国木田
おい芥川、仕事してるか
芥川
然り。言われた通りに資料を粉々にしてやった
国木田
阿呆!貴様、それは大切な資料だ!戻せ!
芥川
無理だ。もう破いてしまったものは仕方がない
国木田
お前、新人だからとて、やっていい事と、ダメなことの区別くらいつかんのか
織田作
おはようございます
国木田
織田!お前は遅刻しすぎだ!何故5時間も仕事に遅刻する!?
織田作
叔母さんと話した後、近所のスーパーで特売をやっているから、荷物を持つのを手伝って欲しいと言われた
国木田
あのな、そういうのは断れ
織田作
人に親切にしちゃダメなのか
国木田
違うわ!
芥川
ポートマフィアの件も落ち着いてきた故、もういいでは無いか
先日、探偵社はポートマフィアと戦闘をした。幹部の敦が孤児院で働くことになる等、この戦闘の後に、色々な事がきっちり整理されていた。
だが、1つだけ、整理できないものがある。それは、ポートマフィアの首領、
太宰治の精神状態だ。
太宰は、先日の戦闘の後、死ぬ予定だった。探偵社に居る織田が、小説を書ける世界を作る為に。
だが、その計画を元々知っていて、めちゃくちゃにしたのが、幹部の中原中也。彼が、太宰の身代わりになり、ポートマフィアのビルから飛び降りたのである
後でわかった話だが、太宰と中也は付き合っていたらしい。愛する人を失った太宰は、精神状態が可笑しくなり、見えないはずの中也と、楽しく会話することがあるのだ。
織田作
ポートマフィアの首領の件だが、どうなってる?
国木田
嗚呼、それが今の一番の問題だな
織田作
まだ治っていないんだな
国木田
その通りだ。否、だんだん
酷くなっている。
芥川
大丈夫だろうか
芥川
敵ながらにして少し可哀想になってくるではないか
織田作
そうだな
織田作
俺、ポートマフィアの首領、太宰にあったんだ。ルパンで。
織田作
その時の太宰の顔は、まるで、この世界に疲れているけれど、まだ希望を捨てていない
織田作
そういう事を語っているような無垢な子供の顔だった
国木田
本当にマフィアの首領がそんな事でへこたれるのか?
諭吉
そうだ。
国木田
!
国木田
お疲れ様です。社長
諭吉
ポートマフィアの首領、太宰治は、もう取り返しのつかない所まできている。
織田作
…………
諭吉
もう何日も、まともに寝ていないどころか、食事も疎かになっているようだ
織田作
…………
国木田
どうした織田
織田作
俺、太宰に会ってきます。
諭吉
?!
諭吉
やめておけ
諭吉
関わったら、自分までおかしくなるぞ
諭吉
太宰に関わって、ポートマフィアの部下は何人か自殺している
諭吉
何かを吹き込まれる可能性が高い
織田作
太宰は、何も知りません
織田作
きっと、自分が見えている中原という幹部が、幻覚ということに気づいていない
織田作
でも、太宰は俺を信頼しているようでした
織田作
だから、俺が行きます
織田作
太宰を救いに