1 . 散りばめられた種
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何時も何時も同じ事の繰り返し。
ちょっとは違う事もしてみたいとか思ったり思わなかったり。
日が昇って、朝食とって、家を出て、学校に行く。
ただ、それだけの事で、でも満たされなくて。
高校生なら恋とかもしてみたいな
なんて思っても相手がいないし、
楽しいはずなのに、ちょっぴり心に穴が空いてるみたいな。
そんな日常。
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6時半にセットされた時計は、もうすぐ重なり会おうとしている。
小鳥の囀りが心地よい朝。
何時もと変わらない日常。
唯1つ言えば、今日から制服が夏服になった事。
唯それだけ。
1年ぶりの夏服に腕を通し、階段を降り朝ご飯を食べに行く。
そして時間になった為、第1ポイントに着く為靴を履いて外に出る。
30秒もせずに着く君の家。
叔母さんがでてくるタイミングと同時に着くようにしてる。
おばさんにいつも通り挨拶をして家に上がらせてもらう。
叔母さんは、「 何時もごめんね 」 なんて言うけれど、もう習慣づいてしまったため、今では何とも思わない。
そうして、1つ上の階で大きいイビキをかいてる声が聞こえる。
思いっきり遠慮なくドアを開ける。
「 起きろバカ 」
ドアの音にびっくりしたのか私にびっくりしたのかは分からないけど、肩を揺らして飛び起きた君。
その直後にケーブルに繋がってる機器から目覚まし音が流れる。
それが何時もの日常。
君が10分で準備を終わらせ2人とも自転車に跨り、漕ぎ出す。
一山超えたところにある高校。
季節によって見れる花や草などが1番好き
だって、何年も又見れるから。
代わり映えのない同じ景色。
でも、そんな草木が羨ましいぐらいに輝いて見えるのはどうしてだろうか。
自然体に振舞って、取り繕うこと無く自分の綺麗さを知っているからだろうか。
醜い私とは違って、朝露でさらに輝きをました草木は妬ましいぐらいに憎く、同時に羨ましいと思った。
きっと他の人が見ると、綺麗とか草木を褒める言葉が出てくる筈が捻くれ者の私には眩しくて仕方がない。
自分に正直に生きている人は羨ましい。
なんて事を考えてたらもう学校は目の前。
親友の後ろ姿を見つけると、君を置いて全速力でペダルを漕いだ。
「 おはよー。 」
声を掛けるとニマニマしながらこっちを見る親友。
「 え、待って、進展でもした? 」
朝一番に口を開いたのがそれかよ。
とか思いつつ、親友に負けじと言い返す。
「 違うから、あんなやつ好きになんかならないし、 絶対に 」
必死ですなぁ~笑
なんて茶化されながら駐輪場を出ていった私たち。
会話の内容なんか聞かれている事も知らずにべらべらと喋り続けていた。
「 マジかよ . . . 」
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