ぶる「それでさ〜笑」
いつも通りのなんの意味もない会話
日常会話
恐らくバレていない、
安心すると落ち着いてきた
もしかすると今なら言えるかもしれない…
そう思ったその時
ぶる「きんとき」
いつもより少し低く、今まで話していたぶるーくだとは思えないほどの落ち着き
っ、やっぱり…バレてたのかな…
ぶる「…僕さ、今まで付き合って来た人に同じ理由で振られるんだ」
「”他に好きな人が出来た”って言われて」
っ、言わなきゃ、ぶるっくが言う前に自分から言わなきゃ、
なのに、声が出ない…
きん「…ぁ…」
俺の小さな声は聞こえなかったんだろう…
ぶるっくは構わず続けた
ぶる「みんなに聞いたんだ。誰を好きになったのか」
…バレてる…
ぶる「そしたらみんな”きんとき”って言うんだよね」
きん「っ…」
ぶる「…関わりなんてあったの?」
なんて言えばいい…?
ちゃんと言わなきゃ、ちゃんと…
俺がしてきたことと、その理由。
分かってる、分かってるのに声が出ない
話せない
涙が止まらない
俺は無言のまま涙だけを流していた
ぶる「…話してくれなきゃ分かんないよ」
そう…だよね…
当たり前だ
話したい…けど正直いうともっと嫌われるかもしれない…
いや…どっちでも一緒なのかな…
ぶる「…きんときが別れさせていると知ったのは高校三年生の時」
きん「…ぇ…?」
今は大学2年生
元カノたちに聞くって言っていたのは先週の事だ
高校三年生…
時系列が合わない…
ずっと前から知っていたってこと…?
なんで言わなかった…?
泳がされてた…?
俺が自分から言うために…
きん「ぁ…その…」
「ご、ごめんなさい…」
ぶる「…何に対して謝ってるの?」
きん「っ…」
冷たい声
俺の大好きないつものぶるっくじゃない…
きん「…別れ…させて…」
ぶるっくは何も言わない
俺はぶるっくの方を見れなかった
軽蔑されただろうか
そうだよね
当たり前だ
仲いい友達に別れさせられていたと知れば気持ち悪く、うざいと思われるだろう
ぶる「なんで別れさせてたの?」
この質問…やっぱ来るよな…
言っていいのかな…
これ以上気持ち悪がられたくない…
でも伝えないと理由がないままになる…
伝えなきゃ…ちゃんと…
俺は泣きながら精一杯話した
きん「ぶるっくの事が好きで…高校一年生の時から…」
「誰かの…ものになって欲しくなくて…」
俺は下を向いて話していた
泣いているところを見られないよう、ぶるっくの顔を見ないよう…
泣いているのはおそらく鼻のすすり音や、震えた声、スボンが濡れているのでわかるだろう。
それでも顔は見られたくなかった
こんな醜い汚い顔…
ぶる「…僕もきんときの事好きだよ」
きん「…ぇ?…」
好き…?どういうこと…?
ぶるっくが俺を…?
…いやそんなはずない…
だって、なんなら5人の中では1番好かれていないだろう…
友達としてって事…かな…
俺は恋愛としてなのに…
きん「っ…俺は…!」
「俺は…恋愛的な意味でお前が好きなんだよ…」
精一杯振り絞った声で伝えた
ぶる「…僕も、恋愛的な意味ですきだよ」
…?
意味が分からなかった
何故こんなにも醜く、酷いことをした俺を好きでいてくれているのか
ぶる「僕ね、ずっときんさんの事が好きで、でも嫌われたくなくて、この気持ちを断ち切ろうと思って人と付き合い始めたんだ」
ほんとに…?
ぶる「振られた時は苦しかった。すごく。」
「でも、別れさせていたのがきんときだと知った時僕はすごく嬉しかった」
「それほどまでに好かれているだなって…」
きん「気持ち悪く…ないの…?」
「怒らないの…?嫌わないの…?軽蔑しないの…?」
ぶる「そんな事思うわけないでしょ。僕はきんさんしか見てないしきんさんのことが大好きなんだから」
そういいぶるっくは俺の頭を撫でる
きん「っ…ごめん、ごめん、、!」
泣きながら沢山謝った
その間ぶるっくは
ぶる「うん…うん…」
と、優しく言ってくれていた
──────
ぶる「落ち着いた…?」
きん「…うん」
もう涙は出ない
それほどまでに泣き続けた
声もがらがら
ぶる「きんさん…こっち向いて…?」
甘い、俺の大好きなぶるっくの声
でも、向けない
きっと、今の俺はすごく醜い顔をしている
ずっと泣き続けていたんだ。見られたくない。
ぶる「…きんさん…こっち向いて欲しい…」
俺は何を言われても向かなかった
すると、痺れを切らしたのか無理やり俺をぶるっくの方へ向かせた
きん「っ、!?」
ぶる「…笑」
「耳も顔も目も鼻も、全部真っ赤だね」
笑いながら、優しい甘い声でそう言った
ぶる「…僕と付き合ってくれますか…?」
きん「…っ、!はい…! 」
こうして俺の長く醜い片思い…両片思いは
両想いへと変わった
最後まで読んで頂きありがとうございました🙇🏻♀️❤︎
コメント
2件
めっちゃよかったですー!! 見れてよかったっす😌💗