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『ぬいぐるみ』
小学生の優太は、古いぬいぐるみが大好きだった。
ボロボロになっていたが、母が「これはあなたが生まれたときからあるのよ」と言っていたので、大事にしていた。
ある日、友達の家に泊まりに行くことになり、ぬいぐるみも一緒に連れて行った。
夜、布団に入った優太は、隣にぬいぐるみを置いて眠りについた。
深夜、ふと目が覚める。暗闇の中、ぬいぐるみの顔がこちらを見ていた。
なんだか少し位置が変わっている気がしたけど、気のせいだと思ってまた目を閉じた。
次の朝。友達のお母さんが声を震わせながら言った。
「…ごめんなさいね。実は昨夜、誰かがこの家に入ってきてたみたいなの。窓が少しだけ、開いていたのよ…」
ぬいぐるみは、微笑んでいた。