彰人
司先輩〜ボール行きましたよ〜
司
うおおお!!
類
お〜
冬弥
流石です司先輩!
司
ハッハッハ!
司
未来のスターたるものこれくらい当然だ!!
類
……
類
皆んな
司
む?
彰人
どうしたんすか?
類
あれ、見て
冬弥
え?
窓の方を見ると、女子生徒が
こちらをじっと見ていた。
司
……アイツか
類
対策は考えてるのかい?
彰人
俺に任せてください。
冬弥
彰人?
彰人
大丈夫だよ
彰人
あ、そうだ冬弥
冬弥
ん?
彰人
ヒソヒソ…(小声)
冬弥
……わかった。
冬弥
司先輩、神代先輩
冬弥
僕ちょっと行くところあるので、彰人のこと見ておいてください
司
え?!
類
あ、ちょっと青柳くん?!
司
行ってしまった…
類
とりあえず僕たちは東雲くんのサポートだ
司
おー!
彰人
来いよ、一緒に遊ぼうぜ
彰人
……テケテケさんよーー。
???
……
???
テケ…テケテケテケ
彰人
来た……
司
彰人!!
彰人
任せといてください
彰人
ほーら鬼さんこっち来いよ!
類
速い!?
彰人
ほらほら〜
???
テケテケ……
彰人
そーれ
???
テケテケテケ……
するとテケテケは彰人の動きについていけなかったのか、壁に激突した。
彰人
まだまだァ!!
司
まだやる気か?!
彰人
あらよっと!
類
テケテケとはかなり距離を取れている…
司
それに、怪人だとしても、ここまで走ればーー
???
テケ…テケテケ…
類
体力も落ちるよね
類
それじゃあ僕たちもテケテケとの鬼ごっこに参加しようか
司
だな!
司
こっちに来い!
類
こっちだよ〜
???
……テケ…
彰人
もう体力はほとんどねーだろうな
彰人
テケテケさんよ
???
……
類
ん?
司
……?!
司
彰人!逃げろ!!
彰人
えーーー
???
テケテケテケテケテケ
彰人
うおっ…?!マジかっ…
類
このままでは…
冬弥
彰人!!
彰人
やっと来たか!!!
冬弥
司先輩!!
司
ん?!
司
……なるほどな!
司
類!!
類
……あぁ、
類
了解だよ
俺と類はロープの端と端を持ち、
テケテケの周りをお互い逆向きに
何度も走り回る
???
テケッ……
冬弥
これでよし…
司
これで身動きは取れないな
類
じゃあ、早速成仏してもらおうかーー
冬弥
待ってください!
司
ん?
冬弥
テケテケの顔…
司
…あ、
類
泣いて…
冬弥
喋れるか?
???
……
???
テケ…テケテケ…
類
まぁ、喋れないよね…
司
……昔、私はこの街に住んでいました。
類
え?
冬弥
…司先輩?
彰人
言葉、分かるんすか?
司
……何故か、伝わってくるのだ。
???
テケテケテケ…
司
でもある日、遊びから帰る途中、
???
テケテケテケ……テケ…
司
車に轢かれ、気がついたら…下半身は消し飛んでいました。
類
そんな…
???
テケテケ…テケ、テケ…
司
その時は真冬で、とても寒く、すぐには死にませんでした。
彰人
なんでだ?
類
寒い中にいるから血管の先が凍り付いて止血されたのだろうね。
???
テケテケテケテケ…テケテケ…
司
暫くの間苦しみながらも周りへ助けを求めました。
???
テケテケ…テケ…
司
でも、誰も助けてはくれませんでした。
???
テケテケテケ…
司
私はそのまま死にました…
???
テケテケ…テケテケテケ…
司
私は人間を恨みました。
???
テケテケ…テケ
司
人が助けを求めているのに、助けてくれなかった。
???
テケテケテケ…テケテケ…
司
人間はそれ程までに最低なのだと…
???
テケテケ…テケテケテケテケ
司
私はそのあと、怪人テケテケとして蘇り、復讐を誓いました。
類
……
冬弥
そんな過去が…
???
テケテケ…
司
ごめんなさい…
彰人
謝ることなんてねーよ!
冬弥
そうだ、逆にこちらが謝るべきだ。
類
助けてあげられなくて…ごめんよ。
???
テケテケ……テケ…
司
優しい…ですね…
???
テケテケテケ……テケテケ…
司
私は、「地獄に堕ちろ」と三回唱えれば消えます。
類
地獄に………
司
……
司
天国へ行け……
???
テケ……?
冬弥
司先輩…
司
テケテケは確かに、取り返しのつかないことをしてしまった。
司
だが、テケテケは交通事故に遭わなければ…こんなことをする必要はなかった。
司
それに、全てがテケテケのせいではないんだ。
類
司くん…
司
助けてやれなかった分、俺が天国へと送ってやろう…
???
……
???
テケテケ…
司
ありがとう…か…
彰人
……やるしかないみてーだな。
冬弥
あぁ、
類
……
司
体が…
類
テケテケ……
???
……みなさん
司
…え?
???
ありがとうーー。
司
……
彰人
喋れたんだな…
冬弥
……少しは報われるといいな。
類
だね。
司
…あぁ