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※軍パロのようなそうじゃないような世界観
※knさん嫌われ
※ご本人様とは無関係
kr「なんでお前がいんの?」
朝、食堂でご飯を食べているとそれは聞こえた。
「……やんさん?」
その冷たい声の主、黄色の彼の方を驚いて振り向く。
「どうしたの?」
kr「あぁ、ぶるーくじゃないよw」
そう優しく笑われたけど
次の瞬間にはその温かみのある黄色という色は冷え切っていて、思わず息を呑んだ。
その刺さるような目線を追いかけると、肩を縮め怯えたきんときの姿があった。
kn「ぇ、っと…ご、ごめ」
kr「なんでって聞いてんだけど?」
kn「…っ、……」
普段みんなに優しい世話焼きなきりやんの姿はそこには無い。
イライラを包み隠さずきんときに強く当たる彼は、最近はよく見る気がする。
kr「おい、なんか喋れよ」
kn「っ……!」
きりやんを止めたい、けど。
sm「おはよ…え、きんときいんじゃん」
sha「うわ、本当だ。なんで?」
(……食堂に来て第一声がそれなんだ)
明らかに嫌そうな顔をしたスマイルとシャークんは、きんときから1番遠い席に座った。
きんときを見る目が嫌悪に満ちているのが遠目で見てもわかった。
kn「……?」
きりやんと向かい合ったまま動けなくなっているきんときが、ちら、とこちらを見た。
kn「っあ……」
けれどその海はすぐに黒髪に隠れてしまった。
ほんの一瞬見えた青い瞳は、諦めと絶望を写していて濁り切っていた。
それは”助けようとしない”僕への怒りか、悲しみか。僕はわからない。
だって僕はきんときを助けようとしなかったんだから。
nk「みんなおはよー!」
朝から機嫌がいいなかむの声が響く。
みんながそれに答えていくのに、なかむは同じく明るく答えていく。
nk「ぶるーくもおはよう!今日は早いね?」
「…まぁね」
nk「きりやんおはよ!いい匂いするわ〜」
kr「だろ?さ、揃ったし飯食おうぜ」
まるできんときが見えないように振る舞うなかむ。
なかむが向こうにいる2人の方へ向かうと同時に、きんときに興味をなくしたきりやんが同じく向かった。
それを見て少しだけほっとした表情の目の前の彼に、少しだけ迷った後、1歩近づいて小声で言った。
「きんとき、……ご飯?」
kn「……」
「……あとで持っていくよ」
kn「……」フルフル
弱々しく首を振った彼は、静かに食堂を出て行く。
昔はあんなに頼りになったその背中がひどく小さく見えて、震える手が掴まないと消えてしまう気がして。
「きんさ……」
思わず手を伸ばして、きんときの片手を掴んだ。
「っ!!」
(あ……)
僕の手は振り払われた。
するりと抜けた手が、行き場所を探すように彼の胸の前で止まった。
kn「っぅ……あ、ごめ、なさ……っ」
そんなに酷い顔をしていたのか、僕を見てさらに怯えてしまったきんときは、はく、と何かを言おうとしたけど。その口から音は出なかった。
僕は、駆け足で行ってしまった彼のことをただ見ることしかできなかった。
nk「ぶるーく?早く来てー?」
「う、うん…」
なかむは「全員揃ったね」と確認するけど。
ここで、きんときは?なんて言えたらどれだけ良かったんだか。
そんなに簡単な問題だったなら、こんなことにならずに済んだのだろうか。
その後のご飯はあまり味がしなかった。