『ロシアさん!これっ…絶対休んだ方が良いですって!』
珍しく声を張り上げる男が俺の名前を呼ぶ。
『…あのな、今日中なんだよ、今日中に仕上げねぇと上の連中が煩いからするんだよ』
『心配するな』
と加えて言えば、 日本は
『心配しますよ!』
と即答した。
まあ日本の言いたい気持ちは分からなくもない。
俺はデスクに散らばる書類に目をやる。
そこには山のように大量の書類の束が連なっていた。
『私があとはやっておきます、ロシアさん寝れていないですよね?寝てください』
『そう言うお前は何徹夜目だ?』
『多分4徹夜…目ですかね』
『はいお前の方が寝てくださいー』
俺がそう言うと、日本は大丈夫だと返して来た。
俺は溜息を吐く。
どこまで仕事一筋なのか。
それと共に社畜には敵わないなと思ってしまった。
『大丈夫だ、お前には自分のやる事があるだろ?そっちを優先的に進めろ』
『でも…』
日本はまだ納得のいかない顔を浮かべる。
俺はそんな日本の腕をグイッと引き、キスをした。
『…え、なっ…え⁈』
日本は突然の事に頭が追い付いていないのか、顔を赤く染め、俺を見つめる。
『ふっ…また同じ事言ったらもう一度してやるからな』
俺がそう言うと
『…意地悪な事言わないでください』
と、フィッとそっぽを向いてしまった。
『はっ…』
その赤く染めた顔を隠し切れていない様子が、俺にはとても可愛らしく見えた。
end