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⚠️1:本作には、状況をわかりやすくするためイラストが出てきます。
⚠️2:ストーリーの全体像がまだイメージできないので完結しないかもしれません。
「…」
「ひ、ヒィッ、やめ、やめてくれ!」
「…うるさい。黙って死ね。」
「うあ”ぁっ、誰か、助けっ…」
______がしゅっ
「はぁっ、…ふ…」
…こんにちは、日本です。突然ですが、私は今人生最大の危機に見舞われています。なんと、__さんが人を殺したところを偶然目撃してしまったのです。ああ、なんと言うことでしょう…私はただ残業を終わらせて家に帰ろうとしただけなのに。こんなことになるならいっそ、会社で一夜を過ごせばよかった。って、今はそんなこと考えてる場合じゃありません!ここをやり過ごして、すぐに警察と救急車を呼ばないと。そのためにも、今は息を潜めることに徹するのです。それにしても、何かボソボソ言ってますね。よく聞こえませんけど。
「_し…_れで…_んは…_のことを…」
電話?電話のことを?いや絶対違いますね。あ、というかなんか埃が…
「ぅ、はっくしゅっ!」
「…っ!」
あ、やっちゃいました。これやばいですかね。やばいですよね。まだ凶器を手に持ってる殺人鬼に気づかれたんですものね。いささか現実味無い…私が冷静しいだからでしょうか。というか、これ私死んじゃいません?なんか足すくんで動けないんですけど。これガチで終わって__
バァアン!
「へぁっ」
そんな轟音が耳元で爆発して、もうことが起こった後のにも関わらず、思わず目を閉じてしまった。恐らく拳銃で近くの壁が撃たれたのだろう。脳が澄んでいる時の私なら、火事場の馬鹿力なるものでここから脱出できたかもしれない。が、ここらのブラック労働による疲労がたたったのか、あろうことかそのまま気絶するように寝てしまった。
どのくらい時間が経ったのかわからない。目元で何かが動いた様子を感じて、起き上がった。
「ん…ぁ、ふ…よく寝た…………………じゃない!!!」
そうです、私はあろうことか殺人現場で寝てしまったんですよ!でも生きてるってことはあの後すぐ警察が来て保護してくれた感じでしょうか?でも結構修羅場だった気が…。まあ、生きてるならどうだっていいですね!あの怖い時間も快眠のためのアロマのようなものだと思えばいいのです。で、ここはどこなのでしょう。思い直して、あたりを見渡して気づいた。
「誰の部屋でしょう、ここ…?」
私が寝ていたのは、よくある民家の一部屋だった。ご丁寧にベッドに寝かされているが、本当にどこか全くわからない。
「警察署の養護室ってこんな豪華ですっけ。」
現実逃避のようなことを考えて、その時を過ごそうとした。だが、枕の近くに置いてあった時計を見てその思いは飛んでいった。
その呪いのような指針はこう示していたのだ。“10時”と。
「やっ、やばばばっ、わたっ、壮大な遅刻です!!」
なんということでしょうか…!殺人現場から生きて帰れたと思ったら会社に遅刻なんて。部長、どんな顔してるんでしょう。なんか声もガラついてると言うか少し低いですし、もう最悪ですよ!
え、少し低い…?
なんか、そういえば体がいつもより重いです。快眠してスッキリしたはずなのに。なんか肌も変わりました?ストレス量で色って変わるんですっけ。
混乱していると、部屋の隅の方に鏡を見つけた。全身を映すために、部屋の対岸に立って覗きこむ。すると、そこに映っていたのは自分ではなく、____
ドガッ!
「あっ、鏡が!」
急に部屋の扉が開いたことで鏡が吹き飛ばされ、小さく映った“私”も埃に消えていった。
「よう、起きたのか。」
「あ、あなたはっ…え、」
聞こえてきたのは、自分の声だったのだ。きっと聴覚が狂っただけだ、そう思って扉を見ると、自分と顔も、背も、3日前に怪我をした薬指も、全部そっくりな人物が棒立ちしていた。
「はあ、お前一体何をしたんだよ。俺のイケメンフェイスがこんな隈深えガキ顔になっちまった。」
「ちょっ、それは酷いです!と言うかあなたこそ私に何したんですか!仕事にも行けませんよ!」
そうなのだ。彼が私の姿そっくりになった代わりとでもいわんばかりに、
どうか、しがない社畜の夢でありますように。