なぜ、私はこんなにも疎いのだろうか。
学校からの帰り道で、いつものネガティブが発揮する。そうだろ、私にだけじゃなくて、皆にも彼は優しいじゃないか。なにかと気が利いて、らっだぁ先生とかにも優しい、良くできるクラスの一軍男子じゃない。あの集団だってそうだ。コミュ力お化けの集まりの一軍で、本当ならば私なんか関わる必要性は無い。私が『女』だから?…体目的、だったりして。とたんに、シャオロン君のキラキラした瞳や、トントン君の微笑み、ロボロ君の自慢気な顔が脳内でフラッシュバックする。やだ、なにを考えてるんだ?私は。あんなに優しくしてもらっといて、こんなこと…私、最低じゃんか。
「…前、ぶつかりますよ」
頭上から低い男性の声がふってくる。目の前には電柱があった。横の塀には胡散臭い政治家の顔が貼ってある。声のした方を見ると猫のパーカーを来ている男性が。その奥に隠れるような形で金髪のthe中二病な髪型の人(片目前髪で隠してる。あれ、なんか既視感…)がいた。
「へ、ああああごめごごめんなさい!」
陰キャ特有のどもり。めっちゃ噛んじゃったし…!
「ふは、大丈夫ですか?ぺいんとみたい笑」
「ちょっとクロノアさん⁉」
クロノア?さんは、そんな暗い顔してどうしたの?と聞いてくる。溢れでる優男感、この人絶対モテる…!
「か、顔に出てました…か?」
「うつむいてたし、何だか顔色が悪かったし…」
どうやら顔に出ていたようだ。猫のパーカーの人の灰色に濁った瞳の中にやつれたような酷い顔をした私がいた。吐き気がする。
「初対面だけど、俺で良かったら聞きますよ?個人情報とか、フェイク入れて…」
声が心地いい声だ。でも、いい人そうな人に限って、貼りつけた笑顔の裏に潜んで居るものの得体が知れない。人間はそういうもの。自分の保身に走り、相手の情報を自分に有利なように扱う。でも、この人はそんな風には思えない。
「…さすがに、ですね。すいません、赤の他人なのに…」
歩き出そうとするクロノアさん。待って、ちょっと聞いて…
「あ、あのっ!」
「…!」
私の声に気がついた様子で後ろを振り向いたクロノアさんは、私を見て、優しく微笑んだ。
気がつけば洗いざらい自分の事を話していた。人に言えないようなことまで。クロノアさんと、ぺいんと?さんは、口下手な私を急かさずに、ゆっくりでいいよ。と言ってくれた。
幼少の頃から母親に虐待され、両親は離婚して私は父親に引き取られた。シングルファザーになった父は、忙しくとも必ず私の時間を作ってくれた。が、小学校高学年になった頃になると父は憔悴しきっていた。疲れはて、やつれた父はストレスからか私に暴言を吐くようになった。そこから、私の人見知り人生が幕を開ける。誰にでも心の中に『闇』が潜んでいて、耳を塞ぎたくなるような汚い感情を持ち、そのヘイトは大体私のような陰キャに向かってくる。人見知りは中学になっても抜けなかった。
父親は酷いことを言った事を自覚したのか、申し訳ない、申し訳ないと惨めな程に謝ってきた。醜かった。とても。親と言うほど残酷な生き物はいないと思った。
いじめとかの下らない憎悪の塊を、私は受け止め続けた。
下駄箱から靴が無くなっていた。
バケツの水なんかしょっちゅうかけられる。
教科書やノートはいつもボロボロ。
クラスメイトの口喧嘩も最終的には全て私が悪くなる。
上履きがずぶ濡れは当たり前、酷いときは机の中にゴミがいっぱい入っていたことも。
でも、変わったんだよ。ここに来て、いい人も居るって思えて、舞い上がって、友情を『恋』と勘違いして、ネガティブに考えた。でも、ちゃんと気づけたんだよ。皆の優しさが、本物だって。
「…すっきりした?」
「すいません…でも、だいぶすっきりしました…」
「自分で完結できてたね。それでいいんじゃないかな?」
「自分の心をまとめられるのは、誰しもが出来ることじゃないから。」
「それは、凄い事だよ?よく頑張ったね」
「…!ありがとう、ございます…」
「え、ちょっと?大丈夫…?おーい…」
“なにか”が切れて、私の視界は暗転した。
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こんばんは!作者です!
急展開ですね…💦
小説作るのはまだまだ初心者なので…
ただの言い訳ですが。
そういえば、全国学力テストがありましたね!
皆さんは大丈夫だったでしょうか?
私はちょっと不安です…💦
低い点数採らなければいいですけど…😵
国語が苦手な癖に将来の夢が小説家…
本末転倒ですね。
では、また次回で会いましょう~
コメント
5件
やっぱらるあさんの作品好きです!
絶対小説家になれますよ…‼ 今回のお話もさいこーでした! 次回も楽しみにしてまーす!
素晴らしい展開ありがとうございます 大好きでs(((殴