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attention
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ドス太
監禁
暴力表現
r18
ドス『』
太宰「」
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episode 1
カツンカツン
革靴でコンクリートを歩く、 乾いた音が鳴り響く
そして、普段なら誰もいないような薄気味悪い暗い路地裏で
「やぁ、フョードル」
太宰治が、手をひらひらと振り乍ら歩いている
『おや、太宰裙。こんな所で出逢うとは。』
言葉とは真逆に、魔人は驚く様子も見せず、ゆっくりと振り向く
『奇遇ですね。』
作ったような笑みを浮かべ乍ら、そう云った
「さて、本当に奇遇なのかな?」
太宰も微笑み返す
そんな2人の声は、路地裏の中に吸い込まれるようにして消えていった。
訪れる静寂
「さて、雑談もここ迄にして…」
太宰が口を開く
「此処に現れた理由は?」
少し間が空き
『さぁ、何でしょうね?』
魔人はどことなく遠い目をし乍ら答える
「なら質問を変える。」
「…さっきまで一緒に任務を行っていた敦君が消えた。君の仕業だろう?」
魔人は何も答えず、懐から布を取り出した
「ッ…、」
そしてその布に包んだものを見せた
「…、(あれは…、敦君の髪の毛?!)」
「彼を何処へやった」
太宰が一歩踏み出そうとしたその時、
〔だ…ざ…………んッ〕
どこからが声が聞こえた気がした。聞き慣れた声だが、言葉が不明瞭だ。
〔だざ……さんッ!〕
そしてもう一度聞こえた。今度は後ろからだとハッキリ分かった。
〔太宰さんッ!!〕
敦の叫び声だ。
敦だと認識した瞬間、太宰がハッとした顔になり
「…ッ?!」
急いで後ろを振り返ったが
〔逃げてください!彼奴は囮です!!〕
敦がこちらに走ながら叫んでいた
だが、魔人の方を振り返る前に
『ええ、そういう事です』
魔人の声がして、太宰の意識は途切れた。
微かにカビの匂いのする湿った床の部屋。
太宰はそこで目を覚ました。
少しの雨音と、ネズミの声がする。
「…(ここは何処だ、?)」
立ち上がろうとすると、ジャラという音がした。
よく見ると、金属製の分厚い首輪が嵌めてある。
その首輪は壁に繋がっていて、外そうとしてもびくともしなかった。
』おや、ダメですよ。外そうとしたら。』
太宰が声の方を振り返ると、檻越しにフョードルが立っている。
「…(…、何が目的だ?)」
太宰はフョードルを睨みつけた
『そんなに睨まないでくださいよ』
太宰はフョードルが言い終える前に云った
「何が目的だい?」
声色を変えず、フョードルは答えた
『貴方の頭脳です』
「(成程…仲間にしようとしているのか、)」
「悪いが私は…」
だがフョードルはそこで言葉を遮った
『ええ、貴方が一筋縄ではいかない事など分かっています』
それに…とフョードルは言葉を続けた
『仮に協力関係を結んだとしても、貴方の方から裏切る可能性が高い。』
『ならばどうするか?答えは簡単です。』
『…貴方を徹底的に調教するんです』
負の感情を煮詰めたような笑みを浮かべるフョードル。
「…調教か、…ふふ、あははッ!」
すると突然笑い出す太宰。
「私は元ポートマフィアだ。拷問の訓練ぐらい受けている。」
『…ええ、知っています。』
『だからこそ、…』
フョードルはそこで言葉を止めた。
「…?」
『いいえ、何でもありません』
『…ところで太宰裙、貴方には織田というご友人がいましたね?』
太宰は自分の心音が早くなるのを感じた
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フョードルの、奇妙な優しさを含んだ甘ったるい声が響く
『可哀想に…貴方は織田さんの言葉に呪われていたんですよ』
「違う…、ッ」
太宰が苦痛から逃れるように耳を塞ぐ
『なら、貴方が人を救う理由は?』
「それは… 」
『探偵社の一員だから?それは本音ですか?』
太宰は言葉に詰まった。何もかも見透かされている気分だったからだ。
『探偵社で皆に頼られているようですが、本当に誰かを頼りたいのは…』
『貴方では?』
「違うッ!」
太宰は叫んだ
『…太宰裙、なら貴方は何故泣いているのですか?』
「え…っ?」
気がつくと涙が溢れていた
「(何で…?おかしいな、)」
「(私は大丈夫な筈じゃ?)」
震える太宰をフョードルが抱きしめる
『大丈夫です、』
『貴方は大丈夫ですよ』
幼児をあやすように続ける
「(私は……大丈夫、)」
太宰が、自身の温かさに少しだけ身を任せるのをフョードルは感じ取った
『(莫迦ですね…貴方が眠っている間に思考が低下する薬を飲ませたとも知らずに、)』
誰かに秘密を打ち明けると、嫌いな相手に大切な話を話すわけない。と脳が思い、自然と相手を好きになっていく。
自分でも気付かぬうちに、だ。
『(そのまま堕ちてくださいね?)』
太宰裙
next→1000♡
新連載始めました!!w