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黝
黝
黝
黝
私は何度生まれ変わったんでしょうか
今は何回目?
今は
私は
ワタシは
ワタシハ
ダレ?
優希
優希
優希
優希
優希
A.M 2:12
優希
優希
優希
優希
優希
優希
優希はそこで言い淀んだ まるでその先が言えないかのように唇が震え なにかを失う気がした
優希
優希
優希
優希は月を見上げた
優希
夜の月は暗く光り 青白い光には思えなかった その光は優希を照らしたが 優希はその光に対して何も感じないような 何も感じれないような気持ちになった
紅丸
優希
声のした方向に反射で振り向くと立っていたのは紅丸だった
優希
紅丸
紅丸
優希
紅丸
紅丸
優希
紅丸は苦笑した 何年間も一緒にいる相棒でもあり 恋人でもある優希にはまだ隠し事があるのかと思った
紅丸
紅丸
優希
紅丸
紅丸が立っているのは月が綺麗に見える砂浜の上 そしてその先は 明るい内は眩しいほど青々しく 今はただただ闇に溶け込んだ海が広がっている
優希は そこから先に行けば 紅丸が消えてしまうかと思うほどの闇の中に居ることに気づいた
紅丸の顔は月の青白い光に照らされ 太陽の下では煌びやかに眩しいほどに照らされている情熱のような赤の髪は月の光に照らされれば神秘的な眼を奪われるような美しさに変わっていた
彼の表情は明るくない それがまた何処か儚さがあり 何処かに消えてしまいそうな気さえした
優希
紅丸
優希
紅丸
2人黙って座っていればまだ少し肌寒い潮風が2人の頬を撫でた
月の光は紅丸と居るとよりいっそう青白く見え煌びやかに光ってるような気さえした
今まで一人で見ていた時は暗く 闇の中に溶け込みそうな程だと思えたのに
優希
紅丸の横顔は月明かりに照らされ何処か哀愁漂う顔をしていた 昼の太陽のような明るさは消え失せ 今は何処かに自分を置いて行ってしまうような危うさを感じさせる顔だった
紅丸
紅丸
優希
紅丸はただただ無言で夜の暗闇に溶けた海に入って行った
そのまま何処かに消え失せてしまうような気がするほど危うい存在
優希
気づけば大声で彼の名前を呼んでいた 気づいて欲しい 行かないで欲しい 何故かそういう考えばかりが優希の頭をよぎる
紅丸
振り向いた紅丸の背には月がありその月明かりは紅丸を月の都へと連れていくような導くような怪しい光とも取れるように静かにそこに佇んで光っていた
紅丸
優希
「風邪をひく」「早く戻ってきて服を着替えよう」 言いたいことは山ほどあったはずなのに 紅丸の普段は感じないような いや 感じさせないような悲しい声を聞くと 自分の話したい内容が言えなかった
紅丸
優希
優希
紅丸
優希
紅丸
優希
紅丸
紅丸は素直に上がってきて 自分の服や靴を全て乾かした
優希
紅丸
また2人に無言の時間が訪れた
息を吸えば肺いっぱいに潮の香りがかおる
潮風は酷く心地よく 二人の間には永遠とも言えるような長い時間がたってる気さえした だがそれが酷く心地良く なにか必死に話題を考える必要性も感じない
今はまだこのままの時間が欲しい
まだ 彼と過ごす時間が欲しい
優希
だが今は このままの時間が心地良かった
あの夢を忘れる時間が欲しかった
紅丸
優希
紅丸
紅丸
優希
彼に秘密にできることは私にはまだまだないらしい
もう少し 夜は続く