「ここが高校、か…!」
俺はシャオロン。本当は天使やけど今は試練で下界に降りてきている
どうやら小さな試練がいくつか渡されるようで俺達に一番最初にきた試練は『友達を作れ』
ま、俺は天使やし友達とか余裕で作れるやろうけど
「シャオロン、お前そんなとこで突っ立っとったら遅刻すんで?」
「え、マジ!?もうそんな時間!?」
俺は急いで腕時計とやらを確認する
下界に降りてきた時の場所はどうやら家だったらしく日常生活に必要と思われるものはいくつか置いてあった
腕時計とやらはそのうちの一つで今が何時なのか確認できるらしい
(天界に居った時は時間とか関係なかったねんけどなぁ…)
そう思いつつも確認すると時刻は8時17分。入学式が8時20分やから…!
「マジやん!」
「だから言うたのに…」
ゾムはやれやれと言った様子で走りながら呆れた声で言う
俺達は講堂に向かって全速力で走った
「つ…つい、た」
ゾムは普段運動をしていないからかゼーハー言いながらパイプ椅子に座っている
どうやら名前順らしく俺とゾムの苗字は違うのゾムは後ろの席だ
下界での俺の名前は『紗尾 論吉』。天界での名前と似ているのはとても助かる
「皆さん、おはようございます。本日は桜も満開で良い天気で本当に_」
壇上に立つ校長の話はとても長い
やはり天界でも下界でも『校長』という者は変わらないんやな
そう思い俺は周りを見渡す
ミッションにある通り荒れた学校だ。いや、学校自体は綺麗…とまでいかなくてもまぁ普通なほうや
でも生徒が荒れている。入学式だと言うのに来ている生徒は数少ない
講堂にもいくつか消えていない大きな落書きのようなものが残っているし、穴の空いているところもいくつかある
「_では次、紗尾 論吉」
「は、はい!」
俺は急に呼ばれて焦って立ち上がる
「よし、いるな。君は…鳥井 希か?」
「はい」
ゾムも呼ばれて立ち上がる
どうやら来ている人だけ呼んでいるようだ。てかよう分かるな
他に来ている人は1,2,3_5名程だ。確かクラスの人数が32名だったはずなので半分も来ていないことになる
「よし、座って良いぞ。では教室に向かってくれ。あ、紗尾と鳥井は話があるので後で校長室に来なさい」
「「へーい」」
俺達は適当に返事をして座る
皆は初対面だからかあまり話さずに教室へ向かう
俺達も校長室に向かうとするか…
「失礼しまーす」
俺はコンコンとノックをして校長室に入る
中にはいくつか絵画が飾られており、壁には歴代の校長の写真が貼られている。テーブルとソファが二つ。奥には校長先生が仕事をする用の机と椅子が置かれている
濃いめの茶色の木材でなんだか安心感がある
「よく来たね。まぁ座って」
校長先生は紅茶を淹れながらそう言う
俺達は言われた通りソファに座る。ふかふかで心地良い…
「本題だが、君達が試練で来たことは知っている。」
「え!?」
俺は驚きつい声が出てしまう
「私は監督官として君達の行動を見させてもらうトラゾーだ。よろしく」
そう言って校長は何やら紙を渡してくる
そこには『生徒名簿』と書かれていた。そして、生徒の名前と思われるものと長めの文章も書いてある
俺達は首を傾げる
「これなんですか?」
「これから学校を荒れないようにするんだろ?それについて君達に任せたい生徒達の名簿だ、理由も同じように書いてある。大体は君達と同じクラスの人を選んでおいたから、頑張れよ!」
そう言って校長先生は親指を立ててグッドマークを作る
俺達は『ありがとうございます』と言って頭を下げる
「じゃ、そう言うことで。よろしく頼むよ」
俺達は校長先生と少し世間話してから校長室を後にして教室へ向かった
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