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「ん…!ふぁ…。よく寝たぁ。」
私は綺咲梨花(きさきりか)。しがない本屋の一人娘で男には興味がなく、近くに城がある。
でかい城で、後宮のように広い。
そんな城の近くに本屋がある理由は、図鑑などの書物を給金で買い、いわゆる出世、立場を上げるために猛勉強するんだとか。
たかが噂だ。世の中立場を上げるために薄汚い努力をするものもいる。しかも、城で悪いことをして首が飛ばないように回避するには身代わりにお偉いさんのお付きの女を渡さなくてはいけないという謎のきまりがあるのだそう。期限は1日と言われている。
「ま、そんなんに興味がないし、仕事仕事!」
パパっと支度を済ませて本屋のある1階へ。
「あら、梨花。おはよう。今日はいつにもまして早いね〜。」
ふんわりとした落ち着きのある声を出して話したのは、花園蕾(はなぞのつぼみ)さん。
家でアルバイト中の高校2年生。歳が2つ上なんだ。
「しょうがないでしょう?今日は注文された人の家に本を届けるサービス提供なんだから。」
「それもそうね。心配だけど、私は店番頼まれているし…。」
「それじゃあ行ってきます!」
「ちょっとまって!この仮面を被って行きなさい。今は誘拐が多いのよ。」
猫の仮面を渡され、言われるがままにつけて出発した。
黒いフードに仮面って…ねぇ。心配し過ぎなのでは?
徒歩だから急がないと…。
ピンポーン
「お届けです。」
「はーい。」
「うげっ。」
こいつ男じゃん…。しかもきらきら系の。
佐々木紗月(ささきさつき)…。女の子かと思って来てみたら…。
「これ…品物です。では…。」
「ありがとうね♡」
おぇぇぇぇ…。キモっ。
とっとと次のところに…。
「むぐっ」
「君には身代わりになってもらうよ♡」
クッソクズ男じゃねぇかよ!!!◯ね!
意識が…遠く…。
「うぅ…。あのクズ男…!」
「あら。目が覚めたかしら?」
「ど、どなたですか?」
「私は、神崎千鶴(かんざきちずる)ですが…。姫様の付き人です。」
は、はぁぁぁっぁぁ!
ほんっとうに売り飛ばしやがったあいつ(紗月)!
《2話に続く》