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セレネ

はぁ……

セレネ

(友達が少ないって、ここまで寂しいものなのね…)

原因は、彼女が度がつく程のコミュ障であることである。しかし、当の本人はそのことを自覚していないようで……

セレネ

(私の家、表向きは貴族だけど、本当は魔法局の御用達の殺し屋だからなぁ……)

そう、ヒルドル家は殺し屋も営んでいる家系なのだ。 それも、その事実を知る者は魔法局の人間でも極限られた人物のみである。しかし、友達が少ないこととは何ら関係ない

セレネ

そ、そうよ、私は殺し屋だから普通の一般人と関わる機会が少ないだけ……別に人と話せない訳じゃ……

いや、ただ話せないだけである

セレネ

(せっかくの散歩なのに…)

……と、誰かがコチラに歩み寄ってきた

モブ1

オイ!お前、セレネ・ヒルドルだろ

セレネ

ぇ、あ、は、はは、はい……

セレネ

(この人誰?)

モブ1

お前、女の癖して銀のコイン持っているらしいな

セレネ

ぁ、え、えぇ…

セレネ

(だから何よ?)

モブ1

お前が持ってんのは気に入らねぇし、ただ無駄になるだけだろ?俺が貰ってやるよ

そう言いながら、男はニヤニヤと気色悪い笑みを浮かべている

セレネ

(今まで殺ってきた害虫もこんな感じだったな…)

セレネ

(やけに上から目線で、勝手に自分の都合のいいような風に物事を決めつけるような…)

セレネ

え、えっと、け、結構です。わ、わわ、私はこのコインを無駄にはしませんし、そ、それに……えっと…

モブ1

チッ…普段全然喋らねぇから素直に渡すと思ったのによぉ……

セレネ

(なんで、普段話さないと言うことなんでも聞くって思われるのよ…?)

モブ1

こうなりゃ、コインを賭けて決闘だ!!

モブ1

お前には負けるわけがねぇからなぁ

セレネ

………………

セレネ

(めんどくさいことになったぁぁぁぁぁ!!!!)

あれから、セレネ達は戦いやすいように少し開けた所へ出た

何故か、周りには野次馬が沢山いる

セレネ

(やばい、これ詰んでるかも)

セレネ

(仮に負けても、今まで授業で頑張った分があんな奴のせいで無くなるし、勝ったとしても私の戦い方じゃ絶対に目立つし…いや、いつも通りの基礎魔法なら…)

モブ2

なぁ、あの大人しいセレネ・ヒルドルが決闘するんだとよ

モブ3

マジ!?あの子大丈夫なのかな?

モブ3

戦ってるところあんまり見た事ないような…

モブ2

戦っても大体基礎魔法だからな…固有魔法使ってるところは見た事ないな

なーんか、外野がうるさいが、相手の男は目立っていることに対して喜ばしいのか、ニタニタと笑っている

モブ1

あ、そうそう

モブ1

基礎魔法はナシだからな?

セレネ

……へ?

セレネ

(……完全に詰んだ……)

モブ1

どーせ、ヒルドル家なんて名ばかりのクソ家系なんだろ

モブ1

こんなオドオドしながら突っ立ってるだけの女に、力も何もあるもんか!!

モブ1

固有魔法を一切使わずにいるなんて、どうせ使えない魔法なんだろうな!

セレネ

……………

セレネ

………殺す……((ボソッ…

完全にキレてしまった模様で…

変に目立つ目立たないとか、キレたセレネには関係無かった

そんなセレネの怒りに気が付かないまま、決闘は始まった

モブ1

ディストピア!

男がそう詠唱すると、2人の周りに分厚い氷の結界ができた

モブ1

これは、氷結系の結界魔法だ。氷山の形をしていてな、外側からも内側からも壊すことは出来ない

モブ1

しかも!対象者の魔力を奪いつつ、酸素も奪っていく

モブ1

だから、下手に魔法を使えばすぐ魔力切れで負ける。ただし、そのままでも酸素が無くなって死ぬ!

モブ1

そう、もう俺は勝ったも同然だ!!

ガハハと笑っている男をよそに、セレネは考えていた

セレネ

(壊すのは無理、そのままでも負ける、魔力は…ほんの少ししか吸われていないから平気ね)

セレネ

(これ、ちょっと脳筋って思われちゃいそうね)

セレネ

アルマ・スピア

セレネの杖が槍に変化した

モブ1

っ……は?

男は驚いていた。何せ、何も出来ない無力な女と思っていたら唐突に杖を武器に変化させているのだから、無理もない

セレネ

(結界自体が壊せないなら、本体を壊せばいい)

彼女は男に向かって突き刺そうとした

流石の能無しの男でも、命の危機は理解しているようだった。彼は結界を解き、こう言った

モブ1

こっ、降参!降参だ!!

しかし、怒り心頭で正気を失っているセレネの耳には届いていなかった

モブ1

お、おい、聞いてるのか?降参だって、銀のコイン貰えるからいいだ……

そう言いかけた途端、槍が頬を掠めた

モブ1

ひっ……

セレネ

チッ……

今度こそ突き刺そうとした瞬間だった

突如、地面が泥のようになり足がズブズブと嵌ってしまった

セレネ

……はっ

そして、謎にセレネがここで正気に戻った

セレネ

……え?え?

気がついたら、半泣き状態の男に引き気味の野次馬、そして足が埋まっている自分……

セレネ

(私、一体何を……)

セレネ

(それに、私が嵌っているのは恐らく泥……泥の魔法…)

セレネ

…………

泥の魔法を使う者の心当たりがあった。それも、レアン寮内でもトップクラスの実力を持っている人……

セレネ

(これやばい…)

セレネ

は、はやく、はやく出ないと…

しかし、無情にも足音と共に背が高く、サングラスをかけた人が来ていた

セレネ

(やばい、やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい…!!)

必死にもがいていたが、遂にセレネの肩に誰かの手が触れた

おい

セレネ

あっ、そ、そ、そ、そそそそ、わわわわわわわわわわ、わた、わた、わたたたた……

どうなるセレネ……!?

殺し屋家系の少女、コミュ障すぎな件

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