君が居る教室
チャイムが鳴って、教室は空になった。
廊下の声が遠ざかるたびに、ジヨンの心臓の音だけが残る。
🐲「…みんな、帰ったね」
後ろの席から、低く響く声。
ゆっくりと立ち上がったT.O.Pが、ジヨンの肩越しに顔をのぞかせた。
🐲「ヒョン、誰か来たら──」
🔝「来ない」
短く言って、ジヨンの頬に触れる。
その手のひらが温かすぎて、思わず目を閉じてしまった。
🔝「怖い?」
🐲「…ちょっとだけ」
🔝「俺のせい?」
🐲「うん。でも…俺が望んだ」
言い終わる前に、唇が塞がれた。
誰もいない教室で、黒板の前、最後列の席。
ふたりの影だけが、カーテンの隙間から差し込む光に揺れていた。
キスは深く、じれったく、ためらいがちな始まりだった。
けれどT.O.Pは我慢できなかった。
ジヨンの顎を持ち上げ、もっと角度を深くして、舌を絡ませる。
🐲「ん…っ」
🔝「声、出すな」
🐲「でも……」
ふたりの距離は、机と机の隙間よりも近くて、誰も踏み込めない。
ジヨンはシャツの袖を握りしめながら、息を詰めた。
🐲「ねぇ、ヒョン…」
🔝「ん」
🐲「どうして俺に、こんな…」
🔝「わからない。ただ、お前が誰かに触れられるのが、耐えられないだけ」
その言葉は重く、甘く、呪いに近かった。
でもジヨンは、そこに安心してしまう。
🐲「俺も…ヒョンがいなきゃ、生きてる感じしない」
誰にも知られちゃいけないこの関係。
でも、この教室に残るチョークの粉より確かな温度だけが、
ふたりを結びつけていた。
少し共依存混ぜてみました!
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コメント
1件
もう本当に、、ぶいさんの作品が好きです。最高です。 関係ないことを言うと、ぶいさんが上げる作品、、この上なく私好みの作品何です、、 心臓がドキドキする所じゃないです。 もう心臓バックバクですよ。 誰も居ない教室で、、とかもう、、言葉に出来ないぐらい最高です。