「お前の番だな?」
トアの冷徹な笑みが葵の心に火をつける。
だが、葵は一切動じなかった。
「私にとっては、遊びだ。」
彼女がかすかに歪み、次には数十本の剣のように鋭い幻がトアに向かって放たれた。
だが、トアはそれを一切避けず、弾丸のように飛び出し、幻の刃をかき消すかのように一気に突進する。
「そんなものは、通用しない。」
銃口が葵を狙い、一発、また一発、連続して引き金が引かれた。
だが、葵はその全てを、まるで幻の一部であるかのように、優雅に避け続けていた。
その速さ、正確さは、まるで時間そのものを操るかのようだった。
「ああ、面白い。だが――」
突然、葵の動きが止まった。
その瞬間、トアはにやりと笑った。
「予測通りだ。」
トアの手から放たれた一発の弾丸は、予想外のタイミングで葵の脚を撃ち抜いた。
その瞬間、葵の幻の動きが乱れ、死角が生まれた。
「どうした?」
トアは冷たく言い放った。
葵は片膝をつきながらも、笑みを浮かべたままだった。
「当たり…か。」
葵は膝をついたまま、無数の亡霊を呼び寄せる。
彼女の背後に、百の影が立ち上がった。その目は一切の感情を持たず、ただ命令を待っていた。
「だが、これが私の本番だ。」
葵が呟くと、亡霊たちが一斉に動き出す。
トアはその数に圧倒され、後退するが、その時、彼の目に死角が見える。
葵の双剣が、弾丸を弾きながら、恐ろしい速さで接近していた。
「お前の命を、私の手のひらで踊らせるのは、私だ。」
葵の声が響き、双剣がトアに迫った――
その瞬間、すべてが静寂に包まれた。
気づけば、彼女の刃はトアの首元に届き、まるで時間が止まったかのようだった。
「これが――終わりだ。」
葵の一撃が空気を震わせ、真っ直ぐにトアの首を狙ったその刃が――
ガツッ!!
しかし、突如としてトアの体から奇怪な力が弾け出した。
その力は強烈な風となり、葵の幻影を吹き飛ばす。
トアの目が狂気を帯び、瞳孔が瞬時に広がった。
「お前、やっと覚悟を決めたか?」
葵は冷静に双剣を引き、少しだけ後退した。
そして、トアが次に何をするのか、しばし沈黙の中で考えていた――
「さあ、私はお前を試すぞ、葵。」
トアが両手を広げ、突如として周囲の空間を歪ませ始めた。
その歪みは、まるで世界を引き裂くかのように、彼の力を引き出していた。
葵は息を呑み、全身に力を込めた。
「試すって、ならば……私も、容赦しない。」
彼女の目に宿ったのは、もはや単なる戦闘の意志ではない。
それは、世界を支配しようとする者への、無慈悲な対抗心。
そして、最終的な戦いが、再び火花を散らす。
コメント
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今回も神ってましたぁぁぁ!!! ハラハラする戦いよのぉ、、お主らぁぁ、、、(??) この勝負、、、勝敗がつくかそれともまた別の終わり方か、、気になるわぁぁ!! てか毎回ほんまに思うんやけど書くの上手すぎィ⤴︎((? 次回もめっっっっさ楽しみいいいいぃ!!!!