歌姫、ありがとう!
綺麗な声だねって言われた!
n
よかったですね
歌姫のおかげ!
ありがとう~!!
n
いえいえ(笑
歌姫というあだ名がついてから中学2年生に進級してしまいました……
n
ん……
今日は中学2年生初の吹奏楽部での集まり
どんな新入生が来るかわくわく!
バリン!
廊下の窓が割れてガラスの破片が飛び散る
n
っ………!
y
大丈夫?
n
……え…?
閉じてた目を開けると、目の前に男の子の顔があった
ガラスの破片から守ってくれたのかな……
n
あの、ありがとう!
y
いえいえ
y
じゃあ、急いでるんで!
そう言って走っていっちゃった
y
入部希望の赤谷ゆあんです
y
よろしくお願いします
n
……え
嘘だ
なんで……さっきの子が…
r
めっちゃ可愛くない?
n
そう……かな…?
r
わたしすきになっちゃったかも!
n
…え?
r
なに。ダメ?
n
だって、年下だよ?
r
関係ないじゃない?
すごい度胸
n
ん……まあ、そうだね……(笑
お疲れ様でした~
水島先輩!
よければ一緒に帰りませんか?
カラオケにも行きませんか!?
r
あ、でも仕事がまだ残ってるのよね
え?
それって部長一人でやらなくていいじゃないですか?
r
そう?
誰かに頼むのはいけないんですか?
え?まさか……
r
のあ、悪いけどお願いできない?
n
んぇっ…?
わかってた
わかってたよ、でもさ!
なんで私一人なの?
断りたい
今すぐにでもこの場から逃げたい
n
うん……いいよ、楽しんで来な…
でも、断れないのが、私
r
ありがとう!
r
じゃあ、よろしくね
誰もいない音楽室はなんだか寂しい感じだった
n
っ……(泣
なんで、私はこうなんだろ…
r
歌姫だからって調子乗ってる?
n
……
乗ってない、乗ってないよ
今でもるなの言葉が私の心を傷つける
y
先輩って綺麗な字書けるんですね!
急に背後で声がして、振り返る
n
……赤谷くん……
y
先輩、僕も手伝います!(笑顔
n
るなとカラオケに行ったんじゃないの?
y
こっそり抜け出して来ちゃいました
笑顔が可愛い
n
ダメでしょ
n
学校に戻ってくるの
y
まあ、しらなかったですし
絶対嘘だ
y
二人でやれば、早く終わりますよ!
y
その後一緒にプリクラ撮りましょ!
いつも笑顔の赤谷くんがなんだか羨ましかった
無事、仕事も終わり、プリクラも楽しく撮れた
その帰り道
y
先輩、水島先輩って苦手です、僕
n
____え?
急な言葉に言葉が詰まる
るなのことが苦手?
そんなこと言う子は、初めて見た
y
なんで桃石先輩一人に頼むんですか?
y
他の部員も
n
それは、私が一番暇だから……
y
だからってひどくないですか?
n
っ…
赤谷くんの真剣な目に、言葉を失う
y
あ、すみません
y
なんだか、許せなくて
n
赤谷くん……
n
ありがとう
y
あ、こっちなので
n
うん、また明日ね
こんなに私を思ってくれる人、初めてかも……