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「うず、」
『なに。』
真夏の暑さにあてられて、気がおかしくなっただけ。 アブラゼミとカラカラと音を鳴らす錆びれた扇風機がうるさい。 きっと、俺が今うずに襲われてしまえば、何も抵抗できない。しない。
「すきだよ。俺が不随でも、すき?」
『どうしたんだよ急に、好きに決まってんだろ』
「じゃあ、ちゅうして、」
どうせ夢。ここでしか、うずに触ってもらえないし、感じることもできない。
軽く口付けされれば、舌を入れて、舐めて、と合図を送る。そうすれば、うずは手に持っていた漫画をそっと閉じて、どっかに投げてしまった。ベットに座らせてくれたから、移動する必要はないよね。
うずの額から汗がたれている。たぶんおれも、汗ばんでてくさい。
「ん、ふ、…はふ、…ん、…」
『息すんのじょーず。ほんとかわいい。』
ふと、あの短刀が入っていた棚が目に入る。その瞬間吐き気がして、意識を失った
「はっ、はっ、はっ、はっ」
夜明けに目が覚めた。目からは涙が止まらなくて、寝汗でびっちょりして気持ち悪い。
うず、………うず。
声を抑えて泣いた。苦しくて苦しくて仕方ない。あの夢から、覚めたくなかった。 酸素が回ってなかったのか、気絶に近いような、眠りについた。
あの日の夢だった。
あの暑くて、アイスが溶けて肘を溶けた液体が伝った。俺の携帯はバキバキに割れて、うずの首にはうっすらと跡がある。
あのひ、すべてが始まった日。
いつの間にか目覚めていて、朝の準備をして、なんにも考えず学校へ。
『おーい、からん!』
「えっ、」
何もなかった俺の席の前に、いる。
そこにはいないはずのうず。
思わず抱きしめて、声を上げて泣いた。そのうずの体は温かくて、抱きしめてくれた手が心地よかった。
ちょっと悲しいか。
今度はばちえろかく