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「みんな〜!放課後さここのカフェ行かない!?新しく出来たんだって〜!!」
と今日もイツメンの中でも一番遊びに提案する優梨花が今日も誘ってきた。
でも私は今日、放課後に図書委員の仕事。図書室
の掃除が残っている。
「ごめん!放課後、図書委員の仕事あるんだよね…」
断るとその日に話した内容や出来事に、ついていけなくなりそうだから怖くて大体は断らないけど今日は仕方ない。
「そっか〜…じゃあ終わったらLINEして!」
と結香が言うと
「うんうん!終わった後で良いからカフェ来てー!」と杏菜が言う。
だから私は
「おけ!なら終わったらLINEするね!」
と返した。
そして皆と別れた後、図書室に足を向かわせる。
図書室は相変わらず静かだ。この学校は偏差値が低く、名前を書けば入学出来る。偏差値が低いってことは、この学校の生徒は勉強なんて大嫌い。
だから皆、勉強=本なんて大嫌いだと思う。図書室に足を向けてる生徒なんて、勉強は好きだけど受験に落ちてしまった真面目な人の一部だけ。
別に私も本が好きな訳では無いけど、静かだし図書委員希望者が居なかったのでとりあえず手を挙げた。
図書室のドアのぶを手にかけ、開けようとすると『ギィィィ』と音をたてて開く。この学校は古すぎてあちこちがさびている。当たり前か、ここの生徒は清掃の時間も話してサボっているのだから綺麗になる訳もない。
そんな事は置いといて、本を一冊一冊丁寧にバーコード確認と、配置場所が合っているか確認を始める。まあ使用者なんて居ないからいつも問題なしに終わるけれど……
そんな事を考えながら手際よくスムーズに確認をしていると、
『ギィィィ』
と後ろでドアの開ける音が聞こえた。振り返ると【黒川イザナ】くんが居た。
そう、【黒川イザナ】くんは図書委員会だ。
彼も別に本には興味がないらしいけれど、必ず何処かの委員会に入らないと行けなくて、とりあえず余った委員会に入れられたらしい。
本当はなるべく関わりたくは無いけれど機嫌を悪くさせてしまったらいけないと思い挨拶だけする。
「黒川くん、お疲れさま!」
と挨拶する。すると
黒川くんに顔を顰め(ヒソメ)られた。
この発言は黒川くんを不快にさせてしまったのだろうか。やっぱり黒川くんは怖い。なるべく関わりたくはない。
とりあえず突っ込まず作業に戻る。
無言のままお互いに何事もなく作業に取り組んでいると、上の棚の方に違う種類の本が混じっていた。少し届きにくい高さだったが背伸びをすれば届く。背伸びをして本を手に取った瞬間、バランスが不安定で、取った本以外も取ってしまい、手に取った本の他に数冊、床に落としてしまった。『ボン』と静かな教室に音が響いた。
しまった油断しちゃった…と思いながら一冊の本を抱えたまま床に落ちた数冊を戻そう本に手を差し伸べようとすると、
「はい。」
と黒川くんが本を手に取り元の場所に戻してくれた。
「あ、ありがとう!」
と私が声をあげると、黒川くんにまた顔を顰められてしまった。また不快にさせてしまったと思い、
「黒川くんご、ごめんね、」
と応えると
「お前さなんで悪いことして無いのに謝る? 」
「え……」
「なんで俺が何かすると謝る?この前もそうだったよな。ごめんなさいが口癖なわけ?」
飲み込んだ生唾が喉に刺さるような痛みを残す。
別に深い気持ちで謝った訳ではなく、気を悪くさせたかと思い謝っただけだ。
そんな事思いながらも何か返さないと行けないと思い
「次から気おつけるね」
そう答えた。すると何事も無かったように作業に黒川くんは戻ってしまった。