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「久しぶりに街に出たなぁ」
辺りには、飲み屋や商店が数多くあった。
そして、目当ての冒険者ギルドもある。
冒険者ギルドはここらで、3番目に大きい建物だ。
「初めて見ますが、登録ですか?」
「そうですけど…あなたは?…」
俺の疑問に答えるようにして。
「私はこの冒険者ギルドの受付をしています。
フィレナと申します。」
銀髪に睫毛の長い女性が姿勢良く会釈をする。
「フィレナさん。登録はどうすれば良いのでしょうか」
俺の問いかけに、フィレナさんはスッと一枚の紙を俺と彼女の仕切りにしている机の上に
差し出す。
「こちらに名前と年齢、使える武器を書いて下さい」
「はい、名前……」
年齢や使える武器は何ら、問題もない、だが、
名前は魔王軍幹部という都合上、隠しておかねばならないそこで、俺は偽名を使うことにした。
「…はい。グレイアさんですね。あ、一応魔法を使うのであれば、属性を書いていただけると助かります」
魔法も全属性使えるのだが、潜入する為にはあまり目立ちたくない。適当に、火、水、風の3属性でいいだろ…。ハネペンを握り、再度紙に書いた。
「使う武器は、剣と弓で…魔法は……」
フィレナさんが紙を見て固まる。……数秒が立ち、目を丸くする。
「…どうかしましたか?」
「どうかしましたかって…どうかしてるに決まってますよっ!!」
怒りや呆れとも取れる声を、フィレナさんは上げる。
「はぁ、いいですか。魔法は1属性までで、2属性なんかはA級冒険者のごく一部が使えるだけですよ。それを貴方みたいな少年が…」
…そうだったのか…でも、夢の中のあいつらでも5属性くらい使ってた気がするけどな…というか俺、もう18歳だけどなぁ。
「…嘘じゃないですよ。信じてください」
「……分かりました。一先ずは見逃します。
後の対応はこれからの活躍次第ということで」
と俺を訝しみながら、フィレナさんは冒険者ギルドの身分証を渡す。身分証には、名前の他にG級と書かれていた。これは格付けみたいなものだろう。
「依頼を受ける場合は、その階級の依頼しか受けないでください。G級だと…薬草採取とかですね…パーティが組めるのはD級からなのでお気をつけて…」
「何故、D級から何でしょうか…」
別にG級でも荷物持ちとかできるのに…
「それはですね…最近初心者狩りをするベテラン冒険者が出てきてですね、最近冒険者になったばかりの人は装備も良いものを使っている人が多いのでパーティを組んで、装備を奪い取るという行為に及ぶ人達がいるので、ある程度自己防衛できる階級になったらパーティを組める仕組みになったんですよ」
「そうなんですか…」
出来るだけ、夢に出てきた冒険者が実在しているのか早く知りたいのだが…仕方ない…
俺は沈んだ表情を浮かべる。
「あ、説明ありがとうございました」
「いえ、では証明ができるように頑張ってくださいね」
フィレナさんは先程のことが無かったかのようにニコッと良い表情をする。
「はて、どの依頼にするかな…」
受付のすぐ横にある依頼掲示板の前に立った。
G級の依頼には、薬草採取や迷子を探すなどの簡単な依頼が乗っていた。
「これ、お願いします」
俺が選んだのは、迷子探しだ。薬草採取よりも人と関わる機会が多いためだ。
彼此迷子探しを始めて、1時間がたった。手掛かりも掴めていない状況だった。