この作品はいかがでしたか?
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朔久
朔久
朔久
朔久
朔久
朔久
積み重なった書類
まぁ、ほとんど終わっているものだがな。
鏡は見ない。現実は見たくないからな。
短い針が6周以上しているだろう時計を見て、また画面を見る。
戦後だからか、書類も多い。
だが、みんな命をかけて戦ってくれたんだ。
ただ情報室でのうのうと指示しか飛ばしていない自分なんか、こんなところでしか頑張れないのだ、やらなければ。
Nakamuやきんときも、戦争のために人一倍頑張っていたのだ。
俺ができるのはこんなことだけだ。
じゃあ誰でもやれるような、何もない自分でも出来るような仕事は全部自分でしなければ。
俺の出来ないことをしてくれた奴らは一切しなくてもいいように。
自分の書類というか仕事はデータで送れるものが多いからわざわざ総統室までいかないといけないわけではないので、すごく楽だ。
しかし他の書類はそうとはいかない。
sm
サラッと分配する時にくすねて(気配は消した)きたものばかりだ。
総統室に出さなければいけない。
しかも自分の経験でわかる。きっと自分は酷い顔をしている。
これではみんなが無理した時に医務室へ連れ込む時に言い訳で「お前もそうだったじゃん!!」を使われてしまう。
それは困る。というかみんなには無理をして欲しくない。
ただでさえ、 Nakamuは総統で命を狙われることは数多くあるし、broooockシャークんも戦闘をするんだ。それなりのリスクがある。きんときやきりやんもあんだけ優秀なのだ。引き抜きの誘いや、外交、総統の補佐など多忙を極めて、こいつらの情報目当てで誘拐も起こる。
こんなヤツらの手を煩わせてはいけないのだ。
何か言い訳を考えなければ。
あ。
sm
この言い訳なら、いける。絶対に。
ついでに帰りに情報室にでもよって空けてたのだから、部下の書類でもやろうかな。
今の俺なら書類も爆速で終わって楽勝だろ。
あいつらは戦争の時に、機密室の手前という、狙われやすい部屋にいて、常に命を狙われているわけだし、
死ぬ気で相手国の情報を取って、書類に一緒にまとめてくれたんだ。
こんな不甲斐ないリーダーの元で働いてくれているのだ。あいつらの負担は少しでも減らしてやりたい。
あと少し片付いたら、墓参りや、あ、武器の手入れも全員分してやりたい。
あと10日くらい頑張ってから、他のこともしてやるか。
でもそのためには総統室にすぐ行かないと。
こんなに廊下って長かったけ?
もうちょい近づけるように言ってみようかな。
その時もやってもらうんだから、手伝わなければ。
コンコン
nk
sm
これが俺たちの合言葉。
こんなセリフ、当てずっぽうで当たる訳が無いので、これにしている。
Nakamuが甘いもの好きということを知っているなら尚更。
nk
ガチャ
入ると、凛とした雰囲気が漂ってくる。
食堂の雰囲気とはまた違った雰囲気。
nk
にぱぁみたいな擬音がつきそうなくらいの眩しい笑顔を向けてくるNakamu。
nk
俺の方を向いた瞬間、笑顔が消え失せ、不穏な表情をする。
なんでだ?
sm
sm
nk
彼が目線を下にし、右往左往させる。
kr
sm
びっくりした。 急に後ろからきりやんの声がしてくるものだから。
kr
後ろから来ている気配にも気づけないほど、俺は弱いのか。
それとも入室音がしなかったから、元々この部屋にいたのか。
いるのにも気づけず、ただこんなことで驚くなんて、戦場だとすぐに死んでしまうんだろうな。
危険と隣り合わせのことをやっている戦闘隊の人達には頭が上がらないな、やっぱ。
kr
sm
迷惑、かけてしまったな。
酷い顔をしてる、か。
戦場に行ってたあとの傷だらけのシャークんとかbroooockの方が酷く不安にさせてくるほど酷い顔をしている。
俺よりもみんなを心配して欲しいから、あの言い訳をさせてもらおう。
sm
sm
kr
sm
sm
sm
sm
sm
まぁ、まだやることは終わらなさそうだがな。
kr
nk
sm
納得してもらえてなによりだ。
机の上に書類を置いておく。
kr
sm
kr
sm
俺はシャークんみたいに無理はしないんだから、シャークんみたいに怒らなくてもいいのに……
拗ねたように部屋のドアを開き、部屋を出ていく。
これ以上居たら、ボロが出そうから。
コンコン
sm
ここは情報室。 機密室を守る最後の砦なのだから、やはり、合言葉を言わなければならない。
文乃
中から聞こえてくる、綺麗なソプラノの声。
「要件はなんですか?」とか聞かれないのは、今言ったのが情報員の中での合図だからだ。
これを考えたのは、きっと扉の先にいる彼女だ。
俺より彼女の方が、優秀なのだから、すごい申し訳なくなる。
明るい窓が無いはずの部屋に急に来たから、眩しくて目をしょぼしょぼしてしまう。
さっきの声の主が好みでこの部屋のレイアウトにしたのだっけか。
普通の人には居心地のよい場所にしている彼女は流石だと思う。
文乃
言いかけた言葉を言うのは文乃。
この隊の副隊長だ。
俺よりコミュニケーション能力があり、話術が上手い。
文乃
すごい。パッと見ただけでここまで察することのできるのだ。流石すぎる。俺よりも。
だが……
sm
文乃
文乃
sm
sm
文乃
文乃
sm
sm
怪訝な顔をしている彼女を無視して、机を回り、書類を回収していく
文乃
sm
りず
sm
文乃
りず
りず
りず
2人はどうしてそこまで休ませたいんだ……
2人とも「天才」なくらいに優秀で、俺よりも有能で、
なんで俺が幹部なのか分からないくらいなのに。
なんでそこまで俺に構うんだ?
俺の事なんてどうでもいい存在なのに。
もうめんどくさい。
sm
俺は無能なんだから、役に立たせてくれ……
まだこの役職に立って縋りつかせてくれ。
じゃないと自分が潰れてしまうと思ったから。
文乃
りず
sm
sm
りず
sm
自室に帰るためにドアを開けると……
kr
いたずらっ子のような笑顔でこいつが佇んでいた。
元来、スマイルは感情を表情に出すことは無い。
でも、こいつは限界が来る時はわかりやすい。
だから、そうゆう時に「ご飯食べよう。」とか、「休め」とか、「寝ろ」とか言ったら、限界を超える前にこいつは素直に休んでくれる。
なのに、最近こいつは素直じゃない。
さっきの言い訳も、筋は通っているから、見過ごしたけど、なにかおかしかった。
だから、部屋に来てみたら.........
kr
sm
一瞬で驚いた顔から、真顔に戻るスマイル。
これだからポーカーフェイスが上手いやつは。
しかもここまでバレてんのに、まだ言い訳しようとしてんのかよ。やば。
なんか最近というか少し前から、こんな素直じゃなくなってしまったんだよな。なぜ。
sm
sm
こうゆう時だけ口がペラペラ回るようで。
文乃
後ろの子は、すごくなにか言いたそうにしてる(笑)嘘わかりやすいな。
どうしよ。このまま事実を知ったら医務室に暗黒微笑して鎮座しそうなきんときの元に連れていこうかな。
sm
あぁ、目で訴えて幹部権限を振りかざしてる。こんな上司嫌だな。
kr
sm
そうだ。こいつめんどくさい奴だった。
え〜?俺も言い訳したり、あの言い訳に言い返さないと行けないの?
文乃
kr
この子もすごいな。スマイルの肩を持ちながら、俺の欲しい回答をくれる。さすが。
sm
sm
kr
sm
kr
sm
sm
文乃
おーい?そこでため息聞こえてますけど?どこまで誤魔化すんですか?
kr
sm
チッカマかけたのに引っかからないのか。
りず
sm
りず
sm
りず
あ〜心配されてるってわかってない〜
部下の子かわいそ〜
なんでこいつは周りのこと(心配)が見えてない自由人なんだよ。馬鹿。
kr
sm
めんどくさ〜きんときにつき出そうかな。
kr
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kr
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kr
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kr
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「「なんでこいつは引き下がらないんだよ」」
kr
sm
kr
sm
kr
kr
呆れられてしまったのだろうか。
前までもっと素直……
素直な俺の方がきりやんにとって迷惑じゃないのか?
心の中の俺が、「素直に言うことを聞いた方が、自分よりももっと多忙なきりやんのためじゃないのか」と言う。
きんときときりやんを天秤にかけるつもりは無いが、今での選択では2つともどちらかには迷惑をかけてしまう。
何かいい方法はないのか……
りず
あぁ、この人がいた。
やっぱり今日の俺は冴えてる。
また良い感じの言い訳を考えれた。
sm
kr
sm
kr
sm
sm
kr
sm
りず
kr
sm
全てが目的通りに動く。
これなら無能と言われても、何も出来ないと言われても、まだここに縋りつけている感覚がしている。
この言い合い、俺の勝ちだな。
りずぐらいなら、目を盗んでご飯を作っている間に書類をできるかもしれないし。
きっときりやんも忙しいから、仕事をやっていることを分からない。
こんなとこを見せたら、心配するというか、放っておけないなら、見せなければいい。
あぁ、完璧だ。
kr
sm
やっと去ってくれた……
どうでもいい自分のことなんて放っておいたらいいのに。
sm
kr
ちなみに部屋で書類していると秒でバレたし、数枚(他は隠した)は没収されて行った。
今度は言い訳は通用しなかった。
コメント
9件
天才だわ、🎓✨
これは天才だわマジで好き
うっわあ書きたいな……カイチャオ…