今日は卒業式。
好きな人に告白する最後のチャンス。告白する場所はもう決めている。君と初めて会った桜の木の下。俺は心を決め、前を歩いている好きな人の名前を呼んだ。
「ほとけっち!」
「ん?ないちゃんどうかした?」
振り向く君。水色から紫色のグラデーションになっている髪にサファイアのような綺麗な目。
その全部が好きで、綺麗で愛おしい。あぁ、好きだなぁ、なんて。君とずっと一緒にいると思いを伝えてしまいそうになる。俺は口から思いが溢れ出ない様に早口で要件を伝える。
「卒業式が終わったら桜の木下に来てほしい。伝えたいことがあるから。」
「?うん、分かった?」
よく分からなそうに了承する君。
本当に鈍感だなぁ、。まぁ、そこも好きなんだけど。
「まっ、宜しくね!じゃ!」
君に手を振り、俺は体育館に向かった。
『これにて第〇〇回卒業式を終わります』
終わった、、。
遂にこの学校生活も終わりだ。心臓がバクバクする。ちゃんと思いが伝えられるか心配になってきた。でも、今日が最後のチャンス。後悔しないようにしないと。俺は走って約束の場所に向かった。
約束の場所に着くと、君は桜を眺めていた。何処か懐かしそうに。
「ッ、ほとけっち!お待たせ!」
「あ、ないちゃん!」
「来てくれたんだ、。」
「笑、当たり前じゃん。呼び出すってことは凄く大事な用事でしょ?」
「それより、伝えたいことって?」
じっと見つめられ、心臓が思わずドキッとする。
「俺、ほとけっちのことが好き、。」
「えっ、、?」
そう言うと君は目を見開き驚いたように俺の顔を見た。そんな顔を見て俺は胸が苦しくなった。やっぱり、ダメだよねッ。男同士だし、友達だしッ、。やばい、泣きそう、。
俺の目から涙が溢れる。
「、、、も、。」
「え?」
なんて言ったんだろ、、?
聞き返そうとした時風が吹き桜が舞う。びっくりして思わず強く目を瞑った。すると、唇に暖かい感触がした。
キス、をされたのだと気がつくのにそう時間はかからなかった。驚き目を開けると君の顔がすぐ近くにあった。
「僕も好きだよ。」
そう言って優しく笑いかけながら俺の目の端にある涙を拭う君。頬が赤くなるのが自分でも分かる。
「え、、?嫌じゃないの、、?」
「嫌なわけないでしょ。」
「だってほとけっち驚いた顔してた、、。」
「当たり前じゃん。誰だって好きな人に告白されたら驚くでしょ。」
「す、好きな人、、//」
「本当は僕から言いたかったんだけどね。」
すると、俺の手を取り跪く君。
「じゃあ改めて、、僕と付き合ってくれませんか、?」
そう言って俺の手にそっとキスをした。
「はいッ、こんな俺でも良ければッ、。」
プロポーズ地味た告白は、何処か恥ずかしくて嬉しくて、。また涙が溢れ出てしまう。
「笑、もう泣かないの、。笑ってる方が可愛いよ。」
「うん、!」
数年後、
「わっ、もうこんな時間!?会社に遅刻しちゃう!」
そう言いながら急いでスーツを着る君。
「もう、ほとけっちなんでもっと早く起きないかな〜!」
「だって〜!」
「もう、そんなこと言ってないで早く行ってきな!」
「え〜ん、ないちゃんが冷たい〜!」
玄関で靴を履き、ドアを開く。
「じゃ、行ってくるね。」
「行ってらっしゃい!」
君を見送った後、俺はそっと薬指にはまった指輪に触れた。
コメント
8件
いやぁ、……水桃いいね👍👍こういう系好きだよ😇😇
エモすぎるんだけど…!! 水桃も良きぃっ、!!︎💕︎✨ 卒業式の告白とかされてみたいものやね…()
水桃😭😭😭😭😭😭 やばい好きすぎる好きすぎる好き…(((?