先輩の車は米帝の 家の近くの駐車場に 止め、荷物を持って 俺たちは歩いていた。
先導して歩いていた 先輩が振り返った。
その顔はいつもより 赤く、汗も沢山 かいている様子だった。
ナチス・ドイツ
イタ王
イタ王は慣れているのか やけに涼し気だった。
対して俺は…
日帝
暑さにかなり やられかけていた。
イタ王
イタ王が叫びつつ 走って行った。
…思い立ったらすぐ 行動するのは良いが、 慌ててこけるまでが イタ王のオチだ。
ナチス・ドイツ
日帝
戦時中もそうだった。
後先考えず突っ走り、 最終的には白旗を手に 泣きながら帰ってくる。
それがイタ王という 男の特徴だった。
日帝
俺たちとほとんど 同じような格好を しているのに、一切 汗をかかず走って いったイタ王の体調が 心配だ。
日帝
今までもなんだかんだ 言って、夏を生き抜いて きたのだから大丈夫か。
俺は先輩の隣に 座りこみ、イタ王の 帰りを待った。
イタ王
ioは路地裏で 大きく息を吸い、 そしてさらに大きな 溜息を吐いた。
なんと、ioの知ってる 近くの自販機がいつの 間にやら撤去され、 完全な歩道へと変わって いたのだった。
イタ王
…まぁ、最後に行ったのが 十数年前だから仕方の ないことといえば 仕方のないことなのだが。
なぜこのタイミングで 遠くまでスポドリを 買いに行く羽目になった のかと恨みたくなるほど 面倒な運動だった。
イタ王
イタ王
ほんの一息の休憩を 挟んでから、壁に もたれていた体を 起こした瞬間。
イタ王
背後から聞こえる、 銃の安全装置を外す音。
モブ
イタ王
モブ
そこでようやくioは 振り返った。
ioの真後ろで、ioの 頭に狙いを定めて 銃を構えている男。
その顔に、どこか 見覚えがある気がした。
イタ王
本気で思い出せなくて、 思わずそう訊いてしまった。
これが、目の前の男を 逆上させるとも 知らずに。
モブ
イタ王
そう言われれば、 何となくそんなことを したような気もする。
…昔、ioはマフィアで 笑いながら敵組織の ニンゲンを殺して 回っていたから。
イタ王
モブ
両手で銃を構え、ioに 殺意をこれでもかと 見せる男。
…嗚呼………
イタ王
ioは、思わず ため息を零した。
モブ
…急に男はさらに 大きな声量で 怒鳴りだした。
イタ王
モブ
男は一歩、ioに 近づいてきた。
モブ
モブ
男がそう叫んだ瞬間、
ドン!!!
…という銃声が聞こえる。
イタ王
音が聞こえてから 数瞬後、
壁に血しぶきが 散った。
ナチス・ドイツ
スポドリを買いに行った だけなのにあまりにも 帰りの遅いイタ王を 心配し、俺は元の場所に 日帝を残して近くに 探しに来ていた。
ナチス・ドイツ
俺の視線の先には、 目的の自販機が一つ。
俺が来た道は元々居た 場所から最短のルート だから、イタ王と入れ違いに なっているとも考えにくい。
ナチス・ドイツ
イタ王に連絡を取ろうと してみても、イタ王は なんとスマホを置いて 行ってしまっていた。
だからこうして 自力で探し出す必要が あったのだ。
ナチス・ドイツ
気ままに走り出していく イタ王という人物に これほど怒りを感じた 瞬間はないといっても 過言ではない。
深い深いため息を つきかけた、その時だった。
ドンッ!!!!
ナチス・ドイツ
聞き間違えるはずのない 大きな音。
それは、明らかに━━━…
ナチス・ドイツ
第二次世界大戦中、嫌と いうほど毎日聞いていた 音だ。
終戦してからもう 何十年も経つと いうのに、いまだ体は 銃声に過敏に 反応してしまう。
ナチス・ドイツ
ナチス・ドイツ
ここから西に進めば、 確かに自動販売機がある。
それに、そのあたりは 治安が悪いことでも有名。
ナチス・ドイツ
俺は手遅れになる前にと 考える暇もなく、西に 向かって走り出していた。
ナチス・ドイツ
路地が密集したエリアに たどり着き、イタ王の 姿を探す。
暑い中必死に走ったので、 軽い脱水症状になって しまっている。
ナチス・ドイツ
一度壁に手をついて 辺りを見回したタイミング。
鋭い銃声が、 本当にすぐ横から 聞こえてきた。
ナチス・ドイツ
一発の銃声と同じ方角から、 内容はわからないが声だけが 聞こえてきた。
???
???
???
一人は怒鳴っている様子で、 もう一人はどこまでも 冷静な様子。
数歩、その方角へと 歩みを進めた。
???
???
うすらと、話し声の 内容が聞こえてきた。
暗闇の中、二人の シルエットがぼんやりと 浮かび上がった。
???
???
片方の男が片腕を あげた次の瞬間、 再び銃声。
冷静に話していた 男が発砲したのだと 悟った。
ナチス・ドイツ
目を凝らした、その時。
ナチス・ドイツ
「イタ王……?」
イタ王
銃を持ち、後頭部から 血を流す一人の長身の男。
暗闇の中に浮かび上がる ような、真っ白な軍服の スラックスは血で裾が 染まっていた。
イタ王の足元には、
地に倒れた一人の男。
ナチス・ドイツ
そう問うた。
自分でもびっくりする ほど掠れた声が出た。
イタ王
イタ王
目の前のイタ王は、
まるで泣くように 微笑んだ。
日帝
日帝
『二か月間も放置してしまって申し訳ありませんでした!!!』
日帝
日帝
日帝
日帝
日帝
日帝
日帝
コメント
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一気読みしました!ほんとにすっごいおもしろいです!泣きそうになりました、、!!! 投稿待ってます!!無理はしないでください!!!