突然傘の中に入ってきたのは今日は非番らしい第1部隊隊長。
「半分貸せ」
なんて無愛想なことを言い傘の持ち手を奪い取った鳴海隊長。
「知ってるか?2人で傘に入る時は背が大きい方が待つんだぞ?」
勝手に傘に入るわ、身長を馬鹿にしてくるわ
ピキッと筋が入る。
「はぁ、なんでここにおるんです?ここ立川ですよ」
「デパートに用があってな、雨が降ってきたと思ったら前方に傘さしてるおかっぱが見えた」
「はぁ、もう好きにして下さい」
呆れてそっぽを向く。
「お前はこれからどこに?」
「コンビニです。なくなったプロテインを買いに」
「ボクも行こう」
いつまでついてくるのか。ハァとひとつため息がでる。
「コンビニで傘買って下さいよ」
「わかってる」
本当かよと思う。この人のことだから。
コンビニで買い物が終わり分かれる頃には雨はやんでいた。結局傘は売ってなかったから雲が通り過ぎて本当によかった。
「雨もやんだことだし」
また、と言おうとしたところで鳴海が保科を引っ張り、軽く口付けをした。
「じゃあな、助かったぞ」
鳴海は雨上がりの道を歩いていった。
まるで今日の天気みたいな。 村雨 のような出来事だった。
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