□注意書き
司愛され………のようなもの。原作で既に愛されまくっているので、特に捏造してはない。カップリングはありません。
※物語の都合上、司が吃音症(のような症状)+寂しがり屋になっています。
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とある日、寧々の家で勉強会をしていた。
いくら仲が良かろうと女子高校生の部屋にお邪魔するのは駄目じゃないか?と思い、オレと類はリビングで、えむと寧々は寧々の部屋で勉強していた。
勉強を始めて3時間ほど経過した。
類が飲み物を買いに外出し、リビングにはオレ一人になった。
10分もしたら帰ってくるだろうと思い油断していたが、自分の寂しがり屋を甘く見ていた。
類がいなくなってから数分経った頃、既に勉強に集中できなくなっていた。
───
ドアをノックすると、「入っていいよ」という寧々の声が聞こえたのでドアを静かに開ける。
たくさん勉強したろうに、何故だかえむは元気そうだった。…まあ、えむはそんな奴か。
「司くん、どうしたの〜〜?」
その問いに、言葉に詰まる。
先程まで何を話すか考えてシュミレーションしていたというのに、記憶がなくなったみたいに思い通りに喋れない。
「……その、…さ、ッぁ、、!え、ッと…、」
…ああ、最悪だ。
頑張って喋ろうとしても、思うように口が動かない。伝えたいことと考えていることの言葉が混ざって、原型をとどめていない。
この事を言って、二人はどうなる?迷惑だと思わないか。変な奴だと思われないか。そんなマイナスなことばかり考えてしまう。
えむも寧々も、そんなこと一切気にしないだろうに。
「……?」
オレの話したいことを理解しようと頑張ってくれている二人に、なんだか罪悪感が湧いてくる。上手に喋れなくてごめんなさい、と。
……ああ、もう耐えられない。オレの我慢メーターはとっくに限界を迎えていて、寧々の部屋のドアを勢い良く閉めた。
「ッ!!司、?!」
ドアが開いてしまわないように、体重をかけてドアを抑える。部屋から聞こえる二人の声は、寂しそうな声色で、オレのことを心配してくれているような気がした。
「………はあ、」
大きくため息をつく。こんな性格じゃなければ、こんな神経質じゃなかったらもう少し楽に生きられてたのだろうかと、そう考えてしまう自分が大嫌いだ。
咲希のほうが、よっぽど辛いだろう。学校に行けなくて、友達と遊べなくて、質素なご飯しか食べることができなくて、毎日起きて寝るだけを繰り返していた咲希のほうが。
「……………でも、オレだって…」
つらい
「…ぅ、…ぁ”ああ””…ッ!!!うあぁ…ぁあぁ”!!!!」
滑稽なほどに泣き喚く。こんな大声を出していたら二人に聞こえてしまう、なんて、考えている余裕はなかった。
「司!!」
抑える力が抜け、ドアが開いてしまった。
えむは心配そうにしゃがみこんでいるオレを見つめ、寧々は背中を優しくさすってくれた。
「…ほんとに、司ったら。……そんなに泣いてたら、目、腫れるよ?」
なんだかんだ頼りがいのある、お姉さんな寧々になんだか感動した。
今は、今だけは─、この優しさに甘えていても…いいのだろうか。
それから、オレが泣き止むまで二人は側にいてくれた。
「もう大丈夫だ」と言うと、二人は安心した顔になる。
「…司くん、もしかして…寂しくなっちゃったの?」
えむにそう言われてしまうのは少し恥ずかしかったが、それもまた事実なので小さく頷く。
「……その、…二人に、お願いしたいことがあるんだ。」
そう言うと二人は嬉しそうな顔をして「何かあった?」「教えてほしいな〜!」とキラキラした目でオレを見つめた。
こんな輝きに満ちた瞳の期待を裏切るのは気が引けたので、素直に気持ちを話す。
「…オレのこと……抱きしめてほしい」
少しの沈黙。このどんよりした重い空気をすっ飛ばしたのは、ニコニコしながら抱きついてきたえむ。
えむの後に続いて、寧々も優しく抱きしめてくれた。
「えへへ…司くん、心配になっちゃったんだもんね!」
「あたしも寧々ちゃんも類くんも、司くんのこと、ずっとずっと、ずーーーーっと!!…大好きだよ!」
「…アンタがちゃんと言ってくれないと、わかんないんだから」
一生懸命励ましてくれるえむ。照れくさそうにしながらも、優しい言葉をかけてくれる寧々。
オレは本当にいい仲間を持ったな、と改めて実感し、余計涙が溢れてくる。
二人の優しさに浸っていると、玄関の方から物音がした。
「………類?」
そこには、ジュースの入ったビニール袋を片手に、こちらを向き微笑んでいる類が立っていた。
「…ズルいじゃないか、二人とも」
「いや、ズルいとかないから。」
「類くんもギューってしよ〜!!」
「フフ、では…お言葉に甘えて」
類は荷物を置き、えむ達のようにオレに抱きついてきた。
「わっ!?お、お前ら……〜〜!」
オレは3人からの温かい優しさと愛情を貰い、気づけば深い眠りに落ちていた。
コメント
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はぁ……かわいそかわいい……このツカサ……ハグしたい……😓💕💕て思ってたら最後みんなでハグしてて大ハッピーになりました😍
勿論カプ話も好きだけど、こういう天馬の弱い所を何とも言わず受け止めてくれるダショの何物にも代えがたい的暖かい空気がある話も好きなんだよ有難う…(早口) 何かこう、心の底からぶわっと温まる感じ?愛されでしか味わえない感情?何て言えば良いのか分かんないけど誰かが辛そうにしてる時即囲んで抱き締めれるダショが大好き。小説、解釈一致過ぎて愛しかない😭💕 ほんともう払わせて…🫸💰 長文失礼🙏💦
やっぱり類司は正義👍