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br.sm
左右なし
※ご本人様方とは何の関係もありません
「ねー、スマイル?」
sm「ん?」
名前を呼ぶと、読んでいた本から目を離しこちらに目を向けてくれる彼。
いつもの事だけれど、慣れることはない。
彼の目はアメジストのようにキラキラとした綺麗な紫色の目をしているが、全体的に暗いので今のように目を開けば目に光が入り、普段よりもきらきらとして見えてドキッとしてしまう。
「国語教えてくんない?」
「もうすぐテストじゃん、国語やばくてさー、」
sm「国語ならNakamuのがいいんじゃない?」
「スマイルがいいんだよー!」
“ スマイルがいい ” その言葉を彼に向けるだけで心臓がドキドキと音を鳴らしている。
…好きな彼に正直な気持ちを伝えるのは緊張する。
sm「…そう?」
「ならいいけどさ、分かんなくても文句言うなよ」
「もちろん!」
「早速なんだけどここわかんなくてさ…」
sm「…ん。」
と、彼は僕が想像していたよりも物凄く近い距離へ近づいてきた。
「…ぇっと、近くない、?笑」
sm「そう?」
「で?どこが分かんないの?」
「…こ、ここなんだけど…」
そう言って分からないところに指を指すと、彼は「これは…」と説明をしてくれた。
彼の説明は僕には少し難しいけれど、それでも彼に教えてもらいたかった。
…スマイルとたくさん一緒にいたいもん。
あれから4時間ほど経ち、僕の分からなかった部分はほぼ完璧に答えられる!という所までいった。
「まっっじで助かった!ありがとう!」
sm「うん。テスト頑張ろうね」
と、彼はカバンを持ち帰ろうとしてしまったので咄嗟にブレザーの裾を掴んだ。
sm「…何?」
「ぁ、えっと、どっか寄らない?」
「せっかく教えてくれたしなんか奢るよ!」
sm「…んー、どこ行くの?」
「…!あそこは!?最近できたカフェ!」
「あそこのパスタめっちゃ美味いらしいよ」
sm「じゃあそうしよ」
先に歩き出してしまう彼に追いつくよう、急いで机の上を片付け早歩きで隣に行った。
外へ出ると辺りは真っ暗になっていて、白い息がハッキリと見えるほど寒かった。
僕はマフラーをしているけれど、彼はマフラーをしておらず寒そうに歩いていた。
「マフラーとかないの?」
sm「今日忘れたんだよね」
「じゃあ僕の貸してあげる!」
僕は少し走り彼の前へ立った。
そして、自分が巻いていたマフラーを解き彼の首元に巻き付ける。
sm「いやいいよ」
「Broooockも寒いでしょ」
「いーの!」
抵抗しようとする彼の手を持ち、無理やりポケットへと入れさせる。
「手袋は持ってないからね。ずっと出してたら寒いよ」
sm「…ん」
彼の手はとても冷たくて、少し赤くなっていた。
寒さのせいか、頬や耳も赤い。
「寒い?耳とか顔めっちゃ赤いよ」
sm「ぇ、あ、うん。結構寒い…」
少し慌てている様子で返事をする彼に、少しの期待が出来てしまった。
…僕にマフラーを巻かれて照れてるんじゃないかって…
そう思ったけど…!思ったけど!!
彼がそれで照れるようには見えないし、普通に寒いのだろうと自分に言い聞かせた。
「…ふは笑」
「僕まくのめっちゃ下手くそだ笑」
僕が巻いたマフラーは、少し不格好で縦に長くなってしまい、彼のマスクのようになってしまっていた。
「自分で巻いた方がいいかも」
と、マフラーを一度取ろうとすると彼の手が僕の手を掴んだ。
sm「…いい。このままで」
「寒いし早く行こ」
「…うん。」
彼が “ いい。このままで ” と言った瞬間、顔がぶわっと赤く染ったように見えた。
僕は彼より背が高く、正面で見ているわけではないから顔は少し見える。
「…なんか恥ずかしがってる…?笑」
なんて冗談で言うと、彼は「…うるせ…」と言って歩き出してしまった。
「〜〜っ!まってよー!!」
最後まで見て下さりありがとうございました🙇🏻♀️