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あの日だった
「なにソレきれーだね、お花?」
突然後ろから実験着の様な服を着た男性に声をかけられ、変な声が出てしまう
『へっ、ありがとう…ございます』
きっかけは造花を褒められたことだった
私は造花が趣味としてとても好きで
植物園に行ってはほぼ毎日造花を楽しんでいた
初めて褒められたからどうすればいいのか分からず
『いっ…いい一緒に作ってみますか?!』
…言ってしまった
その人は一瞬驚いたような顔をしたが
「今オレ機嫌いいから、付き合ったげる」
すぐ笑顔を取り戻し、そう言ってくれた
その人は私のことをからかわなかった
言葉に詰まったのに、そんな事は全く気にしてない様子だった
彼はそう言った後、私の隣に座って、髪の黒い部分を耳に掛けた
なんでそんな格好をしているのかと聞くと、授業を抜け出してきたらしい
その実験着はとても汚れていて。カラフルな絵の具のようなものが沢山付いていた
その割にはとても余裕があった
”なにこれぇ、本物じゃねーんだ…”と花をつんつんする、半分興味を持ってくれた気がした
とても嬉しかった
その時だった
初めて好きになったのは
双子の片割れでした