Ak(あき)
・高校2年生。
・明るくて誰とでも仲良くなれる陽キャ。
・運動神経抜群で、バスケ部のエース。
・Mzをからかうのが趣味。
Mz(まぜ)
・高校2年生。
・陰キャで無口、ツンデレ。
・本を読むのが好きで、基本的にクールだけど、Akには態度が違う。
・素直になれない。
「ね、Mzち」
AkがMzの机に肘をついて、にやりと笑う。
「Mzち、俺のこと好きでしょ?」
「……は?」
Mzは本から顔を上げると、冷めた目でAkを見た。
「何言ってんだ、お前」
「いやいや、だってさ〜、俺のこといつも見てるし、放課後も一緒にいるし、絶対好きじゃん?」
「……はぁ?」
Mzは本を閉じ、深くため息をついた。
「お前みたいな騒がしいやつ、好きなわけないだろ」
「えー? でも俺のこと嫌いじゃないよな?」
「……まぁ、嫌いじゃないけど」
「じゃあ好きってことじゃん!」
「は!? 違う!」
Mzの顔が一瞬で赤くなった。
「Mzち〜、素直になりなよっ!」
「ならない」
「俺のどこが好き?」
「好きじゃない」
「でも放課後は俺と一緒にいるよね?」
「……別に、お前が勝手にいるだけ」
「俺がいなくなったら寂しい?」
「寂しくない」
「じゃあ俺、今日からMzちと距離置くね」
「……」
Mzの手がピクッと動いたのを、Akは見逃さなかった。
「お?」
「……勝手にしろ」
Mzはそっぽを向いたが、耳まで赤くなっている。
(絶対寂しいって思ってるよなぁ、かーわいっ)
Akは確信しながらも、さらに追い込むことにした。
次の日、AkはMzのそばに行かないようにした。
放課後になっても、Mzの机には来ない。
Mzは一人で本を読んでいたが、落ち着かない様子だった。
(……なんであいつ、来ないんだ)
しばらくして、Mzはしびれを切らし、Akのバスケの練習を見に行った。
体育館の入り口で立っていると、Akがすぐに気づいた。
「ん? Mzち、どうしたの?」
「……べつに」
「寂しくなっちゃった?」
「ち、違う」
「じゃあ何しに来たの?」
「……お前がちゃんと練習してるか見に来ただけだ」
「俺がいなくて寂しかったんでしょ?」
「違う」
「好きだから会いに来たんでしょ?」
「違う」
「じゃあ今すぐ帰りなよ」
「…………やだ」
Akはニヤリと笑った。
「やだってことは?」
「…………」
Mzは顔を真っ赤にして、視線をそらす。
「お前が……勝手に……その……」
「うん?」
「す、……す……」
「す?」
「す、……好きじゃないって言ってるだろ!!!!」
Mzは爆発しそうな勢いで叫んで、そのまま逃げ出した。
Akは大笑いしながら、Mzの背中を見送った。
(ぜーったい言わせてやろっ、♡」
Mzが”好き”って言うまで、この攻防は続く——。
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