※学パロ
※キャラクター崩壊、捏造、解釈不一致
※syp×ci
俺とチーノが出会ったのは、中学1年の時。
中学校生活はできるだけ高い立ち位置でいるために、絡む人も1番良さそうな人を選んだ。
チーノは現在陰キャグループ3人組の1人だが、大人数が苦手というだけでコミュ力はあり、学年内で顔はそこそこ広い。
それは中学の時も同じで、チーノはそこそこ顔の知れた有名人だった。
「初めまして」
そう声をかけた時から、確信していた。多分俺は、一生チーノに依存する。
俺が課題をめんどくさがっても答えを写させてくれるし、授業は代わりに聞いてくれる。チーノに聞けば何でも分かるし、テストも良い点数をとれる。学校を休むなんてこともないからペア作りでも困らないし、チーノ経由でコネも広がる。
最高の友達だった。
いや、“便利屋”に近いのかもしれない。
別に“好き”という感情も、何もない。友達と思えていたかも不確かだし、恋愛として見ていたなんて言語道断だ。
けどチーノといる時間は楽しかったし、別にそんな関係性なんてものはどうでも良かった。俺の中学校生活は、間違いなく栄えていたと思う。
そんな中学校生活最後の、放課後。
正確には、卒業式の後なのか。
空き教室にチーノに呼び出される。
勿論高校は同じにしたし、別れを告げる、なんて目的ではないと分かっていた。もしかしたら縁を切られるんじゃないか、そんな憶測まで立ってしまっていた。
しかし、事態は半転する。
ci「ショッピ、ずっと……好きやった、中1ん時から」
告げられたのは別れでもなんでもなく、好きという2文字。
赤く染まった顔に、時が止まる。
好き?何が?俺が?ずっと前から?恋愛対象として?
俺らは男同士で、現在日本国で同性婚は認められていない。
ジェンダーなんていうけれど、俺には理解し難い考え。
syp「……ごめん」
ci「え」
チーノは錯覚していたのだろうか。そりゃそうだ、3年間ずっと共に居続けて、離れることなんてなかった。そりゃあ、勘違いの1つや2つ、恋愛の1つや2つ、するのかもしれない。
チーノが俺から離れなかったのは好きだったから、俺がチーノから離れなかったのは便利屋として程よく扱っていたから。
天と地、それ以上とも言える格差。
ci「……あ、」
言葉の紡がない俺に何か察したのか、チーノは腑抜けた声を出す。けどその声は全てを察していて、後に小さく響いた嗚咽は結末を知っていた。
ci「……っ、あ、ごめん、」
ポロポロと落ち出た涙に、俺は答えることはできない。
ただ、いつも溌剌と笑っているあの笑顔が絶望に落とされて朽ちる顔を、俺は初めて見た。
いつもは、あんなに笑っているのに。
いつもは、こんな顔しないのに。
いつもは、人前で泣いたりしないのに。
初めて見る、けど。この顔の方がいつもの何千倍も好き。
汚れた顔が、ぐちゃぐちゃになった顔が、あぁ、そうだ、これを望んでたんだ。
syp「俺もさ、チーノのこと好き」
ci「え、っ」
初めて、嘘をついた。
syp「けど……付き合えん、ごめん」
ci「……うん、」
syp「変わりにさ、お願い聞いてくれん?」
ci「……お願い、?」
“これから俺の言うことに、全て従って”
跳ねた白髪は縦に揺れる。良いよ、というようにチーノは微笑を浮かべる。
壊れた歯車が、歪み始めた瞬間だった。
やべぇ下手。
閲覧ありがとうございましたー!