緒人(オト)
はぁ...ッ、はぁッ、
どれぐらい走ったか分からない
呼吸をしようとする度に 肺がキリッと痛む
緒人(オト)
...何でみんな、俺のこと裏切るの...ッッ
─緒人が中学生の時─
両親に見捨てられて 兄弟もいなかった俺は
祖父母の家で暮らしていた でも、毎日寂しかった
そんな時、1つ上の彼氏ができた
当時の彼氏
緒人ー、学校行こう
緒人(オト)
うん...!
彼氏ができてからは幸せだった ......だけど
彼氏は他の人と遊んでばっかりで 俺との時間を作ってくれなかった
当時の彼氏
もうお前いらないわ
そして、俺を捨てた
それから俺は 誰も失わないように頑張った
大喜にも離れてほしくなくて いつも必死だった
でも...ッ
緒人(オト)
...また失敗しちゃったッ
緒人(オト)
(何で俺、いつもこうなんだろ...)
結果、大好きな大喜を苦しめた 俺から遠ざけてしまった
緒人(オト)
もうどうすればいいんだよ...ッッ
その時、馴染みの声がした
柚瑠(ユズル)
緒人...!?
緒人(オト)
......柚瑠...?
柚瑠(ユズル)
え、ちょ、どうしたん...?
柚瑠(ユズル)
大丈夫か?具合悪いのか?
緒人(オト)
......
緒人(オト)
...助けて...ッ
柚瑠(ユズル)
...
柚瑠(ユズル)
......わかった