日帝
イタ王がスポドリを買いに 行って、もう20分。
途中先輩が探してくると 言って走って行って しまったので、今は俺 一人だけが残されている。
日帝
ただ立っているだけ なのに背中はじっとりと 汗ばみ、時たま頬を たらりと伝う。
出来るだけ早めに 飲み物が欲しいところだ。
日帝
思い切りため息を ついてしゃがみ込んだ、 その時。
イタ王
ナチス・ドイツ
日帝
イタ王が一切汗を かかないのは 相変わらずらしいが、
先輩を見る限り かなり汗をかいていた。
ということは、かなり 遠くまで行ったの だろうか。
先輩は決まりが 悪そうに顔を背けた。
ナチス・ドイツ
日帝
イタ王
日帝
イタ王が水滴のついた ペットボトルを俺に 手渡してきた。
それを受け取ると、 ふわりと冷ややかな 感覚が手のひらから 伝わる。
パキ、と音を立てて キャップを開封して 一気に口を付けて飲むと、
冷たいスポドリは ぐんぐんと無くなって いった。
イタ王
そう言いながらも、 イタ王や先輩も続いて ごくごくとスポドリを 流し込んでいる。
現在の気温、約35度。
???
日帝
ただ、誰が言ったのかは 思い出せなかった。
思い出せないなら どうでもいいことだった の かもしれない。
その思考を断ち切る ように先輩の声が 聞こえた。
ナチス・ドイツ
タオルで先輩が 汗を拭きつつ首を 傾げて尋ねた。
イタ王
日帝
頷きながらそう言うと、 先輩がニッと笑った。
ナチス・ドイツ
先輩のごもっともな 言葉。
俺たちはすぐに各々の 荷物を抱え、再び 米帝の家への道を 辿り始めた。
しばらく歩くと、 白い壁の家の前へと 辿り着いた。
どうやらここが米帝の 家…らしい。
イタ王
全員が家の前で 立ち止まったとき、
イタ王が疲れ切った ような声音で大声を あげた。
ナチス・ドイツ
日帝
イタ王
日帝
イタ王
イタ王が自慢げに 胸をそらした。
いや、おそらくそこは全く 誇るべきところではないとは 思うのだが…
まぁこれ以上何も 言わないのが賢明だろう。
ナチス・ドイツ
先輩は俺とイタ王が 言い争っている間に す、と玄関前へと 立っていた。
その人差し指は インターホンのボタンへと 添えられている。
イタ王
日帝
ナチス・ドイツ
そうして、先輩の細い 指がインターホンを 押した。
ピンポン、ピンポン、と 2回呼び出し音が鳴り、
インターホンに出ることも 無くすぐに玄関の扉が 開いた。
出てきたのは━━━…
アメリカ
やっぱり、米帝だった。
イタ王
アメリカ
日帝
アメリカ
冷静に突っ込みを 入れると、案外あっさりと 米帝は黙りこくった。
ナチス・ドイツ
アメリカ
笑顔でそう言う 米帝の姿。
米帝のそんな姿に、
とても、
とても━━━…
日帝
先輩やイタ王の 前でなら笑っていて 良いかもしれない。
だが、なぜ俺に向かって 笑いかける。
俺は、こんなにも お前を━━━…
殺したいと 思っているのに。
アメリカ
日帝
ふと米帝から 声がかけられた。
その行為自体が 不快だった。
日帝
日帝
イタ王
イタ王が俺の 隣で叫んだ。
唐突だったので、 俺━━━…ナチスは 耳を思わず塞いで イタ王を横目で睨んだ。
ニマニマと笑って いたので確信犯である。
アメリカ
ナチス・ドイツ
アメリカのその言葉に 思わず首を傾げて しまった。
まさかアメリカから そんな言葉が出てくるとは 思ってもみなかったから。
アメリカは笑った。
アメリカ
ナチス・ドイツ
二人を振り返る。
イタ王は昔から 暑い暑い言うだけで 汗は一向にかかないが、 日帝はそうでもない らしい。
日帝
顔を真っ赤にして いかにも暑い!!という 感覚を最大限に 表現している日帝は、
アメリカの方を 向いてそう問うた。
アメリカ
まさか日帝が 自ら話しかけるとは 思わなかったのか、
アメリカは一瞬だけ 驚いた顔をしたあと ぱっと花開くように 笑った。
日帝
イタ王
日帝
ナチス・ドイツ
アメリカに頭を 下げてから、
教えてもらった風呂の 方面へと歩き出す。
ナチス・ドイツ
ふと横を見れば、 日帝が真顔で すたすたと 歩いていた。
…昔は俺よりも ずっと年上だった筈の 日帝。
しかしタイムスリップの ようなものでこちらに 1945年から直接 飛んできたから、
…今の日帝は、 俺よりもずっと 年下だ。
ナチス・ドイツ
俺には想像も 出来ないような憎悪を 抱える日帝を、
先輩として
枢軸の仲間として
俺は━━━…
本当に、守って やれるんだろうか。
…同時刻。
一人の人物が、 街の隅で携帯を 片手に壁へと もたれかかっていた。
その口調は酷く 機械的で、一切の 感情を感じさせず… 生きているのか一瞬 見紛うほど。
そんな調子だった 人物の口元が、不意に 笑みを浮かべた。
???
???
電話の相手の 口調はこちらの人物と 違って柔らかいもの だった。
しかし、その声音は 幾分も焦っていた。
???
???
???
???
軽く会釈してから 電話を切った。
…先ほど電話の相手が 言っていた、 “あいつ” のことが 脳裏によぎる。
???
その人物はそう つぶやいてから ほんの少し 微笑んだ。
そして、歩みを 再び進める。
その後ろ姿は、 人ごみに紛れてすぐに 消えていった。
ここから あとがきです。
日帝
日帝
日帝
日帝
日帝
日帝
日帝
日帝
日帝
コメント
59件
最新来たぁぁぁぁぁぁぁぁ嬉しすぎます!!
最新話の通知を見た瞬間崩れ落ちました......!今日は命日だったりするんだろうか
いくらでも待ちます!卒業おめでとうございます!高校生活楽しんで下さいね!作品とっても面白いです!