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登場人物
主人公【海月 優弦】ウミツキ ユズル
友達【暁 志弦】アカツキ シズル
優弦の関係者【星生 璃舞】セイリュウ リム
同性愛に対する、軽蔑等の意図はありません。其れでも、不快に思われた方、申し訳ありません。不快な気分にさせてしまうかも知れません。少しでも不安があれば、見ない事をお勧め致します。
読んでしまって、不快な気分にさせてしまった方、本当に、申し訳ありません。
彼の日、璃舞を拒絶してからと言うもの、パッタリと、何の干渉も無くなった。
と、思っていた。
「何で……。」
(璃舞)「久しぶり、優弦。」
「彼の時言った通り、編入学試験、受かったよ!」
暫く、俺の前に顔を出さなかったのは、試験の為の、勉強をしていたからだった様だ。
(志弦)「璃舞さん!試験受かったんスね!おめでとう御座います!」
(璃舞)「志弦君。ありがとう。」
俺が、璃舞に向かって、大嫌いだと言った彼の日、彼の時の、璃舞の顔が、ずっと、何処かに引っ掛かった儘だった自分が、馬鹿らしく思えた。
いっその事、大学に行かない様にすれば良いんじゃ無いか、とも考えたが、そんな簡単な事じゃ無い。強制退学はまだ無いだろうが、単位が足りずに、留年するかも知れないのだ。其れだけは避けたい。ズルズルと留年を繰り返していれば、いずれは、強制退学になってしまうし、俺が留年して、璃舞も留年すると言うのが、最悪のケースだ。折角、璃舞と離れる為に、地元から、遠く離れた都会の大学に入学したと言うのに、何の意味も無かった様だ。
…いや、意味が無いって事は、無いと思うけどさ…。
俺は、璃舞と交際関係に有る事が、前の高校で広まり、虐められはしなかったが、これまで仲が良かった人も、普通に接してくれていた人も、俺に対しても、璃舞に対しても、軽蔑の視線を向ける様になってしまった。やっぱり、異性同士では無い恋愛は、変に捉えられてしまうのだと分かった。此の時、俺は、高校二年生だった。受け入れてくれない人が居るのは分かっていたつもりだった。其れでも、此処までだとは思っていなかった。あと少し、卒業迄、耐えれば良いだけだと自分に言い聞かせ、俺は、高校を卒業して直ぐに、地元から遠く離れた今の大学に入学した。俺の地元は、田舎の方だった。だからなのか、同じ高校に通っている人で、誰一人、今の大学を目指している人はいなかった。
でも、此処でまた噂が広がったら、おんなじ事の繰り返しじゃん…。
だから、大学内は勿論、大学の近くで、璃舞と関わるのも、なるべく避けたかったと言うのに…。璃舞は、やたらと距離が近い。此れでは、誤解されるのも時間の問題だ。普段、俺に対して、興味を持つ人なんか居ない。寧ろ、同じ大学に、俺が居ると言うことすら、知らない人ばかりだろう。だが、途中で入って来た人に興味を持つ人は、沢山居る筈だ。其れに、璃舞は、かなり容姿が整っていると思う。要するに、俺が、璃舞と此の儘関わっていると、非常に不味いのだ。もしかしたら、俺の事を、空気として扱ってくれるかも知れない。そうなれば、大変有り難いが、そんな保証は何処にも無い。関わらないに、越した事は無い。考え過ぎかも知れないが、考え過ぎなくらいが、きっと丁度良い。
「はぁぁ”あ”……。」
(志弦)「優弦、最近どんどんやつれて来てるけど、本当に大丈夫か?」
「あ、うん…。あからさまに溜め息ついてごめんな。ほんとに大丈夫だよ。」
「心配してくれてありがと。」
自分でも気付かぬうちに、溜息ばかりを吐いてしまっていた。志弦は悪く無いと言うのに、志弦に対して、感じ悪くするのは可怪しな話だ。
少し一人になろう…。
そう思い、何時もは、志弦と一緒に過ごしている昼食時間だったが、志弦には断りを入れて、少し落ち着く為に、一人で過ごす事にした。
「此処なら、璃舞にもバレないだろ…。」
設置ミスなのか、めちゃめちゃ分かりにくい位置に設置されているベンチは、俺の、お気に入りスポットだ。もしかしたら、本当に、自分だけしか知らないのかも知れないと言う、特別感が有る。
久しぶりの、一人での昼食は、懐かしくて落ち着く様な気もするが、少し、寂しい様な気もする。
少し寂しいくらいが、落ち着くには丁度良い。