あれから、俺は秘密基地に毎日行くようになった。
食料を分け合ったり、ゲームで遊んだり。
この場所が、俺にとって心地よかったから。
ky「あのさ、なんでみんなはここにいるの?」
「…あのババアから逃げてんの」
ky「ば、ババア?」
「まぁ…お前で言うとお母さんみたいな感じ」
ky「へぇ…」
「俺らの事情は、知らなくていいよ」
ky「わかった」
「…あのさ」
「お前っていうのあれだから、名前教えてくんない?」
ky「…俺、名前ないんだ」
「は?」
ky「お母さんに、名前を与えて貰えなくて」
「まじか」
「とんでもねぇな」
ky「あ、そういえば」
ky「みんなの名前って、何?」
「ん?あぁ」
「俺らの名前は…」
そのときだった。
このときは思ってもみなかっただろう。
まさか、みんなと会うのがここで最後だったなんて。
「居たぞ!」
そこには、男の人が何人かいた。
ky「えっ、警察?」
「あ、やっべ…」
??達は、秘密基地を出ていく。
ky「えっ…」
警察官達は、俺を見て疑問に思っているようだ。
「…この子は?」
「見知らぬ顔ですね…」
「お名前は?」
ky「な、名前ありません」
「え?」
ky「お母さんに名前を貰えてないんです」
「…」
「と、とりあえず…話は聞くから署まで来てもらっていいかな?」
ky「…わかりました」
そのとき、ふわっといい匂いが俺の鼻奥まで刺激を与えた。
ky「…?」
??「ふふふっ笑」
??「天気がいい日に散歩するのも、悪くないわね」
??「こんなに面白いものが見れるなんて」
ky(だ、誰?)
俺は、??に手を掴まれる。
「ちょ、ちょっと!」
「この子は今から連れていくんです!」
??「…はぁ、めんどくさいわね」
??は、大きなケースを取りだした。
ケースの中には、大量の札束が敷き詰められている。
「…!?」
??「じゃ、連れていくわね」
警察の人は、大量の札束を見つめていて、連れていかれる俺の方は見る気もしなかった。
しばらく歩くと、大きな建物が視界いっぱいに埋まった。
??「私の家よ」
ky「ど、どうして…?」
??「今日から、貴方は私の所有物だから」
ky「し、所有物!?」
ky「そんなの…嫌に、決まって…」
??「じゃあ、あなたはいつも通りの生活を送りたいの?」
ky「それは…」
??「だったら、決まりね」
ky「そもそも、いきなりそんなこといわれても」
??「…私は、あなたを買ったの」
ky「か、買ったって」
??「あのケースのお金で、あなたを買ったの」
??「飼われたあなたは、もう私のペットよ」
ky「でも…」
ky「…」
??「そうね…」
??「執事が1匹余ってるかしら」
??「貴方は、私の執事になりなさい」
??「拒否権は認めないわ」
ky「…わかった」
ky「給料は出るんだろうな?」
??「ええ、もちろん」
ky「…くそ」
??は、俺の頬を叩く。
ky「い”…!?」
??「貴方は、私に頭を垂れる立場なの」
??「そんな汚い言葉、私の目の前で二度と言わないで」
ky「…」
ky「…はい」
??「この館では、条件が1つあるの」
ky「…?」
??「これから、私のことは」
お嬢様「お嬢様とお呼びなさい」
お嬢様は、ピンク色の瞳をきらっと輝かせた。
コメント
2件
やっぱり何回みてもお嬢様嫌い。 続き楽しみにしてます!!
アイツらがTOP4 最俺 だったとしてなんで逃げたんだ…?逃げ出して秘密基地に来てたから…とかかな