わないのもゆあんに失礼な気がするから、一応言っとこう、、!
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これは本当。 だって私がただ過去の事で悩んでるだけだから。 もう過去の事なのに、そうやってずっと、克服しようとしない私もいけないんだ。
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ゆあんは優しい。 いつだって優しかった。 だってあの”事件”が起こってから、ゆあんはずっと守ってきてくれた。。
あの事件を知っているのはゆあんとるなだけ。 るなも命の恩人みたいなものだし。 これは言った方がいいのかな?
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泣くつもりは無かった。 クラスには私以外の人もいるんだし泣いたらおかしいと思った。 でも涙腺に溜まってた涙はとうとう限界を迎えたんだ。
でもゆあんは…
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私は何も言うことが出来ずに頷いた。。 ゆあんの優しさにもっと涙が出そうになる。
私達は屋上へと向かった。
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ー約5年前に遡るー
< きゃー!!かっこいいー!
<やっぱりかっこいいよね!!
その時の私には好きな人がいた。。
その人の名前や顔は覚えていない。 ただ声は覚えているんだ。 性格は確か、優しくて、口悪くてぶっきらぼうだけど実は優しいんだ。 私は彼の優しさに救われたんだ。
私はとにかく地味で、日陰みたいな存在。 でも彼は、そんな地味な私を気にせず話しかけてくれたんだ。 隣の席になった時に、、勉強を教えてくれって頼まれた。
私は、運動は全く出来ないけれど勉強にだけは自信があった。 でも小学校の中で今まで話しかけてくれたのはるなとゆあんだけ。 誰も私に近寄ろうとしない。
私は不登校になろうかも迷ったんだ。 私は虐められている訳でも無い。 ただ、学校に行くのが辛いんだ。 皆私に近寄ろうとはしてくれないんだ。
毎回学校に行くのも気が重くて正直行きたくなかった。 でもそんな学校生活を楽しくしてくれたのは彼だったんだ。
私は地味なのに話しかけてくれて勉強を教えてくれって頼まれた時から話すようになったんだ。
そんな彼を私は好きになった。 けど彼は、、、とても人気。 クラスでは騒がれているし顔も整っているせいか、すごくモテるんだ。 だから私はあまり近寄ろうとしない。
でもある日。。 彼が人が沢山いる中私に話しかけてきたんだ。
私はその日から毎日愚痴を言われるようになりもっと近寄られなくなった。 朝学校に行くといつも痛い視線で見られたり虐められたりもした。
彼はいつも人気だった。 グラウンドでは騒がれて廊下でも。 どこにいても輝いている彼は私と真反対だった。 私とは似合わないんだ。 それから私は彼に話しかけられてもスルー。
話しかけられる度に苦しくて、辛くてスルーするのも本当は嫌だった。 でも、私は距離を置きたい。 このまま彼といたら私が壊れてしまう。。 こんな自分勝手な私を許してください。
彼は悪くなかったのに。。 何故かそれから男子=恐怖 中学校になったら彼とは別々だったし虐められる事も無くなった。。
彼の声が未だに忘れられない。。 小学校5年生の時の話なのに何でだろう。。 彼の笑顔は輝いていてどこにいても輝いて見えた。
声と性格だけは覚えてる。 名前や顔は覚えていない。 でも黒王子と青王子を見る度初恋相手の彼の声が頭から離れなくなる。
教室で隣の席になった時朝話しかけてくれたんだ。。 「おはよう」だけの挨拶。 それでもそういう彼は光って見えたんだ。
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眩しい笑顔。 透き通った声。 それが。
今でも
忘れられないんだ。
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自分が情けない。 こんな自分が大嫌い。 何事からも逃げて。 全部愛想笑いで終わらせるんだ。
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私は今、廊下にいる。 なぜかって?次の授業は移動教室だから。
中3の時はるなと同じクラスだったから話しながら行けて移動教室も楽しく感じれたけど今は一人ぼっちだし、小5の時に戻ったみたいな感覚になるんだ。
するとまたあの声が、私を狂わせる。
<きゃー!!!うり様ー!!
<なおきり様~!!!!!
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fanの子達に塞がれて廊下は通れやしない。
何とか通り抜けようとしたけど…
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声を掛けてみたものの返事は無い。 きっとあの二人に夢中なのだろう。 終いには、沢山の人に押しのけられてしまった。
バタンッ
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私はfanの子達に押しのけられ、そのまま後ろに倒れてしまった、、
これじゃ次の授業に間に合わないよ、、だからfanの子は好きじゃない。
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筆箱も、ノートも散らばってしまって取ろうとしたら誰かの白い手が、視界に写った。
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顔を見た瞬間私は驚いた。 何故かって?それは何と黒王子の黒田うりだったから。
さっきまであそこにいたのに。 どうやってここまで?
初恋の人に声が似ていたから、期待しちゃっていた自分が恥ずかしい。
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私は何故かそのまま手首を掴まれ、どこかへ連れていかれた。
そこは屋上だった。
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続きの言葉を待つ私。
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え?
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流石に私も慌てるよ!!!!! しかも私には好きな人がいる。
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それが疑問。 話したこともないのに普通彼女にする!??
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そんな必死に言われたら断れないじゃないか…、、
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そんなの強引すぎるじゃないか!
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本当は好きな人がいる。 でもあんまり必死に頼まれると断りずらい。 たかが3週間だしいいでしょ。 別に関わらなくてもいいんだし。
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何でそんなに私の初恋の人に似てるの?? もしかして…と期待してしまうけどそれは無い。
たかが3週間だと思ってたけど私の、人生はここで大きく変わる。
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