傑
…やぁ伽くん

伽
…夏油先輩。

最悪だ。
俺の信者を増やそうと呪いが発生すると噂の村に来たら…、呪術師が派遣されていた。
傑
久しぶりだね。元気そうでなによりだよ。

伽
…そっちこそ。

傑
…あのね伽くん。

傑
私は、呪術は非術師のためにあると考えるわけだよ。

伽
それ、正論ですか?

伽
俺正論嫌いなんですよ。

傑
ふふ、君ら兄弟は本当に似ているね。

傑
そこでだ、伽くん。

傑
…1度、高専に

伽
却下しますよ。それは。

伽
俺の処刑は決まってるんでしょ?
まだやるべき事をやってません。

傑
…やるべき事?

あぁ、本当にイライラする。
善人とは、何故こんなにも神経を逆撫でするのか。
伽
兄貴は元気ですか?

傑
あぁ。
血眼で君を探してるよ。

傑
君はよっぽどかくれんぼが上手いようだ。

傑
それで、やるべき事って?

伽
…、兄貴は、最強で有名だ。

伽
俺は、それを超える呪詛師になる。

傑
…なんのために?

伽
五条家に、俺を認めさせる。

傑
呪詛師で認められないのは君も十分理解してるはずだろう?

伽
…認めさせる、というのは半分自己満ですよ。

伽
建前、と言った方がいいですかね。

伽
俺はね、先輩。
呪術師界で1番になれない。
なら、…呪詛師界での『五条悟』になろうとおもって。

傑
…結局、君は『五条』に縛り付けられるのか。

伽
えぇ。そうですよ。

伽
むしろ、それぐらいの方が心地いい。

伽
それより、先輩。

伽
俺の事、殺さなくていいんですか?

傑
いや、私は殺さないよ。
それとも、大人しく高専に連行させてくれるかい?

伽
嫌ですよ。

伽
何故、殺さないんですか?

傑
…私の役目じゃない。
君を殺すのは、悟だ。

伽
じゃあ兄貴の前に連れていけばいい。

傑
…君は、生きたいのか、死にたいのか、どっちだい?

伽
二択でいうなら、死にたくないです。
でも、三択目を出す権利をくれるなら、

伽
『その時が来るまでは』

伽
ですね。

傑
ははっ、君らしい。

傑
せいぜい、頑張ってね。

傑
あ、ここの呪霊退治は私が引き受けるよ。
補助監督が来る前にさっさと逃げるといい。

伽
随分協力的ですね。
感謝します。

というと同時に、俺は夏油の前から姿を消した。
つくづく、よく分からない術師だ。