湊が歩き去る姿を見送りながら、私は心の中で何度も自問自答していた。
(どうして湊はあんなに冷たくなったんだろう……?もしかして…私に興味とかなくなった…?うわっ、そりゃ悲しーよー涙)
まるで心に壁を作ったみたいに、あんな風に言われてしまった。
一方で、悠斗の優しさがどんどん胸に染みていく。なんでだろ?友達として?
「せりな、行こー。」
悠斗がもう一度、静かに私の腕を引いた。
「うん……。」
私たちはしばらく歩き続ける。
その途中で、悠斗が言った。
「せりな、湊のこと……気にしてるの??」
その質問に、私は何も答えられなかった。
正直なところ、湊が気になる。でも、悠斗も……。
「湊は……ちょっと変わったけど、悪い人じゃない。」
「わかってる。」
「でも、気になるのなら、はっきりさせた方がいい。」
悠斗の言葉は、私の心にずしりと響いた。
知ってる。周りの人のせいにして湊から逃げているのは私だ。あー。どうすればいいの?
—その夜—
家に帰ると、私は一人で静かな時間を過ごしていた。
湊のこと、悠斗のこと、そして自分の気持ちがぐるぐると絡み合って、頭の中が整理できない。
私はついに、自分の気持ちに向き合おうと決心した。
(私、湊が好きなのかもしれない……でも、悠斗も優しいし……)
答えが見つからない。
でも、湊があんな風に冷たくした理由も気になるし、悠斗のことも無視できない。
—翌朝—
今日はどうしても、湊に会いたくて、学校に向かう足が自然と早くなる。
学校に着くと、湊はもう教室に入っているようだった。
私が教室に入ると、湊が私に気づくとすぐに顔をそらした。
(やっぱり、冷たい……)
でも、今日は何か言いたかった。
「湊……」
私は勇気を出して、声をかけた。
「……なんだ。」
湊は目を合わせようとせず、淡々と言った。
「昨日、あんな風に言ってごめん。」
「別に謝ることないだろ。」
「でも、あんな冷たくされるのは……やっぱり嫌だ。」
私は胸の中にあった気持ちをぶつけた。
湊は一瞬、驚いたような表情を浮かべたが、それでもすぐに顔を背ける。
「うるせぇな。別にお前に気を使ってるわけじゃねぇ。」
「ほんと??」
私はその一言を、精一杯の勇気で言った。
怖くて聞けなかった。もしかしたら湊にとって私はただの女なのかも?とか思って眠れない夜もあった。
湊はしばらく黙っていて、やがてぽつりとつぶやく。
「……わかんねぇよ、俺。」
「え?」
「お前、どうしたいのか俺にはわかんねぇし。だから、俺もどうしていいかわかんねぇ。」
その言葉に、私は驚いた。
湊がそんな風に不安そうにしているなんて、全然予想していなかったから。
だって…いっつも…いっつも…!!
「湊……」
「だから……もう少しだけ、待ってろ。」
湊は最後にそう言って、席に戻った。
その顔は、以前のように無愛想ではなく、どこか優しさを含んでいるように見えた。
でも、まだ心の中で何かを悩んでいるようにも感じた。
—放課後—
私は教室で、湊と悠斗のことを考えながら過ごしていた。
放課後、悠斗が私を呼び止めた。
「せりな、今日も一緒に帰ろ?」
「うん。」
でも、今度は湊がどうするのかが気になった。
私は思わず、湊を一瞬見た。
すると、湊は何も言わず、私の目を一瞬だけ見返した。
その視線の中に、少しだけ柔らかさを感じて、私は胸の奥がちょっと温かくなった。
—次回!
「せりなの心が揺れ続ける中、湊と悠斗、どちらを選ぶべきか!? そして、二人の関係がついに動き出す!?」
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