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「今日が嫌いだから明日なんてとても好きになれない」ずっと、思っていたことを口にしながら橋の上で魚が泳いでいるのを見ていた、「なぁんて魚に言ってみても今日も明日も変わらないのに、なんて」会社の同僚に悪口を言われていることは告げ口されたから知っている、病院の患者が私に暴言をかけてくるのは変わらないだろう、「もう逃げ出したいな」私の弱みが心に完全に入り込んだ時、「そこの貴方、やめたほうがいいですよ」
ス―ツ姿(執事服に似ている)の女が語りかけてきた。ここは滅多に人が来ないのに、来るとしても通りすがるだけのはず、「何のことですか」
「自殺のことですよ」「………………」
笑顔でにこやかに黙ってしまった
「命はとても大事です、あなたは綺麗で健康なんだから十分価値になるでしょうに」
なんでお前に言われないといけないんだと思った。「貴方は自分が綺麗で健康で価値があると思っているんですね」「当然だよ、死ぬ事で本来あるべき感情や命がないんだ、価値がない」「価値を感じられないから自分の死ぬ姿を考えてしまうんです」「価値はあると思いますよ私は」「なんで私にそんなこと」「言ったじゃないですか、命は大事、貴方は価値があるって、私が居る会社で働いてみないですか?大切な感情を動かせてみせます」怠惰に嘆いている自分を変えられる気がしてここで頷いてしまった。職場に不満があったのかもしれない。「なんで私が自殺しようとしていると分かったの?」「それは、ロ―プ社の最新技術で、もうすぐ死ぬ、価値のある人を発見して助けると言う意義が私達にあるから!」「それは私以外じゃ駄目なの?」「駄目だよ、君は君でしか変わりが利かないんだから」「ところで自殺しかけていたけど君はこれまでどんな役割だったの?」「いろんな仕事、私は病院で働いていて患者の世話をしたり、同僚と一緒に仕事したり、死体を提供したりしていたんだ」「死体を?」「私は珍しく能力持ちで、無から人間の死体を新しく作れるんだ」「手術の実験台とかに利用できそうな能力だね、だから病院で働いていたのか」「私のいる会社はロ―プ社といって死について扱う仕事なんだ、だから君の能力にピッタリだよ」「どこがピッタリなんですか」「後で分かるよ」「ちなみにロ―プ社の由来は命を助けるロ―プと命を奪うロ―プどっちもあるよねということ。」
車に乗りながら会話をこなした後。
ロ―プ社にやってきた。「もう採用は決まってるから、仕事内容だけ。」「秘書をしてもらうことになっている」「なんの秘書ですか?」
「その前に伝えなきゃいけない事がある、私がロ―プ社の社長だ」「………」「私の秘書として働いてくれ」「どうして貴方がロ―プ社の社長なんですか」執事服っぽいス―ツを着て微笑む女が何を考えているか分からなかった。
どうしてロ―プ社の社長になったのか、
私は生まれてからずっと戦いの日々だった
だって戦うために生み出されたから、
普通は不幸と言われる事だろうが、別に珍しい
訳ではなく、所謂戦争の道具と言われる人達と一緒に戦いの内容を知らされず戦い、生きて帰ったら、身体を休ませてまた同じ事をやる。
それが日常で、変わりがなかった、ただ一つ違ったのは自分がみんなとは違ったということだった。「素晴らしい、彼女は天才だ、周りの人物と比べる事すらおこがましい、努力や道具では決して追いつけない力」「上の物に知らせるべきだ、金を注ぎ込む程、結果が出ると」
私は、ただ言われた通りにしただけ、それだけでどんどん強くなれた、戦場では味方の動く人形を守りながら、相手する動く人形をなるべく多く破壊すればいいだけ、銃撃しながら近づいてナイフで切る、その繰り返しだけだった。
ある日、戦場に集められて、いつも通りに、動き回りながら銃撃し練習した通りに相手の動き回る人形の胸や急所にあてて、真っ赤な血を飛び散らせた、そのまま、相手の人数はこっちの人数よりも減っていく、その後、殲滅命令が出されて
私も出撃した、相手は、いつもより必死で戦っている、「この死神が!」最近よく聞くセリフだ、死神も、こんなふうに仕事しているのだろう、ナイフを振り下ろし、別の敵まで走り寄る。
少人数でもう仲間もいないのに立ち向かって来た
、「ウォォォォォォ」すれ違うように3回ナイフで深く切り倒し、倒れたが、まだ生きていたんだ(相当、人体強化したか努力して強くなったのか)、それで私は何を思ったのかこう言った「情報を吐け」普段なら話は聞かずとどめを刺していたのに、頑丈だから優秀な人間だと思ったのかもしれない「何も知らされてねえよ」「お前、仲間が言ってた死神だろ、女でガキだったなんてな」
「お前は死神じゃねえ、俺もお前も変わらない、俺が戦いたかったのは、お前みたいな道具じゃなくてもっと悪…」「………………」彼は体が震えたあと人形のようにカクカクとしながら崩れ落ちる、私は呆然とその光景を見ていた、同じ立場の人間が自分を認識して共感するような事を言ったのが効いたのかもしれない、やっと人形ではなく人間だと気付いた。その後、情報が入ってきた、敵は逃げ出し、必死に戦っていた敵は、その時間稼ぎに使われていたのだと、本当にそうだったのか?あいつらは仲間の為に戦い続けていたように見えた、それで私は死人から感情を学んだ。科学者に呼ばれた、「死神、敵を取り逃がしたようだな、次は気をつけろ」「私達の命もかかっているのだからな」そんな言葉も心に響かず、死んだ男の事をずっと考えていた。感情を学んでも日常的にやる事は変わらない、でも向かってくるやつの感情を観察する事は増えた、私の目は良いから姿形がよく見える、勇気を出して向かってくる者や覚悟を決めたものをナイフで切り刻む、
ある日、既視感がある敵が現れた。
「死ィ神ィィィィィ」「お前達に復讐にやってきた、我が名はメルナイトキュバ―ン、殺された恋人の仇うちに参った」鎧を着た黄色髪のポニ―テ―ルの女だった。
「なんで自分の命を粗末にするんだ、あいつが伝えたかった事はこれじゃないだろ」
わざと急所と角度を外して銃撃しながら、近づく、鎧を掴むと180°を描くように地面に何度も叩きつけ続ける、鎧が弾け飛び、鎧とぶつかり続けて軽く破けた皮膚と白い服が鎧の中でかき混ぜられた急所を外した銃撃の傷の血で赤色に染まった。地面に背中を向けて、叩きつけられ、顔が横を向き、目には光がなく、足がピクピクしている、最期にナイフを振り下ろして、動かなくなった、とある日の早朝、武器の手入れをしていると、いかにもカリスマがありそうな男が、「ご勤めご苦労様でした、ゆっくり休んで下さい」って言ってきたんだ、私はしばらくフリーズしていた、意味は理解しているのに理解出来ない、血を削ぎ落としていたナイフを持ったまま、固まって放心していた。男は理解した様子で、お辛かったでしょうと頷いていた、「貴方は英雄です、深く残る結果を残した、貴方に命を助けられた人は数しれない、みんな貴方を讃えています」「英雄なんてものじゃない、私は最低のクズだ」「貴方みたいな人は幸せにならなくてはいけないのです、貴方が不幸なら私も不幸な目に遭わないと釣り合いが取れなくなってしまう」「僕に名誉を取り返させてくれませんか」これで私の人生は保証され大量の金と、大大大会社をくれるらしい、場所をもらう実感がわかなくて、戦争の研修ビデオを画面越しに見ている錯覚に落ちいった、いざ戦いを離れてみたらそこは別世界だった、命をかけているわけでもないし、感情が溢れているわけでもないけどこれを守りたくて、敵は戦っていて、命の重さを、感情の重みを、教えてやれたら。「私がやった事への報酬がこれらしい」「随分と大きな報酬ですね、いいですよ秘書の仕事うけます、嫌いな今日を抜け出せて、自分の価値を認めさせてくれるって言うんですから」「ありがとうございます、今、私めちゃくちゃにワクワクしてます」「そんな褒めないでいいよ、私最低な人間だから」「ええっ最期の晩餐サ―ビス値上げか―」「食品会社もキリキリらしいですね」「ここは切り捨てて安楽死サ―ビスに力入れていくか―」「賛成です」「死なないでくれよ」
「さあどうだか」「死ぬまでにやりたいことリスト支援どうだった?」「まぁまぁで誤差の範疇ですね」「ソウバトウと懺悔セットの売り上げは?」「ソウバトウのほうが懺悔セットより2.3倍売れてます」「え―正直懺悔セットのほうが気合入れて作ったのに」「お土産で売れてるみたいですね」「なんで〜ですねってつけるの?」「秘書の役割を遂行しようとしてるんですよ😡」「ごめんね」「簡易葬儀は?」「めちゃくちゃ売れてます」「死者の供養もかたなしだな」
「なんだその目つきは誰が飯食わせてやってると思っている」ビンタを食らった、思ったより痛くない「次は気分を損ねるなよ寄生虫」「ちょっと出かけてくれる?」「分かった」2分後
ダンダンダン、ガチャ「早く出て行きなさいよ、邪魔な置物の癖に、言われないと分かんない訳!」「…………」叩かれる前に、さっさと出ていこう「お前さあ引っ越して、キモい顔アタシの前に向けるなよ、見るだけでクソキモいんだから」
両方の腕と足を一人ずつ掴まれ押さえつけられる、「顔はキモいのにスタイルで媚び売ってポイント稼ぎだもんな」下半身を力強く蹴られる。もうさっさと終わって欲しい「なんでお前が俺より頭がいいんだ、あのクズババアの血をひいた悪魔だっていうのに」「離してお兄ちゃん」「俺は人生負け組だってのに」首を絞める力が強くなり、意識が遠くなっていく、その刹那、体から力が沸き立ち波の様に放出する感覚、目を覚ますと、お兄ちゃんの死体が、目の前にあった、「………」私がやったの?、階段を降りていくと
今度はお父さんとお母さんの死体が、現実感が無くなり玄関のドアを開ける、外は日常だった、殺してしまったんだ、頭がサッと冷えていく
どうして、どうしようと悩んでいる間に警備員が家にやってきた、連れていかれる、「つまり君が能力で家にいる人みんな殺したと」
「そうで間違いないです」私は人を殺した責任をとらないといけないんだろう。
「それで?他にはないの?」「えっ」他?
「君子供でしょう」「決めるのは大人なんだ」「他にも殺しただろ」「君が学校で交流のある5人が突然死している、心当たりはあるね」
「わかりません」なにか胸騒ぎしている
「君の証言はもう当てにならないな」
「すみません、すみません」何か恐ろしいことが起きてしまっている「言葉なんか当てにならないんだよ、反省してるかは私が決めるんだからな」警備員さんは無線で話すと私に言った「どうぞ、君にお客様だ」「あのちょっとお話伺いたくて来たんですけど」「はい」「家族が死んだことについてなにかコメントは?」「私が全部悪かったです」「学校の子供達の死亡事件についてコメントを」「家族の親族に対してはどう思っていますか?」「遺族に対する謝罪の言葉はありますか」分からないんだ私には受けきれない、けど受け止めないと「罪について全部認めます、だから早く重罪にかけて下さい」「どうか、終わらせて欲しい」、事件が舞い込んできた「どうやら9人が殺害されたらしいですよ」「ロ―プ社としては見過ごせない事件だな……」「内容を見て見ると、とある少女が関わったことがある人が死んでいるらしいです、しかも同時に」「なにかがトリガ―となって事件になったんだろうな」「この能力、戦争で使えば莫大な効果を発揮するね」
何か価値のある、命が消えていく予感がする
「ああ、武力的脅威になるだろうな、少女の面会に行ってみよう」「警備員に解放しろと伝えてくれ」「分かりました」少女の面会にやってきた、するとマスコミが沢山いて、土下座している少女をパシャパシャ撮っている、「ごめんなさい」「許してください」と謝りつづけている、だから「面会の時間なので時間切れ」といって面会室まで少女を連れてきた。「すみません」「すみません」、「………………」謝る少女に私は何も言えなかった、そもそも子供と対面するのが初めてで、なにを話ししたらいいか、分からなかった。
(これどうしよう)「ごめんなさい」「ごめんなさい」少女は壊れてしまったのか、うわ言の様に謝罪を言っていた、「なにをしているの」
ずっと黙っていると秘書が口を挟んできた
「あなたは悪くないよ」「よく頑張った」
「受け止めなくていいんだよ」「お姉さん、でも」「大丈夫、お姉さんが全部解決してあげるから、見たこと全部話してみて」「分かった」
少女は怯えながら、見たこと全部話してくれた、
この子は命をかけていた、僕に似ているかもしれない「あなたは自分を責めすぎているから自分を許してもいいんだよ」「でもやった事は責任取らないと」「よし」、記者が面会にやってくる「こんにちは」そこで現れたのは謝る少女の姿ではなく、椅子にもたれかかれ頭から血を流して死んでいる少女の死体だった「やった」「最高だ」「これは特ダネだ!」パシャリ、パシャリ、写真を撮る、「見栄えするなぁ」「素晴らしい」「ベストショット」それぞれ興奮する記者達、
「おい、離れろ」気持ち悪いゴミだ「命をかけてない、責任も持ってない、少女の感情をもて遊んだ、そんなクズが、人の死を語るな」
大声を張り上げたら、記者達は逃げ出した、
「あんなに可哀想な死体に作り上げたのに、楽しんだり、笑ったりするなんて」「人間のクズが」隣の部屋に座っている少女に気合を入れて言った
「あのさぁ!」「はい!」「苦しんで受け止めて責任に潰れて、命を終えるより、私がいる会社で働きませんか」「はい、もちろん」「もうロ―プ社で死亡の手続きは終了したので、新しい人生を歩もうな」「ありがとうお姉さま」なんだか晴れ晴れとした表情をしている、少女も本当は責任から逃げたかったんじゃないだろうか。「仕事内容は能力を使っての警備員、社長直属のね、どう?」「オッケーです」「本当にありがとうございます、私を助けてくれて」そう言って、照れ隠しなのかドアを開けて出ていった「泣いてないといいですけどね」「笑ってればいいな」「あの、社長」「なに?」「役に立って、あの子の笑顔を見てたら生きていいんだなって思えました」
「あの子の後悔を取り除いて純粋な感情を引き出してやりたい」あの子の純粋な好意に惰性で動いていた自分の心も動き出したのだろう、「まず今日の仕事はマスコミ潰しにしよう」「それで決まりですね~」