君との出会いは、
高校に入って暫く経ち
薫風になりゆる頃。
まだ初夏も間も無いというのに、
早くも汗だくになるような時だった。
夕焼けに照らされながら烏が数羽 鳴きながら飛んで行った。
ur
いやぁ、まじめっちゃ遊んだな
yan
めっちゃ楽しかったけどめっちゃ疲れたわ笑
ur
お前ゲーセンで無双し過ぎだろ笑
yan
だって楽しいじゃん
ur
俺なんてこのよく分からねぇ変なキーホルダーだぜ?
yan
urクレーンゲームめっちゃ下手だった笑
ur
はぁ?うっせぇわ!笑
yan
その可愛らしいキーホルダー鞄に付けたら?
yan
ur子ちゃん♡
ur
お前まじ許さん、笑
yan
うわやべ笑、俺こっちだからじゃあな!
ur
逃げるな〜!
一人でキーホルダーを眺めながら 自宅へ向かう。
友達と遊んで、勉強して、一人の時間 を作って、俺はこの何気無い 日常が好きだ。
時刻は19時52分
まだまだ明るかった。
通学路にある公園の前を通りかかった時、
俺は思わず足を止めた。
夏だと言うのに
長袖の制服を着ている女の子。
その下にはジャージを着ている様だった。
頬に絆創膏を貼っている
透き通った水色の髪をポニーテールに、
ただ何もせずベンチに座っているだけの 不思議な子だった。
思わず近くに歩み寄り、
声をかけてしまった。
ur
ねぇ君、
ur
名前、なんていうの?
少し驚いた様で、目を大きく開く
でもその後に、落ち着いた声で優しく 返事をくれた。
rn
rnって言います
ur
あ、え〜っと、
ur
俺はur
ur
rnって呼んでも良い、かな?
rn
良いですよ
微笑む彼女に俺は、
一目惚れした。
ur
る、rnは毎日ここに居るの?
rn
19時の間だけここに居ます
ur
じゃあ毎日来ても良い?
rn
勿論です!
落ち着いていたrnの顔と声が とても明るくなった。
rn
urさんって呼んでも良いですか?
ur
あ、うん
rn
あ、今日はもう行かないと
rn
ではまた明日!
公園の時計を見た後そう言って、 俺に手を振りながら何処かへ 行ってしまった。
ur
また…明日、か
3分程しか話せていないが、
俺はとても気分が高揚しながら帰った。
19時にだけ現れる君。
4月1日
〜開幕〜